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それでもやっぱりフリーランスという生き方がすき_トーキョー奮闘自営生活

新型コロナウイルスで社会の仕組みや人々の価値観が変わる中、フリーランスが改めて注目されています。NHKで放送された「クローズアップ現代+」は、新型コロナショックを機に露呈したフリーランスの不安定性や弱さを浮き彫りにした内容で、当のフリーランスである私としてもショッキングな内容でした。

日々刻々と変わる状況の中で、フリーランスとして私は何を書けばいいか、悶々としていましたが、今私が考えている働き方・生き方についてお伝えします。

1フリーランスは職業ではなく生き方である

以前からフリーランスは職業ではなく「生き方」であると書いてきましたが、今回フリーランスをめぐる報道や政府発表を受けて改めて、「フリーランスという職業はない」との思いが強くなりました。フリーランス・個人事業主と一言で言っても、スポーツインストラクターもいれば、急増するデリバリーの配達員、プロジェクトベースで複数契約しているコンサルタント、週5日常駐でオフィスワークをしている専従型フリーランスなど、働き方は実に様々です。フリーランスという言葉は「会社員」という言葉と同じくらい広い概念の言葉で、一律に議論するのはとても難しく、だからこそフリーランスへの支援策が混迷しているのでしょう。

ただし唯一共通して言えることは、「会社員に比べて自由度が高い分、安定性は低い働き方である」ということ、そして、様々な生き方や働き方がある中で、フリーランスに魅力を感じ自ら選んだ生き方であるということです。もちろんフリーランスという生き方を選択した時点で、今回の新型コロナショックのような事態を想定できた人は少ないでしょう。それでも、受験や結婚や転職のように、人生のターニングポイントにおいて自分で選択した、決定した生き方なのだから、置かれた環境の中で試行錯誤し、環境が変化したらそれに合わせて自分も変化することは、自由度とのトレードオフであり、必要条件なのだと思います。

2フリーランスという生き方は増えていく

フリーランスをめぐる報道を見て、「フリーランスって大変そう」「やっぱり会社員がいいわ」と思った人も正直多いと思います。フリーランスの不安定性が強調されたことで、会社員の安定性を実感した方も多いでしょう。しかし、この不安定性に直面しているのは個人事業主であるフリーランスだけでなく、規模の大小を問わず事業主である企業経営者も同じです。今後新型コロナショックが収束したとして、今までのような継続的な成長や持続的な経営を想定できる経営者がどれだけ残っているでしょうか。日本の新卒一括採用や長期雇用は、この継続的な成長や持続的な経営を前提に行われてきましたが、それが収束後に元通りになるとはとても想定できません。

働き方はもっと流動的に、プロジェクトベースで、専門知識や能力を持った人たちのチームによって行われるように変化していくでしょう。社会の仕組みや働き手に対する需要が急速に変化する中で、フリーランスという生き方、働き方を選ぶ人は(一時的に減るとしても)今後も増えていくでしょう。

新型コロナ収束後に社会が変わり、必要とされる人材が変わり、働き方が変わった時に、今社会の変化に直面し、苦しみながらも変化を迫られているフリーランスと、傍目で見ている人たちと、どちらが必要とされるか。苦しんでいる人たちを傍目で見て安心するのではなく、ぜひ自らの生き方を考える機会としてもらえると良いと思います。

3フリーランスという生き方を活かせるかどうか

今回の新型コロナショックに伴う働き方の変化は、本来5年10年かけて起こるはずだった変化が急速に起きているだけで、いずれ起こるはずだった変化だと思います。急速に変化する社会の中で、一人一人の生き方・働き方も急速に変化させていく必要があります。フリーランスであれ会社員であれ、重要なのは「急速に変化する社会が必要とする価値を提供できるかどうか」です。

フリーランスは本来、やりたい事の延長線、得意な事の延長線で仕事をしている人が多いと思います。私もフリーランスとして仕事を始めた当初は昔取った杵柄で仕事をしていました。しかし、急速に変化する社会では、事業開始時点でのやりたい事、得意な事は不要になるかもしれない、なる可能性が高いです。フリーランスか会社員かに関係なく、一つの職能だけで働き続けることは困難になってきます。

とは言え、生き方を変化させていく、アップデートさせていくというのはなかなかに骨の折れることですし、何から始めればいいやら、という人も多いと思います。私なりにざっくり考える生き方のアップデートは以下の2つです。 

①アウトプットを変える
短期的には仕事のアウトプット方法を変えることが考えられます。ジムで教えていたインストラクターさんだったらWeb配信に変えてみる、オフィスワーカーであればクラウドワークス等を活用して仕事のアウトプット先を変えてみる、色々と方法はあると思います。新しい時代には新しいアウトプットの方法が求められているし、先に取り組んだ人ほどその利を得られるはずです。

②インプットを変える
長期的には自分へのインプット方法を変えることが考えられます。一言で言うと「勉強」です。やりたい事、得意な事からフリーランスをスタートした人は特に、世の中が変化してその職能への需要が減った時に弱いです。変化した社会の需要に適用するためには、インプット(勉強)して新しい職能を身に付ける必要があります。

フリーランスという生き方を活かすもダメだと嘆くのもその人次第ですが、フリーランスの良いところは「自由度」であり、会社員と比べて変化は柔軟にできるはずです。フリーランスという生き方を活かせるかどうか、それはインプット・アウトプット両面で変化できるかどうかにかかっています。そして何度も書きますが、この変化対応はフリーランスだけでなく会社員のに方とっても同様に重要です。フリーランスは今まさに変化対応の嵐の中にいますが、数ヶ月後にこの嵐が他の働き方の人たちに吹き荒れない保証はないのです。

4それでもやっぱりフリーランスという生き方がすき

私はフリーランスという生き方を選んだことで世界が大きく広がりましたし、この生き方を選んで本当に良かったと今でも思っています。だからこそ、「フリーランス大変そう」「フリーランスなんてなるんじゃなかった」という様な話を聞くとやるせ無い気持ちになります。フリーランスであれ会社員であれ、自分の生き方・働き方を主体的に選択し、アップデートしながら価値を提供できる人が少しでも増えていけば、新型コロナショック後の社会もきっと良いものになる。そんな願いを込めて書きました。



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