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欧州最大級の国際総合食品見本市“SIAL”潜入レポート (パリ節約自炊生活番外編)

欧州最大級の国際総合食品見本市である“SIAL”に潜入!シャルルドゴール空港近くの超広大な展示会場で5日間に渡って開催されたこの見本市は、109カ国以上から7,020社が参加、21種類の展示セクター渡り、材料から最終製品まで、あらゆる種類の食品が展示されます。最終日のみでしたが、全会場歩き回り、総歩数19,071歩の決死のレポートをお送りします。もちろん注目の日本パビリオンもありますよ。

◆とにかく超広大!

会場はシャルルドゴール空港近くのノールヴィルパント展示会場の全ての会場を使って行われました。国際展示場の○倍(知っている方教えてください)と、とにかく広大!展示ブースは大きく分けると、①フランス地域エリア、②製品別エリア(肉、乳製品、歌詞、加工食品、飲料等…)、③各国エリアの3つに大別されます(もちろん各エリアで重複もあります)。あまり立ち止まらずにサクサク移動したつもりですが、全部のエリアを回るのに5時間、総歩数19,071歩必要でした…

ブースによって印象は全く異なり、「②製品別エリア」内だけでも、製品ごとに全く性格が異なるのが大変興味深かったです。一例を挙げると、Meat(牛肉)エリアはまるでモータースポーツのVIP席のような豪華な試食ブースが用意され、タキシードのウェイターがサーヴし、そこかしこでシャンパンが開くようなオッケーバブリー状態なのに対し、Poultry(家禽類)エリアは質の良さと新鮮さをアピールする高級焼鳥店のような静謐な雰囲気で、同じ「Prepared Products」のエリアでも雰囲気が全く異なります。

一方、Confectionery(製菓)エリアはまさに玉手箱状態!色とりどりのパンやお菓子やアイスクリームが見渡す限り陳列されていて、天国状態でした。死ぬ前にもう一回行きたいです。

◆フランス地域エリアは“BIO”一色!

フランスではBIO、またはAB(Agriculture Biologiqueの略)表示の商品に対するニーズが加熱していて、スーパーマーケットの各売り場には必ずBIO商品が品揃えされているだけでなく、BIO専門店も街の至る所に存在します。そんなフランス人のニーズを反映してか、「フランス地域エリア」はBIO一色でした。写真はハーブ製品専門のメーカーさん、説明員の方に話を聞いたところ「全ての製品がBIOではないけど、ニーズの高まりに合わせて年々BIO製品を増やしているよ」との事。

こちらはチーズブース、こちらもBIO一色です。加工食品だろうが冷凍食品だろうが生鮮品だろうが、とにかくBIOマークのついていない商品は見当たらないほどに、フランスではBIOのニーズが高まっているようです。

◆各国エリアは食の万博!

一方、会場のほぼ半分を占める「各国エリア」はまさに食の万博!日本では馴染みのない国も、日々ニュースで報道され物々しい国も、明らかに仲悪そうな国々も、ここでは同じ屋根の下で仲良く売り込みをしていて、とても平和な雰囲気です。
写真はアメリカパビリオン、欧州マーケットを意識してか全面に「Organic」を打ち出しています。

こちらはパキスタンパビリオンで撮影させていただいたお米、パキスタンはシンプルに米・塩・スパイスの3本で勝負していて、統一感と潔さを感じました。米ってこんなに種類があるんですね。

◆日本パビリオンは日本酒・抹茶・山葵・海藻・柚子・そしてビーガン?

そして気になる日本パビリオン!ジェトロが主導で、46の出展ブースが出ていました。何となくですが多い順に、日本酒・抹茶・山葵・海藻・柚子という素材を使った商品が多いように感じました。個人的には、パリで生活している中で、救援物資でいただいた日本のお米の美味しさに日々心打ち震える程感動し、一粒一粒大切に戴いていているので、日本のお米の美味しさをもっと紹介してもいいのになぁと、過去経緯を知らない素人としては思うのでした。

そして日本パビリオンの幾つかの出展者で共通していたキーワードが“ヴィーガン”。ヴィーガン (vegan)は「酪農製品を食べない菜食主義」で、日本パビリオンでなぜヴィーガン製品が多かったのかは分かりませんが、以前フランス人の友人が「パリにはベジタリアンのお店が全然ない!」と不満を漏らしていたので、ヴィーガンは更に少ないと思います。フランス地域エリアはBIO一色、アメリカパビリオンもorganicを打ち出している中で、ヴィーガンを持ってくる日本パビリオンは、かなり視座が高く、かつ内角高めの球を投げてくるなと感じました。

◆昼頃から飲み会スタート&最後は謎のおばちゃん乱入

私は最終日しか行かなかったので他の日は見ていませんが、この日は昼頃から各ブースの説明員の方がシャンパンやワインを開けて他のブースからゲットしたハムやチーズやピザ(イタリアブースで大人気)を摘みながら飲み会が始まっていました。一方、向かい合っている韓国とマレーシアのパビリオンでは食べ物の相互交換がにこやかに行われていました。私事ですが、仕事をしていた時は出展者として展示場に数日張り付いていた事もありました。日本なので当然昼からお酒を飲めるわけもなく、多忙でおにぎり1つかじれれば御の字、という状況だったので、この展示会はとても和やかで良い雰囲気だなと感じました。

しかし午後を回った頃から、明らかにメーカーさんでも卸売業者でも小売業者でもない、巨大なカートを持ったおばちゃんがどんどん増えてきました。実はこの展示会、最終日に展示品の残りを大放出するという噂がまことしやかに流れていたようで、私が朝会場に着いた時点でダフ屋さんが入場券を売っている始末。会場を後にする頃には入場券(多分本人じゃない)を持った大量の人々と警備員が鉄柵越しに押し合いへし合いの状態で混乱していました。

という事で色々ありましたが、欧州と世界、そして日本の食の“今”を見る事ができ、大変勉強になりました!





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