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2023.10.8制作した詩

【voice】
ムラサキのおひさまを描いた時
本当に伝えたかったことは何?
声にならないSOSなんかじゃなかった
画用紙の声

空も緑も空気も、すべて味方だった頃の色
気付けば、いつも曇り空
描いた澄んだ世界を忘れるべきだと心が泣いた

キミが見てきた世界の色
聴きたいと願った人の声
ぜんぶ間違いなんかじゃない
願いも希望も心も、空っぽにしなくてよかったんだよ

真っ赤なおひさまを描いた時
本当に想ったことは何?
これは私の世界じゃない
大人たちの安心感

音も悲鳴も心も、すべて消え去った世界
出会いたかったのはムラサキの陽
押し付けられた世界を受け入れるべきだと頭が話した

キミが求めた世界の色
選んだ小さなクレヨン
ぜんぶ、間違いなんかじゃない
画用紙で誇ってよかったんだよ

キミが受け入れた世界の色
苦しくて暗くて、正しい色
”私じゃない”と手放して
私色に変えていこう

あのおひさまを、もう一度


【夜の唄】
優しい唄を書くのはガラじゃない
言葉の選び方が分からない
リズムとかオリジナリティとか
どうでもいいけど背負ってきた技術が「それは違う」と話しかける

でもね、本当は思うんだ
大切なものはそこにはない
僕とキミが欲しいのは
そんな上っ面じゃないだろう?

信じられない綺麗な言葉や
飾りだらけの美しい唄を
どれだけ心に入れてきたんだろうな
誰も何も信じられないくせに
明日を捨てたい夜の話

キミに唄を届けるのはガラじゃない
心の花の咲かせ方が分からない
「大好き」とか「愛しい」とか平凡な戯言は聴かないと
「ちがう」の一言が訴えてくる

でもね、本当に想うんだ
大切なものはそれだけでよかった
僕とキミが欲しかったのは
上っ面みたいな本心でしょ?

傷ついた分、傷つけなくなった言葉や
涙ばかり集めた懐かしい唄を
どれだけ心で奏でてきたんだろうな
誰かをいつか信じたいと願って
明日を夢見た夜の話

キミを救いたいとか大げさなことじゃなくて
ただキミと生きていきたいんだ
癒えない傷はそのままでもいい
痛みの密度を僕は知ってるから
キミの価値を僕は知ってるから

見えない涙をぬぐえる言葉を
目尻が下がる優しい唄を
キミの影に贈りたいんだ
明日が怖くて消えたいあの夜の優しいキミに届きますように

キミの記憶を包みたい夜の話

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