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就職活動とは自分が主人公の小説を書くこと

私は新卒で就職したのは約20年前になります。そのため今の若い方がどのように新卒就職活動をしているのかは私には正確に分かっておりません。ただ転職経験はありますので、今も昔も変わっていないと思われる普遍的な事を書かせて頂きます。

もうお気づきの方が多いと思いますが、それはタイトルにした「就職活動は自分が主人公の小説を書くこと」と言う点です。何故私がそうのように考えるかを説明するために、過去、現在、未来という3つの時間軸で下に書きます。

・過去を語る

就職活動においては、最初のステップとして何故自分という人間が今ここにいるのかを説明する必要が発生します。履歴書でも基本的な個人情報は書く事になりますし、面接では口頭で説明することになります。ここでのポイントは自分という人間を客観的に初めて会う他者に説明することです。私達は初対面の人間を理解しようとする際に、その人から発せられる情報を元に推測しながらその人の人物像を作り上げて評価をくだしています。この点を踏まえて自分の人生のスタート地点から今現在に到るまでの背景のストーリーを分かりやすく言語化する事が重要であり、この視点は小説を読んでいる読者がいかにその物語に興味を持つかという点で共通の構造です。

・現在を語る

次に過去を通して現在の自分がどのような人間になっているのかを紹介するフェーズに入ります。ここでは今に至るまでの人生を通して自分が有する事が出来たスキル・経験・価値観等を説明することになります。いわゆる面接官または履歴書を読んできる人に向かって資格・テストスコア・実績等をアピールする場面ですが、ここで重要なのは自分の主観的な評価ではなく、客観的な視点で伝える事です。具体的に書くと「〜をこんなに頑張りました!」だけでは不十分であり、「〜をこんなに頑張ったので〜という資格を取得する事が出来ました」と成果物が何かを触れる事で説得力が増すことになります。小説であれば主人公を取り巻く環境を描写する際に、読者間で解釈が異ならないような描かれ方になっていることと共通していると思います。

・未来を語る

過去、現在と来ましたので最後の切り口は未来になります。ここまで来るにあたり自分という人間は紹介出来ていますので、残している点はどんな未来を手にしたいのか語ることになります。未来の事を話すわけですがら、過去・現在と異なり、客観的に事実を語る必要はなく、むしろ個人の主観的な意見が受け入れられることになります。しかしここで押さえる必要があるのは①自分、②会社という両者にとって目指す未来がwin-winである、少なくとも両者にとって利害関係が一致している事実がはっきりする事が重要になっている事です。どんなタイプの小説でも未来がないと話としては成立しません。それは主人公が未来に進もうとしなければ過去に起こったイベントは無価値になり、現在の状況はただの状態になるからです。

冒頭に書かせて頂きましたが、私は転職を数回経験しておりますが、もし私が「自分が何が出来るのか」「何を知っているいるのか」だけを説明していたらそのオファーは貰えなかった思います。またお世話になったエージェントの話や自分の同僚の話を聞いても自分のストーリー語りが長けている方は高い倍率をものともせずステップアップされている印象を受けています。

仕事を続ける限り、就職活動は新卒の方だけのものではありません。少しづつですが日本でも転職が一般的な選択肢として受け入れられてきています。もしこの投稿が少しでも就職活動中の方の参考になれば幸いです。

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