マガジンのカバー画像

めくるめく活字世界

10
本があれば生きていける、と思えるほどに好きだと言える。そんな私の書評や、本を巡るあれこれ。
運営しているクリエイター

記事一覧

映画先読みキャンペーンと言っても過言ではない体験

今回は、東京創元社のゲラ版先読みキャンペーンに応募し、見事当選したため、発売前に先読みし…

ユンコ@ゑまふ
11か月前
9

千年越しの物語を追いかけたドキュメンタリー

 祇園祭と聞けば、誰もが京都の伝統的なお祭りだと想像するだろう。でも、実際に見たことのあ…

一気読み必至、二度読み必須の出会い

電車なんて停まらなければいい。いっそのこと乗り過ごしたいと思えるほど夢中になって読んでし…

スーダン人が教えてくれた日本語の豊かさ

 このようなノンフィクションは大抵、読む前から、苦難を乗り越えた感動ものとして捉えてしま…

読書に欠かせぬ本の友、栞。しかも無料で収集した品々。

秋といえば読書。実は年中読書だが、読書の秋コンテストをやっているので、素直にお勧め本を紹…

午前一時が愛おしくなる本

ゴールデンウィークとは名ばかりで、全然輝いていない。昨年に引き続き、緊急事態宣言発令中の…

最大の武器は銃でも爆弾でもない、本だ。

 レイ・ブラッドベリの『華氏四五一度』は、本が禁じられた近未来が描かれたディストピア小説だった。焚書によって人々が失ったのは本ばかりではなく、思考能力だったことの方に、大きな衝撃を受けたものだ。そして本作『戦地の図書館』を読んで、第二次世界大戦中、実際に行われた焚書と、それに対抗するべく戦地へと本を送った人々が存在したことに、さらなる衝撃を受けた。本書は、文字通り本を片手に戦場で戦った兵士と、彼らのために本を用意し、送り続けた人々の記録である。  第二次世界大戦時代、ナチス

今こそ読みたい、闘いの魂

 これは、1944年にアメリカのブレトンウッズで開催された世界的な会議について綴られた記録で…

老若男女すべての「文学少女」へ捧ぐ

「本はこの世に存在しなければならない」  これは本書の登場人物の一人が発した言葉だ。そし…

12

今必要な、希望を知るために

 この本は昨年(2020年)読み、その圧倒的なエネルギーに背中を押されるかたちでnoteに感想を…