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銭湯の血圧計、みんな使ってるの? 突撃調査してみた件

こんにちは!湯の輪らぼ新メンバーしほです。

銭湯でときどき見かける血圧計。

みなさんは測ったことありますか?
私はトイレ待ちやドライヤー待ちがあるときの時間つぶしで、気まぐれに測ったりしています。

湯の輪らぼが拠点にしている神田の稲荷湯にも、待合室のはじっこに血圧計があります。

血圧計1

時々測っている人がいるけど、みんなどんなタイミングで測ってるんだろう…?

看護師なりに気になってしまい、なんと今回張り込み調査を敢行しました。


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19:30

仕事帰りのランナーさんがちらほら脱衣所に入っていきます。

すると、待合室にサラリーマンと思われるスーツを着た1人の男性が。お風呂上がりで血圧計の前に座り、スーツのジャケットを脱いで血圧計に腕を通しています。

やっと1人目!お話をうかがってみましょう。

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Aさん 

会社員。ランニングが趣味で、この日も仕事帰りにランニング友達と稲荷湯に来ていた。

しほ:なぜ血圧を測ったんですか?

Aさん:来たらちょうどあったから、測ってみました。友達が風呂から出てくるのを待ってて時間があったから、ちょうどいいかなと思って。

しほ:お友達と来られたんですね!

Aさん:そう。よくランニングをしていて、いろんな場所で走ってるんです。

今日は皇居のまわりにちょうど桜が咲いてるかなと思って走りに来たんです。

稲荷湯は初めて来ました。血圧はあんまり測らないですが、大丈夫そうでしたよ!

この後にランニング愛を語ってくれたAさん。ランニング仲間とはアプリを共有していて、お互いがどこを何キロ走ったとかもわかるとか。

Aさんの場合は、
①ランニングが趣味かつ血圧を測ろうと思うAさん自身の潜在的な健康意識の高さ
②目に付く場所・測りやすい場所にあるから血圧が測定しやすいという稲荷湯の環境

の2つの理由で、血圧を測るに至ったのではないでしょうか。

血圧計は、脱衣所にある銭湯もあれば、稲荷湯のように待合室にある銭湯もあります。

設置場所で、目の付きやすさやお客さんの測るタイミングも変わるのかもしれないですね。


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20:00

常連さんが「こんばんは〜」と来るなか、お風呂上がりにまもるさんに親しげに挨拶して血圧を測り始める男性が。

2人目!この方にもお話を聞いてみましょう。

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Bさん 

稲荷湯の常連さん。飲み会が好きだけど、新型コロナで飲み会がなくなったことがちょっと寂しい。

しほ:なぜ血圧を測っているんですか?

Bさん:医者にやばいと言われたんだよ。

ここに(血圧測定の)機械が置かれてから毎回測って、日記に書いてるの。ここに来ない日も毎日測ってるよ。

5年日記だから1年前に何があったかもわかるし、血圧の数字もわかる。

しほ:5年日記、続けられるのすごいです!ちなみに稲荷湯に来てるのには理由があるんですか?

Bさん:医者からお風呂は体にいいと言われたんだ。

お風呂は身体とかもリラックスできるからいいよね。

イライラしてるときは血圧も高くなるんだけど、さっき常連の人と話してたからか今日は落ち着いてるよ。

医師のアドバイスで血圧を測るようになったそうですが、ちゃんと毎日測定してメモしているBさんのマメさ、三日坊主の私としては見習いたいです(笑)

Bさんの場合、「こういう時は血圧が上がりやすい」「こうすると血圧が下がる」と自分自身で血圧の傾向を理解するために、血圧計を活用してくださっています。

血圧を測ることが習慣になり、自分の体を知る一環になっているようです。

また、常連さんと話すことで血圧が上がらずに済んでるそうで、銭湯はBさんにとって心理的に落ち着く場所にもなっているのかもしれません。

銭湯でリラックスすることで血圧管理までできるなんて、なんて健康的な場所なんでしょうか。銭湯の良さ、再発見です。


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22:00

稲荷湯の暖簾をしまい、閉店も近くなったころ。ワイシャツ姿の男性がお風呂から出てきて、血圧を測りはじめました。

3人目!今日はこの方で最後っぽいです。お話を聞いてみましょう。

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Cさん 

会社員。病気と付き合いながら仕事をしていて、稲荷湯は体調をみながら通っている。

しほ:なぜ血圧を測っているんですか?

Cさん:体重と血圧を体調のバロメーターにしているんです。

病気で水分管理が必要なんですが、お風呂に入ると汗が出て、体重も減るし血圧も下がるんです。入浴する前に体重と血圧を測って、お風呂に浸かる時間を調整してます。

血圧が低めの時は入りすぎないようにするとか。お風呂から上がった後も測って、体重と血圧がどれだけ下がったか確認してから帰るようにしてます。今日はちょっと低めですけど、100を下回ってないしこのくらいなら大丈夫です。

しほ:自己管理されているのがすごいです。家のお風呂じゃなくて、あえて稲荷湯に来ているのは理由があるんですか?

Cさん:銭湯のほうが温まるんです。

多少汗も出さなくてはいけないのですが、家のお風呂だとすぐぬるくなっちゃうからか、汗のかき方が全然違いますね。

Cさんは病気と付き合いながら銭湯を利用しているそうで、体重と血圧を確認しながら、入浴時間を考えるなど体調管理を徹底されています。

Cさんの場合、医療者がいないような場所でも安全にお風呂を楽しむためのバロメーターとして、血圧計を活用されているようです。

一度、長湯をしすぎてフラッとしてしまったことがあるそうです。脱衣所で休んでいたところ、他のお客さんからお水をもらったこともあると仰っていました。

お客さん同士での助け合いの風景もあるようです。1人で家のお風呂に入って体調を悪くしてしまうよりも、見守りがある場所なのでそこは安心かもしれません。


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インタビューを終えて、いつも血圧を測定している人は体調の自己管理の指標として使っていること、時間のあるときに時々測る人がいることが判明しました。

そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が血管を押す力のこと。

家庭においては上が135mmHg/下が85mmHgが基準値で、上が135以上、下が85以上だと高血圧と分類されます。もっと細かいことについては参考サイト(1)を読んでみてください。

血圧は1日の中でも変動があり、とくに生活習慣の乱れは血圧に影響すると言われています。

健康診断で血圧に異常なしと言われても、1年に1回だけですから、どこのタイミングで血圧が上がっているかわかりません。

若い人でも体質やストレスで血圧が高い人もいますし、健康なうちから日々の体調のバロメーターとして定期的に血圧測定することで、自分の体を気遣う大きな一歩になると思います。

…と言いながら私もズボラで定期測定してないので、これを機に血圧計チャレンジしてみます!

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入浴においては、温浴効果で血管が広がることに加えて、お湯に浸かることで気分が落ち着き副交感神経が優位になり、血圧が下がります。

Bさんのように、気心の知れた方々と話すことで落ち着いて血圧が下がるという一石二鳥な人もいます。

ただ寒い時期は脱衣所との温度差で、お風呂から出ると急に血管が縮んで血圧が急上昇、脳卒中や心筋梗塞のリスクが上がるので注意が必要です。

入る時は、掛け湯をする、またはシャワーである程度温まったうえで入浴する。出る時は急に上がらず、ゆっくり上がるようにしましょう。詳細は参考サイト(2)からどうぞ。

銭湯の血圧計のおかげで安全に入浴ができて、病気がありながらも、まちでの日常を送っている人々がいます。稲荷湯の血圧計は、神田のみなさんの健康に貢献しているようです。

快くインタビューにご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。
ぜひみなさんも、銭湯で血圧を測ってみてくださいね!


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まもる:実は、僕も血圧あんまり測ったことない…。

しほ:そういえば私もしばらく測ってないなぁ。我々も測ってみますか。

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血圧計:ピピピピッ、ピピピピッ、非常停止ボタンです

しほ:あっ、スタートしようとして間違えて非常停止ボタン押しちゃった!

まもる:それ、間違えるお客さんが多いんだよねー(笑)

押しやすい位置に非常停止ボタンがあるけど、スタートボタンはその上なんだよね。間違える方、割と多いよ。

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これは非常停止を押したくなってしまうデザイン...

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結果は…?

まもる:僕は正常範囲でしたー!

しほ:私も正常範囲だけど脈が速い!非常停止ボタンのくだりがあったからかな…。

まもる:この血圧計の企画にちなんで、お客さんに血圧の測定を提案してみたら、ご自身が電車の中で失神してしまったことがあるっていう壮絶なエピソードを教えてくれた人がいて(汗)。

原因は血圧じゃないかもしれないけど、血圧計がここにあることで、お客さんと体調について話すきっかけを作ってくれるんだよね。

自分も、お店に立っているとお客さんに聞かれることもあるから、ちゃんと勉強しなきゃなぁ。

しほ:それは大変なエピソード…!

読んでくれる人がちょっとでも体のことを気に掛ける機会になればいいなと思っていたから、きっかけづくりになったのは嬉しいな。

血圧のこと以外でも、何か企画していきたいのでアイデアがあったらぜひ教えてください!


参考サイト

(1)  血圧とは|【ゼロイベント】脳・心血管疾患発症ゼロへ オムロンヘルスケア
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/
(2) 高血圧の方が入浴する時に気をつけるべきポイント|Dクリニック東京ウェルネス
https://onl.sc/fVVvuNq



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