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10月に買った本、読んだ本

毎月恒例の買った本、読んだ本について。

月初に10月の新刊をチェックしたときは、そんなに欲しい本ないかな?積読消費しよ!って思っていたのに、なんだかんだ結局いろいろ買ってました。

計14冊。

今年、最多。

あんまり買わないかもって?

嘘でしょ?

あれ、おかしいな…


そんな10月の読書事情を振り返っていきます。

ちなみに買った本の末尾に※がついてるのはコメントがネタバレしてると思うので、未読の方はご注意ください。

後半の、読んだ本の方は多分全部ネタバレしてると思います。



買った本

では早速、買った本から!

今年最多の14冊。そのうち読み終えたのは6冊。半分も読み終わらず…


玉依姫 阿部智里 ※

八咫烏シリーズ5作目。

先月から読み始めた烏シリーズです。

今回の話は初めて烏の世界ではなく人間界から始まって、主人公も高校生の女の子。

ところがどっこい、彼女の行動や思考回路がいまいち共感できず、、、

あんなに嫌がっていた山神のお世話を突然受け入れる件が本当に突然すぎて、ううむってなってしまいました。

そこからは、どちらかというと山内サイドの奈月彦、ますほ目線で物語を俯瞰して読んでいました。

恐らくこのシリーズで1番しっくりこなかった。

もう少し感情移入できればよかったのだけど。

この話が6作目、第一部完結にどんな影響を与えるのか、それだけが気になりました。




弥栄の烏 阿部智里 ※

八咫烏シリーズ6作目にして、第一部完結編。

玉依姫と対をなすこの物語はなかなか面白かったです。

玉依姫のあの結末が、山内側にどんな影響を与えるのだろう?とヒヤヒヤしながら読みました。

それにしてもダークサイドの雪哉に、悲しい別れに、あの結末に感情が追いつかない。

一応、完結したものの、若宮が思い出すことのできなかった記憶のこと、今後一代限りの神様とそれに連なる山内の未来などなど謎を残しての第一部終了となりました。

これは第二部で明かされるのかな?

文庫本になったら読んでみたいな。




ウィステリアと三人の女たち 川上未映子

待ち合わせ先に行く道中のTwitterで、作者の川上さんが収録されている一編がフランスの雑誌に掲載されるとツイートされていたので、どんな作品だろうと。

買ってすぐに該当の作品を読んだ。

待ち合わせまで時間があったので適当に入ったチェーン店のカフェで、マンゴージュースを飲みながら読んでいたら、すぐに読み終わった。


なるほど。

これがなぜフランスの雑誌に載ったのかわかるようなわからないような。

他の作品も読むの楽しみ。あとは夏物語を早く読まねば。




烏百花 蛍の章 阿部智里 ※

八咫烏シリーズの外伝です。

移動のおともに持ってきた短編集を読み切ってしまったので帰りの電車の前にささっと買った。

いつからか、移動中はもっぱら本を読んでいる。

だからか、読む物がないとそわそわしてしまう。

この本もそんなそわそわを解消したくて、乗る前の僅かな時間で急いで選んだ。

あまり混んでなくて改札に近い本屋さんを知っているのです。


恋にまつわる短編集でした。

本編の補足になるものばかりで、読み返したくなっちゃいました。

特に「ふゆきにおもう」は雪哉の片鱗を垣間見たような。面白かったです。


昔から、外伝と名のつくものが好きです。

ボーナストラックのような、ちょっとしたおまけのような感じがわくわくします。

(ちなみにいまの中高生はボーナストラックってわかるのかな?)

本編では見えなかった一面を見れたり、過去を知れたり。ちょっとしたご褒美感があるなぁと思ってます。

そして読み終えたら本編を読みたくなるのが外伝。 




言葉の園のお菓子番 ほしおさなえ

実は一巻持ってません。読んでません。

でも買いました。

サイン本だったから!

好きな作家さんのサイン本は買っちゃいます。

しかも、ほしおさんのサイン本は持ってなかったから、これはもうシリーズ2作目だろうがなんだろうが買います。

あらすじを見たら面白そうだからまずは一巻を買わないと。

買ったときに一緒に買えたらよかったけど、あいにく在庫切れのようで買えず。

別の本屋さんでも見つけられず。。。いつになったら出会えるのか…

だいわ文庫というものなんですが、今回初めて買いました。若いレーベルなのかな?




アンソーシャルディスタンス 金原ひとみ ※

昨年から読みたい願望が再燃中の金原さん。

コロナみたいな天下無双になりたいっていう帯の煽りがすごい。

怒られないのか?って余計なお世話だけど心配になった。

登場人物のセリフの抜粋で、この言い回しになった背景を読むとなるほどって思うけど、帯を見た、まだ読む前の人はぎょっとするんじゃないかと思った。

特に医療従事者の方とか。

わたしの考えすぎ?



内容としてはこの本は短編集になります。

ひとつめからガツンと来る。

仕事しながらストロングゼロをがぶ飲みしてる主人公にヒヤヒヤしながら読んで、読み終わったらすごく疲れていて一気に読めず。

1日ひとつが限界。

これはえぐられます。

読んだら返り血を浴びるって帯に書いてあるけど、浴びまくった。無傷ではいられない。

けど読まずにはいられない。少しずつだけど。


短編のうちふたつがコロナ禍を描いたものだったんだけど、今まで読んだコロナ禍が舞台の小説よりかなりリアルだった。


いつかコロナ禍がおさまった何年後か読み返したい。

そのとき私はこの話を読んでどんな感想を抱くのだろう。




7.5グラムの奇跡 砥上裕將

「線は、僕を描く」からずっと気になっていた作家さん。

読み方は、不明。

衝動買いです。

今月はそういうのやめるつもりだったんだけどな…(まだ言ってる)

あらすじによると、なかなか馴染みのない職業のお話のようで、最初の数ページを読んだ限り、主人公がちょっと面白そうな性格。




殺人出産 村田沙耶香 ※

名前自体は知っていた。あらすじというか設定も聞いたことあった。

その上で村田沙耶香さんの作品は「コンビニ人間」があまり楽しめなくて、多分しばらくは他の作品は読まないだろうと思ってた。

気になるものはいろいろあるけど、それ以上に他に読みたいものがたくさんあるから!


ところが、本タメという、本のYouTube動画で紹介されているのを聞いてむっちゃ面白そうやん!と思って意を決して買ってみた。

結果、一気読み。


わたしの価値観、揺さぶられまくり。

これは他の作品も読まねばならないかもしれない。




星を掬う 町田そのこ

町田さんの作品はまだまだ読めてないのがたくさんあるけど、新作が出たので買っちゃった。

しかもサイン本でした!

タイトルが素敵。表紙も好き。

「52ヘルツのくじらたち」に関連してるわけではないらしいけど、そっちを先に読んだ方が良さそうな感想をいくつか見かけたのでまずはそちらから読もう。




線は、僕を描く 砥上裕將 ※

これは去年からずーっと気になっていて、買おうか買わまいかずーっと悩んでました。

文庫化されたらもう迷いません笑

タイトルが印象的。僕が線を書く、ではない。線は、僕を描く。どういうこと?って思いながら読み始めました。


話はあまり馴染みがない水墨画の世界が舞台でしたが、丁寧な描写もあって、ぐいぐい読めました。

主人公みたいな大学生が果たしているのか?と思ったけど、それはわたしがこういう人に出会ったことがないからなのかも。

揮毫会に参加してみたいな。

「揮毫」なんて今回初めて知ったけど、こうやって新しい世界を覗けるのも読書の好きなところ。楽しいところ。



二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ 古内一絵

こちらは古内さんの新刊。

古内さんも新刊が出ると気になっちゃう。

お仕事小説は社会人になってから楽しく読めるようになったものの一つ。

古内さんはマカンマランシリーズと、最高のアフターヌーンティーの作り方しか読んだことがなくて、実質3作品目。

ちょっと毛色が違ってそうなのでわくわくしてます。




星影さやかに 古内一絵

これはサイン本を見つけたので買ってみた。

とある本屋さんのオンライン通販で買ったんだけど、お手紙が入っていてそれもほっこりした。

最近手紙なんてちっとも書いてないな。


それはさておき。

あらすじを見ると、親子3代の物語らしい。

わたしはこういう壮大な物語が結構好きです。壮大というと語弊があるかもしれないので、ある家族の歴史物語というか。大河ドラマのような物語とでもいうのでしょうか。

「星々の舟」とかね。

なのでこの本も読むのが楽しみです。

ああ、読みたい本がたまっていく…幸せ。




闇祓 辻村深月

辻村さんの新作です。

これは買うか買わまいかすんごく悩みました。

なぜって「作者初のホラー小説」と書いてあったから。

わたしは超が付くほどの怖がりで、ホラー映画もホラー小説もからきしだめです。

ホラー映画の予告ですらだめ。ほん怖もだめ。

むちゃくちゃ怖がりなので、お風呂で髪の毛を洗ってるとき、夜道などはもう怖くて怖くて仕方ない。

そんなわたしがホラー小説なんて!

と思ってました。

実際Twitterにもこれ、ホラー小説苦手でも大丈夫かな?ってつぶやいたくらい。

とはいえ、大好きな辻村作品。読みたいのは読みたい。けど怖い。と悶々としながら本屋さんへ行ったらなんとサイン本が。

はい、買いました。

そりゃ買うよ。

辻村深月さんのサイン本、実は今までも何度か買い損ねていて、いつかは欲しいと思っていたのです。

それがなんと大の苦手なホラー小説になるとは!って感じですが。


とりあえず、実家に帰って人がたくさんいる時に読もうかな。

それまでは大切にしまっておきます笑

どなたか、読み終わった方がおられたら、後引く怖さなのかどうか教えてください。




噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月

今度は文庫本の新刊。

初版にはオリジナル栞が付くらしく、可愛いから買っちゃった。

まだ読めてないので、ちびちび読み進めたい。

最近は短編集を並行して1日ひとつずつ読むのにハマってます。

スモールワールズが読み終わったので、次はこれを仲間入りさせようか。などと、どれを読むか選ぶのを決めるのも楽しい。

気になる性分なので、長編はなるべく時間のある時に読むようにしてるので、短編集ばかり買ってしまい、先に開きがち。



読んだ本

ここからは、今月買った本以外で読んだ本について。

全部で7冊!


すみれ荘ファミリア 凪良ゆう

夏前に買って積んでました。

凪良さんはわたしの美しい庭でむちゃくちゃ好き!ってなった作家さんで、本屋大賞のあれは買ったけどまだ読めてない。わたしより読書家の母に貸してしまった。


病弱な大家代理である主人公の前に生き別れた弟が他人のフリをして現れるところから物語は始まります。

弟の目的は何か?というちょっとミステリ的な要素もありつつ、大家代理を務める下宿の住人が抱える苦悩や辛さに共感しながら話が進みます。

美寿々の話での、大将に対する発言は共感しかなかった。


それにしてもあの人の執着にはびっくりしたなぁ。予想してなかったので、え!って叫んでました。

ラストまで息をつく間もなく読み切りました。終わり方が好きだな。




やわらかなレタス 江國香織

江國香織さんの食にまつわるエッセイ。

江國さんのエッセイはこれまでにもいくつか読んだ気がするけど、浮世離れしてるなぁって思ってて。

やわらかなレタスでもその気質は明確に読み取れた。

江國作品の登場人物のいい意味での生活感の無さは江國さん自身からなるものなんだな、と。


面白かったエッセイはたくさんあったけど、「さすらいのウェイターのこと」が一番好き。

素敵なウェイターさんに、さまざまなお店で出会うと言うお話です。

ほんと小説みたい!




蛇行する川のほとり 恩田陸

再読です。この本は本当は夏に読みたかった。

「8月に読みたい本」という記事も書きかけていたくらいには夏にぴったりなんだけど、試験もあって結局書けず、読めずでこのタイミングに。

夏の方がより雰囲気を味わえるとはいえ面白いことに変わりはないのでいつ読んでもよし!

久しぶりに読んだけど、夏休み。憧れの美人先輩と絵の合宿。かつての事件。とドキドキするワードがてんこもり。

夏の暑い日差しと、それによってできる濃い影が頭をよぎりました。


恩田作品は、「風呂敷を広げっぱなしだけど、綺麗な風呂敷」と言うのは言い得て妙なだけあって、謎が謎のまま放り出されたり、え?これで終わり?みたいなわりともやっと終わったりすることが多いけど、この作品はそういう意味ではわりと綺麗に終わっている方かと。

そういう意味でもおすすめ。




ガラスの海を渡る舟 寺地はるな

読み始めは主人公の兄妹ふたりにそれぞれイラっとしてなかなか進まなかった。

特に自分を特別だと思い込んでいる羽衣子には正直読んでいて辛いなぁと思った。

ああいう痛い子、いるなぁと。

けど、恐らく私も羽衣子くらいの歳の頃は近しいことを多少なりと思ってたんじゃないかな、と思った。

だから余計に読んでいて辛い、痛々しいと思ったのかもしれない。

けど、だんだん読み進めて行くにつれ、その気持ちが少しずつ薄れて羽衣子にも道にも頑張れ!って応援しながら読んでいた。

多分、羽衣子が彼氏に浮気されるシーンから。

その時の道と羽衣子の会話がよかった。

この話も最後の方にコロナ禍の現在の描写があって、2人のガラス工房もきっと大変なんだろうなあと少し心配した。

それも含めてこの兄妹の未来に幸あれ、と願わずにはいられなかった。




日日是好日 森下典子

母から借りて読んだんだけど、自分でも買おうと思った。絶対買う。

世の中にはすぐにわかるものと、すぐにはわからないものがあるという。

その一文を読んで、たぶんいろんなことをわたしはわかった気でいるのだろうと少し恐しく思った。

季節の移り変わりを身をもって感じでいるのだろうか。

ただ単に天気予報で知ったように思っているだけでは?

自然が少しずつ移ろいでいることを本当に気づけているのかな?

雨の日は本当は悪い日ではないのでは?


いろんな気づきがありました。

定期的に読み返したいです。

あと、和菓子屋さんにも定期的に行きたくなった。

もっと丁寧に生きていきたい。

と思えた作品です。続編も読みたいな。




月曜日の抹茶のカフェ 青山美智子

「木曜日にはココアを」の続編です。

是非続けて読むか、読む前に復習してから読むことをおすすめします!

あー、あの人!!ってなること間違いなし。


続編もほっこり温まる素敵な作品で、読んでいて幸せな気持ちになりました。

人と人との出会いが、出会った当人たちを通して、どんどん広がって繋がっていくたびに、その先の誰かの夢が叶ったり幸せに連鎖していくこと。

自分が知らないうちに誰かの幸せに関わっているかもしれない、誰かと誰かの出会いに繋げていたかもしれない。

そう思うとなんだかとても幸せな気持ちになりました。

わたしも誰かの幸せに繋がっていたらいいなぁ。

それをわたしが知らないところであっても。


木曜日、月曜日と来たのでこれは7日間=7作続くのかな?

そうだとしたらとても嬉しいな。


余談だけど、「木曜日にはココアを」はわたしの母や妹も読んでいたらしく、これは絶対貸さないと!




スモールワールズ 一穂ミチ

買ってからずっと積んでましたが1日一編ずつ、ようやく読めました!

テイストの違う短編集で、ぞわっとするものも、笑えるものもいろんな短編が収められた面白い作品でした。

読み終わってから、これはただの短編集ではなくゆるやかな繋がりがあると知って、読み返してびっくりしました。

特に最初と最後。

1日ひとつずつ読んでいて、間が少し空いてしまって最初に読んだ時に明確に気づけなかったのが悔しい。

実を言うと少しだけ違和感はあったのです。

あれ、これまた出て来た?って。

そこで気づきたかったなー!悔しい!


一穂ミチさんは今回初めて読んだけど、好きな作家さんの仲間入り!

新刊追いかけます!



というわけで、たくさん買ってたくさん読んだ10月でした。

9月のnoteが長くなってしまったので、どうしたものかと思っていたけど、たくさん買ってたくさん読んだので長くなって当然だったかもしれない…

11月はすでに欲しい単行本が4冊ある。

そこからまた他にも買っちゃうのか…

積読してる本もたっくさんあるし、読みたい本もまだまだあるし、なんだかんだで忙しくなりそう。

11月も素敵な本にたくさん出会えますように。

ではまた。

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