マガジンのカバー画像

【連載小説】そして誰もいなくならなかった

12
目が覚めたら──宇宙人・未来人・超能力者と一緒に無人島漂流していた!でも近くに島があるし天気もいいしでわりとすぐに救助が来るのでは?危機感ゼロ、対話能力ゼロ、まともな人間ゼロの無…
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

第4話 「なにかおかしい」

第4話 「なにかおかしい」

▼前回のお話はこちらから

 閉じられた瞼をゆっくりと開けると見慣れ始めた砂の地面が広がっていた。こんな状態になったというのに俺はなぜだかホッとしてしまう。
 ゆっくりと起き上がって近くを見渡すと他の面子も同じように倒れている。一番近くにいる灰原に手を伸ばした俺は視界の端に入っている景色に動きを止めた。
 なにかおかしい。
 ゴミ一つ無く人がいた形跡のない砂浜に、どこまでも果てしなく続いている水平

もっとみる