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新たな一歩を踏み出したい、私たちのバイブル「キッチンで読むビジネスのはなし」

「キッチンで読むビジネスのはなしってどんな内容なんだろう?」キッチンとビジネスという対極にありそうな言葉のタイトルに興味を惹かれたのが、この本を手に取ったきっかけでした。

35歳、5歳の女の子を育てるワーママの私。新卒から働いてきた会社では中堅社員となり、仕事の責任も増えてきて、家事や育児とのバランスに悩む日々。

これからの働き方を考えて、いくつかビジネスに関する本を読んできました。その中でもこちらは、親しみやすく、自分の暮らしに取り入れやすいところが気に入っています。同じように悩んでいる方がいれば、是非おすすめしたい一冊です。

こんなにワクワクするビジネス書は初めて!やさしい文章で読みやすい。

北欧暮らしの道具店、ダンディゾン、ロミ・ユニ コンフィチュール、くるみの木、カオリーヌ菓子店など…素敵なものを生み出している社長さんたちのインタビューが読める本書。有名企業社長のインタビューと聞くと難しそうな印象を受ける方もいるかもしれませんが、大丈夫。それは、著者の一田慶子さんの文章がやさしいから。

たとえば、この本は「私はお金の計算が大層苦手で、普段の家計管理もどんぶり勘定。」という一田さんの告白から始まります。この一言のように「わかる、私も!」と共感でき、ちょっと安心させてもらえる一言が文章に散りばめられているんです。ビジネスがテーマですが、難しい専門用語も出てこない。そのおかげで自分を否定することなく、気軽に読み進めることができます。

著者の一田慶子さんはOL生活を経て、編集プロダクションに転職後、フリーライターとして数々の書籍や雑誌で執筆活動をされている人気ライター。

私も将来ライターになることを目指して活動を始めたところです。もしかすると同じような方も多いのではないでしょうか?一田さんの経歴に今後の自分の姿を重ねて、「ここで具体例を使うのね」なんて、文章の構成を確認しながら読んでみるもの楽しいと思います。

成功のために必要なのは「好きなことを好きなように」ではない。相手のことをとことん考えること。

月間PV数1,500万を誇る大人気のネットショップ、北欧暮らしの道具店。私は同店のファンで、オンラインストアを覗いたり、LINEのお知らせから読みものページに飛んでいったりと、毎日のようにサイトを訪問しています。

北欧アイテムの販売から始めたお店が、最近では動画コンテンツの制作や、ラジオ配信まで始められているので「手広いな〜、さぞ審美眼、ビジネスセンスの優れた人たちが働いているんだろうな」と思っていました。それが、本書で社長の佐藤友子さんが「決して自分のセンスに自信を持っている訳ではない」と語っていたので、びっくり。それよりも切実にお客様の悩みに寄り添うことを大切にしているそうです。

確かに、自分のことに振り替えてみても、「家族で海外旅行に行ってきた」という話をするよりも、「最近、夕飯のメニューがマンネリ化しててさ。炒め物かカレーの2択って感じになっちゃってるんだけど、毎日のどうしてる?」と悩みや自分の正直な姿を共有した方が、友達との仲が深まるような気がします。

自分の好きを活かして仕事をされている社長さんたちなので、自分の好きと向き合って、とことん突き詰めているだと思っていました。でも、全てのインタビューを通して感じたのは、「お客様のことをとことん考えている」ということ。

わかりやすかったのは、吉祥寺のカフェ、コロモチャのオーナー中臣幸次さん・美香さんのレモンタルトを例にとったエピソード。

「例えば、私はこのレモンタルトが好きと思っていても、お客様はもっとクリームっぽいレモンのタルトが好き、ということがあります。それがわかったとき、お客様も好き、私も好き、っていうレモンタルトを作らなくちゃいけないなと思うんです。」

自分の好きを諦める必要はないけれど、相手に寄り添う必要性があるということが、心にストンと落ちて納得できました。また、巷でクリーム大福が流行っているなら、レモンタルトもクラシックなものから少し変化させてみるなど、世の中の流れを読み取る視点も参考になります。

「クリエイティブな仕事って、きっとセンスが大事」。そう考えていた私の視点を、正しい方に導いてくれたストーリーでした。

新しい一歩を踏み出すために。心に残った言葉、私だったらどう活かす?

各章の最後に、「ビジネスアンテナを私の暮らしに取り入れてみたら」というページが設けられており、著者の一田さんのアウトプットの仕方も学びになります。

この一冊を読んで、私が始めたいと思ったことは6つ。

●気になったことの「なぜ」を考える。
●日々考えたことを言語化して、書きとめる。発信してみる。
●自分がやりたいこと、人に任せられることを分けてみる。
●人との繋がりを大事にする。
●相手の目線に立って物事を考える癖をつける。
●目標を定めて、そのために何をすべきか落とし込む。

最後に、ロミ・ユニ コンフィチュールの代表、いがらしろみさんの一言をご紹介したいと思います。

「夢をビジネスに展開したいなら、まずは行動を起こすことでしょうね。行動を起こさなければ、絶対に何も起こりません。どんなに考えていても、行動しなければ考えていないのと同じなんです」

きっとここまで読んでくださった方は、既に新しい一歩を踏み出しているのではないでしょうか。この後は、お互い進んでみるのみ!その道標におすすめしたい一冊です。
読んだ後、私にもきっとできる!と勇気をくれるのではないかと思います。

キッチンで読むビジネスのはなし
11人の社長に聞いた仕事とお金のこと
一田 慶子


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