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「推し」を持つエネルギーは必要!

随分前から「推し」という言葉が氾濫しているが、その対象が人であっても物であっても、その人が熱中できるものであればなんでもいいと思う。

アイドルを推す人、演歌歌手を推す人、宝塚スター、歌舞伎役者、歌手、そのほか何でもあり。「推す」ことに集中することで、今の悩みなんかぶっ飛ぶのだから、いいじゃないか!と思うのである。

男性演歌歌手を推す人は、年配のご婦人が多いが、彼らのコンサートに出向き、精一杯応援することで、日頃の家事の大変さなどを忘れられて、また頑張れるのだから、いいことづくめ間違いなし。

私の推しは、つい最近まで歌舞伎役者の市川団十郎、中村勘三郎だった。いづれも今の団十郎・勘三郎の父親世代の時だ。そしてもうひとりは中村吉右衛門。三人ともあの世へ旅立ってしまったが・・・

地方に住んでいる私は、休みを見つけては、東京銀歌舞伎座に出向き、
旧歌舞伎座の雰囲気を楽しみ、その時間だけ江戸時代にタイムスリップした感覚を味わったものだ。なので、当時観た舞台上の団十郎や勘三郎や吉右衛門のしぐさやセリフの一コマが今でも忘れられない。

もちろん、地方からわざわざ観に行くのだから、公演チケットのほかに交通費宿泊費はかかるのだが、当時サラリーマンだった私はそのために一生懸命貯金していて、その日の公演を楽しみに仕事を頑張ったものだ。

加えて、彼らの自叙伝やエッセイなども読み漁っていた。「推し」を持つと彼らの色々な情報が俄然知りたくなるのも当然のことである。

そんなエネルギーは、他のことに対してはあまり出てこなかった。それだけ、「推し」を持つエネルギーは凄いものだ。

今はそれほど、歌舞伎役者に興味を持たなくなったが、その代わり最近初めて観劇した「文楽」の凄さに感動し、暇を見つけてはインターネット検索で、国立劇場の文楽公演のスケジュールをチェックしている。

まるで生きているかのように、人形を操る江戸時代からの伝統文化に、改めて「日本人に生まれて良かった~」と大袈裟に感じる自分がいる。

「推し」の対象は変わっても、そのために仕事や家事を頑張れるエネルギーは、とっても大事なことだと思っている・・・

ということで、私がまだ知らない「狂言」の世界も来月体験しようと思う今日この頃である。

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