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「男の子?女の子?」 ジェンダーの3属性から考える子供の性別_トーキョー爆誕子育生活

つわりも一段落した頃から急激に増えてくるのが「性別判った?男の子?女の子?」という質問。新型コロナの影響で検診期間が開いていたこともあり、なかなか性別を確認することができなかったのですが、その間もこの「男の子?女の子?」という質問をたくさんもらいました。もちろん私自身も以前はほぼ必ず妊娠した友人に「男の子?女の子?」を聞いていましたが、自分がプレママとなり質問を受ける側となって初めて子供の性別について色々考えるようになりました。というわけで今回は、子供の性別について思うところを綴ってみました。

性別はほぼ唯一共通の話題

最初は何故みんな判を押したように「男の子?女の子?」を聞いてくれるのだろうと不思議でしたが、よく考えれば性別は、胎児がほぼ唯一共通で持っている特質だと気付きました。初対面の大人同士であれば「お勤めは?」「ご出身は?」「お住まいは?」など、様々な特質や属性でお互いの事を知ることができます。しかし胎児の場合そういった属性や特質がまだ明らかではなく、ほぼ唯一共通で持っている特質が性別なので、つわりという人によって多様性のある時期を通り過ぎた後、もはやプレママに対して投げかける質問は「男の子?女の子?」くらいしか残されていないようです。そりゃみんな同じ質問をしてくれるはずです。

性別は生物学上の形質

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胎児の性別は一般的には超音波エコーで目視で確認されます。性別自体は受精した段階ですでに決定しているわけですが、外性器が形成され始めるのが11週頃、エコーで確認できるのは16週以降と言われています。つまり、当たり前と言えば当たり前なのですが、胎児の性別は目視で判断される「生物学上の形質」という事になります。なので、エコーでよく見えなくて確定が遅くなったり、生まれるまで女の子だと思っていて出てきてみたら男の子だった、なんて事も起こり得ます。

性別は社会的な分類

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そして胎児の頃、あるいは出産時に確認された「生物学上の形質」としての性別は、その後長らく子ども達を「社会的に分類」するために活用されていくわけです。出生届に始まり、予防接種・検診・入園や入学の申込書、全ての書類で「男 or 女」に○をし、男の子向け/女の子向けの服やおもちゃを買い、(アンパンマンを卒業した後の)男の子向け/女の子向けアニメを見て、運転手さん/プリンセスになる手伝いをする事になるのでしょう。

性別はアイデンティティ

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さて、胎児の性別を一旦離れると、令和の時代に生きる我々は、性別は「個人のアイデンティティ」である事を既に知っています。私はジェンダー論の専門家やジェンダー多様性の議論の当事者ではないので専門的なことはわかりませんが、そんな私でも「性別:男・女」と書いてあるアンケートや申込書を見るとナンセンスだなぁと感じるし、多様なジェンダーアイデンティティを持つ友人もいます。そんな時代に「性別は?男の子?女の子?」という質問をきくと、正直何だか不思議な気持ちになっていました。

しかしよく考えると、胎児あるいは出生時に目視で診断される「生物学上の形質」としての性別と、「アイデンティティ」であるところの性別とは、当たり前ですが全く異なるものです。ですが、間に挟まった「社会的に分類」された性別によって2つの性別の間にグラデーションができてしまい、問題を複雑化し、アイデンティティを選択する当人も周囲の人も混乱させてしまう要因になっているのだなと、改めて気付きました。

君がアイデンティティを見つけるその日まで

令和に生きる我々は、ジェンダーはアイデンティティであること、当人以外の誰にも定義されたり押し付けられたりするものではない事を知っています。「生物学上の形質」としての性別は所与のものだし「社会的な分類」も現代の社会システムにおいては必要なものだと思います。ですが、「アイデンティティとしての性別(というかジェンダー)」は当人だけが選び、決められるものであるという当たり前の事を忘れずに、これからもお腹で暴れ回る我が子と向き合っていきたいと思います。君がアイデンティティを見つけるその日まで。

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