見出し画像

突然、渡されたマネジメント資料

「これ、読んでみてください。」そう言って、社員が僕の顔色を伺いながら手渡してきた資料は、A4用紙で93ページに渡り綴られた「国家公務員のためのマネジメントテキスト」というタイトルでした。そのタイトルが示すこと、そして部下から手渡されたという事実から、社員から要求される内容を僕は瞬時に理解することができました。つまり、それは代表取締役としての僕の「マネジメント能力の低さへの指摘」です。

手渡してきた新入社員のNさん。

※ここでのマネジメントという言葉は、いわゆる経営知識やスキルのことでは無く、「上司(管理職)」のチームを管理する能力を指しています。

世の中の「上司(管理職)」の方々も、このようなことが起こったら、動揺を隠せないのではないでしょうか?または、その社員に腹を立てて、怒り狂ってしまう人もいるかもしれないですね。今回は、社員が僕の顔色を伺いながら手渡してきたことから感じ得たことをnoteに記録しておきたいと思い、パソコンに向かうことにします。しばし、お付き合いください。

そして、この資料を手渡してくれた新入社員のNさんとその旦那さんKさんにはとても感謝しています。こんな僕に改善の手を差し伸べてくれて本当にありがとう。もっと魅力ある代表取締役社長を目指して、精進します。


この資料、読むべき?

まず最初に、手渡された「国家公務員のためのマネジメントテキスト」は「上司(管理職)」に向けて作られたものであり、代表取締役社長である僕が当てはまるのか?という疑問がありました。その内容は「上司(管理職)」の部下に対するフォロースキル。現場の業務遂行を円滑にまとめる役割を担う社員にこそ、必要なスキルなのでは?と感じました。だからと言って、代表取締役社長には不要なスキルだということではありませんが・・・。

資料の中身はこんな感じ。

代表取締役社長は社員にここまで寄り添う必要性はあるのか?代表取締役社長は数字を作ってなんぼのものではないのか?だって数字を作れば、皆の給与も上がるんだし、1番求めているものはそれじゃないのか?トンネルを掘る役目が代表取締役社長じゃないのか?そんなシビアな責務を背負いながら、「上司(管理職)」の役割をも果すなんてできるのか?代表取締役社長と言っても一人の人間だし、考える頭や行動できる体は一つです。無理だよと、そんな気持ちにならない訳がありません。

弊社(株式会社村上佑写真事務所)は、代表取締役社長である僕が設立した会社です。2015年から個人事業主として起業し、それから7年後の2022年に法人成りしました。起業した2015年以前は、何の役職にも就いたことが無いカメリーマン(雇われカメラマン)。そんな僕が独立し現在、年間9000万の売上を作る会社へと成長しました。もちろん僕だけの努力でここまで来た訳ではありません。力強い手助けがあり、今では、現状の会社規模としては、ある程度安定した経営ができているのではないか?と感じています(個人的見解)。だからこそ、手助けいただいた関係者の方々をはじめ、従業員のみんなに、とてもとても感謝しています。本当にありがとうございます。

弊社、事務所の外観。

でも、だからと言って僕の努力を謙遜するつもりはありません。僕だから、僕の写真だから、僕の能力だから、僕の努力があったから、ここまで来れたとも思っています。仕事は他力だけで成り立つような甘いものではありません。正直、死ぬかと思う経験もしました。努力し(まだまだ足りませんが)、命を削ってきた自信もあり、今は自分自身へ「よく頑張ってきたね。」と慰めてあげれるようになりました。

話が脱線しましたが、弊社の8年間の歴史を振り返って、決定的な問題点があることに気が付きます。それは代表取締役社長である僕が「管理職の経験を積まずに、代表取締役社長になった」ということです。つまり部下を持たずして、社長になりました。そう、皆さんのご想像の通りです。部下へのフォロースキルがほぼ0だということです。この状況からすると、社員から「国家公務員のためのマネジメントテキスト」を手渡される理由にも深く頷けるのではないでしょうか。

HP用に撮影したスタッフの集合写真。

また、弊社は社員5名以下の小さな株式会社です。僕以外の役員などいるはずが無く、代表取締役社長である僕が、社員の「上司(管理職)」として存在することは必須条件だからこそ、社員から手渡された「国家公務員のためのマネジメントテキスト」は読み込む必要性があるし、早急に咀嚼し吸収しないといけないと感じました。

悪い例に当てはまる現実。

いざ「国家公務員のためのマネジメントテキスト」を読み進めてみると、分かっているようで、実感していなかったことがたくさん書かれています。紹介される悪い例が僕と重なることもたくさんありました。そんな例を目にする度に、自分自身の姿に幻滅し、社員が辛い思いをしていたことを理解し、申し訳ない気持ちになりました。

一つ、実際に弊社で起こった悪い例を紹介します。僕は締切間近の原稿を制作している最中、様々な取捨選択が必要な細々とした仕事に追われていました。焦りとプレッシャーから頭から煙が出ているような状況です。原稿もうまく書けず、集中力に欠け、仕事が一向に捗りません。そこへ新入社員から、ある質問を受けたのです。その瞬間、僕に芽生えた気持ちは、「それ、僕に聞く質問?他の社員でも良くない?」と感じ、めんどくさい雰囲気や投げやりな表情が出ていたのでしょう。それが新入社員の精神に傷をつけた瞬間だったそうです。

それぞれの立場からの対策。

どのような会社でも代表取締役社長は日々、社運を賭けた取捨選択の毎日で、プレッシャーと責任感を伴います。一方で、新入社員は右も左も分からず、手助けを常に必要とします。この状況が想像できたところで、皆さんなら双方の立場からどのような対策を考えますか?

僕は、どちらかの善悪の判断ではなく、双方が精神的落ち着きを得ることができ、業務に集中できる環境づくりが必要だと感じました。新入社員は、仕事に追われていてる「上司(管理職)」を見て、質問してはいけない雰囲気を感じ取り、タイミングを伺う必要があるのでしょうか?つまり、新入社員は、日本人ならではの「空気を読む」という能力を育まないといけないのでしょうか?僕個人の考えとしては、「NO」です。でも、新入社員も「空気を読む」という能力が必要だ!と考える上司も必ずいるはずです。

比較的経営力が安定した企業や大企業の社長となれば、社長業(ここはまだ未知の世界)に徹し、現場レベルの話は、なかなか入ってこないでしょう。もちろん、それでも現場レベルの話を聞き出したり、身を置くことを意識している社長様もたくさんいて、それって本当にすごいことだと尊敬しています。ただ、弊社は小さな会社ですので、代表取締役社長が現場にどっぷり浸かっている割合が圧倒的に多いのです。僕のような至らぬ代表取締役社長では、その責務を負いながら、現場に浸かっていると精神的に一杯いっぱいになり、落ち着くことができず、周りへの配慮も欠けてしまいます。そう、代表取締役社長も大変なんです。

そこで、僕はある対策を思いつきました。それは、今まで不要だと思っていた社長室を作ること。代表取締役社長としての仕事に集中できる環境があれば、この問題はある程度緩和されるのでは無いでしょうか?と考えました。

または、どんな時も新入社員に寄り添う教育係が確保できれば、新入社員も「空気を読む」というストレスを抱えず、積極的に質問し急成長を見込めるはずです(弊社は人員的に不可能な現実があります)。

僕に関して言えば、最近は仕事の場所を変えたり、社員と距離を取ったりして双方の精神的状態を刺激しないように心がけています。そのおかげで、今の僕はすごく安定した精神状態を維持できており、とても仕事に集中できるようになりました。社員にとってもそんな良い影響が出ているのでは無いでしょうか?

弊社の魅力

そんなことを考えるきっかけになった「国家公務員のためのマネジメントテキスト」を手渡してくれた新入社員には心から感謝しています。代表取締役社長としても、今の規模(体制)では、繊細なハンドリングが求められる時期なのかもしれません。代表取締役社長と社員の間に位置する中間管理職の社員がいてくれるようになったりすると、また状況も変わっていくはずです。

スタッフ集合写真。

でも改めてよく考えてみると、こんな状況が生まれることが弊社にとって、とてもいい環境だと感じます。新入社員が代表取締役社長に「国家公務員のためのマネジメントテキスト」を手渡すことができるフラットな関係性からは、心地良さを感じます。実際に、その資料を手渡された時は、「怒り」という感情は無く、会社を良くしようと思ってくれて「ありがとう」の気持ちでした。そんなフラットな関係性は弊社の魅力なのです。

これからのこと。

問題を乗り越えた信頼の握手。

きっとそんなフラットな関係性は、どちらかの努力で成り立つものではありませんよね。双方を認め合うことができているからこそ成立します。僕も社員を認め、社員も僕を認めてくれているのでしょう。どれだけ規模が大きくなっていこうとも、そんな関係性を築くことができる社員がたくさん集まり、役職問わず切磋琢磨できる会社であり続けたいと心から思います。

求人募集

沖縄フォトウェディング

そんな弊社は、沖縄でフォトウェディングやファミリーフォト、ビーチ挙式の企画・撮影を行っています。

現在、業務拡大に向けて新卒キャリア採用問わずスタッフ大募集中です。中間管理職(フォトグラファー)としての採用、技術や経験に応じた報酬にて採用いたします。新卒で社会人1年生の方でも協調性があり、継続できる根気強さがあり、笑顔で明るく仕事に打ち込める素質が弊社とより良い関係性を築いていけると思います。我こそは!と思う方はぜひ、下記googleフォームよりご応募お待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※スマートフォンからではうまく入力できないチェックボックスがありますので、パソコンからのエントリーをお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?