見出し画像

いいから走れ! 長くとどまるな! _【見てきた夢の光景】

 少し設備の整った公民館のようなところ。舞台ホールがあって、私はその公演を知人と見に行っていた。公演が終わると、ゾロゾロと席を立ち帰っていく人たちは右のエリアに座っていた人たちだけだった。左のエリアをみると、誰一人として動かない。不思議な光景だった。右の人たちは当たり前のように帰って行った。

 しばらくすると、先ほどの演者さんの一人だったか、作家さんだったかが舞台に椅子を持って現れた。そして、もう一人片側から現れた。まるでトークショーが始まる雰囲気だった。私もわくわくしてそれを待ったのだが、次の瞬間には二人は何も発することなく、その場を去った。知人とあれ? と顔を合わせた。トークショーは行われたのかもしれないが、私には見ることができなかった。

 ホールを出て、自分の手荷物を見るとハッとした。なぜなら貴重品が入ったバッグでなく、サブバッグの方を持っていたからだ。私のばか! なんでそうなんだ! そして私のロッカーを見ると、絶望的に開けっぱなしになっていた。私は慌てて中を確認した。あぁ、やられてしまったか…⁈  財布は無事だろうか。

 ロッカーの中を貪るように確認すると、あぁ、よかった、財布は無事だった。でも…ん? 財布の異変に気がついた。盗まれるどころか、財布の口が閉まらないほどお札が何枚も分厚く入っていた。私はとてもよくないことに巻き込まれたと思った。これは何かの罠だ。急いでなんとかしなければ。とりあえず早く帰ってあれを確かめよう。

 あたふたしていると、さきほど舞台の上に上がってすぐにいなくなった二人のうちの一人がやってきた。とても丁寧に今日はありがとうございました、というので、私も楽しませてもらったお礼を丁寧に頭を下げて伝えた。会話が始まり、これが第一の関門だった。

 早く行かなきゃいけないのに帰れない。第二、第三の関門を通り抜けて、ようやく自由の身になったと思ったら、もう深夜2時を回っていた。ここは新宿だし、一人で帰るのは不安すぎる。

 玄関でそう躊躇していたら、二人の着飾った女性がやってきて、「メイクしてきなよ」と言った。何事かと話を聞いてみると、今からホステスをしに行くというのだ。そうすれば、暗いところを帰らなくて済むし、朝まで時間潰せると。「ただ笑って頷いてればいいんだからさ〜」とぐいぐい誘ってくる。もちろん、私は気乗りしないし、メイク道具も持っていない。でも、この夜中を通り抜けるのは怖い。私は玄関の外に目を向けた。

//夢ここまで
at 20240105

~筆者雑記~
 これは罠だ、と直感した夢の中の私。その感覚を持てていて少しホッとした。
それにしても分厚い札束が2つ、お財布の両サイドにピシッとはまっていた光景が忘れられない。それにこの札束だけではないことも感じていたから余計焦ったのだ。
 すぐに対処できる状態になれなかったこと、深夜2時を回ったこと、ホステスすることに誘われること… これは現実の今の私に対する警告のようにも感じる…^^;
 
 来るもの全てにかまけていてはいけない、それをしていたらタイムオーバーになる、遅すぎてしまう。そうなったら、またそこから動けなくなり、したくないことをするはめになる。そんな風に読めてしまいました…。精進します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?