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続ける?休む?フリーランスの育休事情_トーキョー奮闘自営生活

ありがたいことに第二子を授かり、フリーランスになって2度目の育休期間を取ることにしました。政府としても自営業者や非正規の「育休給付金」について検討していくとのことで、今後フリーランスの育休は大きく変化していくと想定されます。

育休に伴い必要な申請やもらえる可能性のあるお金などは、たくさんまとめ記事があるのでそちをご参照いただくとして、このnoteではフリーランスとして2度目の育休を取得する私の考え方や、2022年末時点の現状について綴ってみたいと思います。

フリーランスの育休=ただの無職

まず大前提として、フリーランスに育休という概念は存在しません。会社員のように(多少減額でも)給料が発生しながら仕事をお休みする期間という意味での育休は制度として存在しません。個人事業主の場合は、仕事をしているか、していないか、の2択それだけです。よって「フリーランスの育休=ただの無職」ということになります。もちろん、育休期間に申請すれば免除されるお金や、申請すればもらえる可能性のあるお金はありますが、安定的な収入という意味では、働き続けない限り発生しないのがフリーランスの現状です。

仕事継続派 or 育休取得派

よって、フリーランスで妊娠した場合、①仕事を継続するか、②業務量を減らして仕事を継続するか、③(無給でも)育休期間を自分で儲けるか、のいずれかの選択肢となります。私の場合は、第一子の時も現在お腹にいる第二子も③育休取得、を選択しました。友人には①仕事継続派もいたので、それぞれの視点からメリット、デメリットを整理してみます。

①仕事を継続する派
メリット
・クライアントとの関係性を途切れさせることなく継続できる
・収入が途切れない
デメリット
・身体的、精神的な負担が非常に大きい

②業務量を減らして仕事を継続する派
メリット
・クライアントとの関係性を継続できる(但し全部は難しい可能性あり)
・収入が一部は継続できる
デメリット
・身体的、精神的な負担が大きい

③育休取得する派
メリット
・企業への常駐、半常駐案件の場合、周りが会社員なので理解が得やすい
・業務を止めることなく他の方に引き継ぐことができる
デメリット
・収入が途切れる
・クライアントとの関係性が(契約上は)一旦途切れる

もちろん収入面や家族の協力面など他にも考慮すべき事情は多々ありますが、業務特性の面だけでいえば、士業などクライアントワークで顧客との関係性継続が必須の場合は①仕事を継続するという判断、常駐や半常駐案件で業務の引き継ぎが可能な場合は③育休取得するという判断、が一つの線引きなのかなと思います。

育休取得=業務委託契約の終了

③育休取得を選択するということはすなわち、請け負っている業務委託契約をクライアントに相談して契約終了させるということです。再契約していただける可能性もゼロではないものの、他の方に引き継ぐので自分が同じ業務を再度担える保証は無く、会社員のように会社側が何かしらの業務やポジションを用意してくれるわけでもないため、会社員でいうところの「退職」に近い意思決定です。それでも、私がこの判断に至った理由は以下の通りです。

  • 業務に穴を開けられない。現状担当している業務は私が出産後も誰かが担う必要があるが、出産前の稼働量を出産後にも継続して確保することが難しい。

  • 出産予定日以前に出産してしまう可能性がある以上、早めに次の方に業務の引き継ぎをする必要がある。

  • 出産後にどのような精神的、体力的状況になるか想定できず、(②のような)稼働量を減らして継続するという判断は難しい。また、いつから業務復帰できるという見込みも、体力的な要因に加えて保育園も確保する必要があり、復帰日の見込みを立てることが難しい。

一言で言うと、常駐・半常駐の業務請負契約である私の働き方としては「クライアントに迷惑をかけないため」に一度契約を終了させるのが最適な判断だった言うことです。

「産休だと思って待ってます」

会社員の方や今後フリーランスを検討されている方からすると「フリーランスの育休=ただの無職」という現実は少し世知辛いと思うかもしれません。しかし、常駐や半常駐で勤務していると、クライアントからはとても温かいお言葉をいただくことがあります。

「いらっしゃらなくなって寂しいです。またいつでも待ってます」
「産休だと思って待ってます。落ち着かれたらいつでも連絡ください」
「契約書用意して待ってます!」
これらは、実際に私がクライアントからいただいた言葉です。しかも忙しい時間を割いてオンラインで送別会まで開催していただいて有り難い限りです。フリーランスは孤独な印象もあるかもしれませんが、育休という前向きな?理由で業務を終了するからこそ、改めて人の優しさに触れることができたりもします。

政府で検討が始まったとはいえ、個人事業主の育休に関する支援が具体的に動き出すのはまだまだ先のことだと思います。しかし、支援策があってもなくても子どもは授かりもの。これからフリーランスを目指される方、フリーランスで育休に悩んでいらっしゃる方に、私の経験や判断軸が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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