見出し画像

70年前のフィルムカメラ、発掘してそのまま使えちゃった話

祖父の家で誇りまみれのフィルムカメラを発掘


ある日、祖母の家の物を整理していた時に発掘したフィルムカメラ、それが「Kodak Retina Ⅱa」。表面は埃だらけであったが、どうやらシャッターは切れるようだった。レンズには目に見えるカビが生えている様子も見られない。

こちらはすでにカビなどをふき取ったもの。形がかっこいい。。。

父曰く、私が生まれる前にすでに亡くなった祖父が愛用していたものだという。会ったことのない祖父が当時見ていた世界を、切り取っていたこのカメラ。令和の時代である今、改めて使い始めることに、何か感慨深いものを感じた。

Kodak Retina Ⅱaは、中央のふたを開くことができ、蛇腹式のレンズを取り出して使う。レンズは名門ドイツ・シュナイダーのクセノン 50mm F2が搭載されている。(カメラの詳細はほかのブログに委ねるとする。)

ふたを開くとレンズが出てくる。この仕組みもしびれる。

製造番号からおおよその製造年がわかるらしく、調べてみると、おおよそ1951年が製造年のようだ。約70年前のカメラということになる。

はたして、70年前のカメラ、かつ祖母の家でおそらく数十年放置されていたカメラが使えるのか、、、かなり疑問であったが、シャッターは切れるので、一縷の望みをかけて、使ってみた。

ファインダーは変色しており、ファインダーの大きさも小さいため、撮るのにだいぶ目をしぼませる必要があり、正直これまで使っていたフィルムカメラよりもだいぶ使いにくい印象を受けた。

ただ、持ち歩く楽しさが生まれる見た目のかっこよさから、自然と使いたくなる。さすがはKodak製品。

70年前のカメラでもしっかりと映っていた

実際に撮影した写真を現像してみた。
(使用したフィルムはkodak pro image 100)

くっきりと問題なく映っている
やわらかい光が出ているのが個人的にお気に入り

現像された写真をみても、特に光漏れ等もなく、問題なく映っているように見える。個人的には旅行やお出かけの際に撮影する程度で、仕事用に使っているわけでもないので十分なクオリティである。

現像された写真を見たとき、いつもの現像時の喜びとともに、かつてのモノづくりのすばらしさを感じた。70年たった今でも整備無しで使えてしまう。
おそらく、今のデジタル製品の大多数は70年後には動いていないだろう。

今はアナログからデジタルへの移行を加速させようとしている時代ではあるが(仕事でもその波を作っている側の人間だ、、、)、このようなアナログ製品のすばらしさ、楽しさを感じ取れる心のスペースを残しておきたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?