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【連載小説】そして誰もいなくならなかった

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目が覚めたら──宇宙人・未来人・超能力者と一緒に無人島漂流していた!でも近くに島があるし天気もいいしでわりとすぐに救助が来るのでは?危機感ゼロ、対話能力ゼロ、まともな人間ゼロの無…
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2022年8月の記事一覧

第7話 俺の役割はなんだ

第7話 俺の役割はなんだ

▽前回のお話はこちらから▽

 さえぎる物がなにもない状態の日差しというのは、まるで凶器みたいだ。おまけに海面の反射も慌ただしい。「そろそろ休憩しねぇか」と目の前の無表情の背中に話しかけるが、応答がない。
 灰原は現在、母星との交信で俺に構っている暇はないらしい。視野が極限まで狭まっているようで、先回りして彼女の目の前に立ちはだかったとしても、無言でかわされるという屈辱を、俺は何度か味わうことにな

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