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タイムワープした母娘鎌倉旅行

数年前、大学進学し横浜に住み始めた娘から、鎌倉日帰り旅行の誘いがあり、ちょうど仕事で上京する機会があったので、その誘いに乗ってみた。

北鎌倉駅に到着し、円覚寺の山門をくぐり、娘とふたり散策している時、「なんか前にも同じような感覚を持ったような気がするなあ~」と感じていた矢先、突然浮かんできた。

そう、私が20代で独身の時、母を誘ってふたりで鎌倉旅行をしたことを思い出したのだ。

その頃、JR東日本の旅行パッケージ商品として「サンクマムパス!」というものがあり、確か「母娘で2泊3日の格安旅行をしよう」という企画だったと思う。金額も新幹線含め2人で4万8千円という超格安だった。(金額まで鮮明に思い出せたのは、ひとり2万4千円で青森東京往復はホントに格安だったから)

家族みんなで旅行はしたことがあるけれど、三人姉妹の誰かひとりと母娘旅行というのは、母にとっても初めてだったに違いない。

初めて母とふたりで旅行に出て、どうだったのか?と言えば、その頃の感想としては「もう二度と母娘ふたり旅行は行きたくない!」というものだった。

なぜなら旅の価値観が母娘で全く違い、母に振り回された2泊3日だったからだ。母は鎌倉や江の島散策より、買い物大好き。私は寺社仏閣めぐりが大好き。こんなだから、旅を楽しむより親孝行を優先するしかなかった。

それでもふたりで円覚寺を散策し、鎌倉の山々を見ながら🍵お茶を飲んでしみじみしたことは憶えている。

あれから20年以上経ち、今度は私が母となり娘と円覚寺を散策。

母となって、娘とふたりで昔と同じ場所を歩いた時に、ふと20数年前、母と一緒に歩いた映像が浮かんできた。ついでにあの時話していたことも・・

「北鎌倉ってほんとに静かでいいところだね~昔見た小津安二郎の映画の世界に迷い込んだみたいだよ。連れてきてくれてありがとう。」

今度は、私が娘に言う順番となった。

「楽しかったから、また一緒に来ようね。鎌倉。」

夕方の鶴岡八幡宮から綺麗な夕日を見ながら、娘に感謝した私がいた。




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