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【連載小説】そして誰もいなくならなかった

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目が覚めたら──宇宙人・未来人・超能力者と一緒に無人島漂流していた!でも近くに島があるし天気もいいしでわりとすぐに救助が来るのでは?危機感ゼロ、対話能力ゼロ、まともな人間ゼロの無…
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2022年4月の記事一覧

第3話 「迎えが来た」

第3話 「迎えが来た」

 ▼前回のお話はこちらから

 真っ先に反応したのは、男の俺や能登ではなく、この不思議メンツの中で最もか弱そうな、未来人の三崎さんだった。
 細い手足を勢いよく降り、俺たちとの距離を引き離していく。記憶が霞んでいてハッキリとは思い出せないが、俺の50メール走のタイムは悪くなかったはずだ。全力で足を動かしているのにも関わらず、彼女の背中はみるみる小さくなっていく。
 しかし、三崎さんの走り方には違和

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