<イタリア>ロックダウン後のヴェネツィアに行ってみた!きれいになった運河と街並み、オペラ劇場を見学
6月3日から、州をまたぐ移動もできるようになり、ヨーロッパなど海外からの観光客の受け入れも再開したイタリア。
私も早速、住んでいるロンバルディア州・ミラノから、電車で2時間ほどのヴェネト州・ヴェネツィアまで出かけてきました!
ヴェネツィアといえば、なんといっても美しい「運河」が象徴的。
「水の都」として、イタリアの観光地の中でも大人気の街です。
ロックダウンの影響で観光客が減り、経済的な影響があった一方で、運河の水がきれいになり、魚や動物たちの姿が戻ってきた、というポジティブな一面もあったようです。
フェニーチェ劇場
ヴェネツィアは、音楽史には欠かせないとても歴史のある街なのですが、街の中心部には、フェニーチェ劇場という有名なオペラ劇場があります。
公演は再開していなかったものの、劇場内を見学することができたので、劇場の歴史・写真とともにご紹介していきたいと思います!
火事の焼失から復活!?
劇場の名前になっている、フェニーチェ(Fenice)。
イタリア語で”不死鳥”という意味ですが、この名前にふさわしい歴史が…!
なんとこの劇場、3回も火災によって焼失しているのです!!
気になる詳細を以下にまとめてみました。
1回目は、1773年。
劇場の前身となったサン・ベネデット劇場で起きた火災により、焼失。
この後継として、現在の”フェニーチェ劇場”が創建された。
2回目は、1836年。
導入されたばかりの暖房機器からの出火が原因で、焼失。
鎮火までに丸3日を要したが、わずか1年で再建された。
3回目は、1996年。
修復工事中、補修作業の遅れにより違約金の支払を求められていた電気工事業者による放火が原因で焼失。
予算や再建方法を巡る様々の困難のため、再建工事は2001年になりようやく開始され、2003年に再開場。
(劇場パンフレットより)
数々の名オペラの初演がこの劇場で!
フェニーチェ劇場は当初からヴェネツィアだけでなく、ヨーロッパにとっての中心的歌劇場としての地位を確立。フェニーチェ劇場から作曲家たちにオペラの作曲が依頼され、数々の名オペラの初演が行なわれました。
ジョアッキーノ・ロッシーニ
(Wikipediaより)
初演:
「タンクレーディ」(1813年)
「シジスモンド」(1814年)
「セミラーミデ」(1823年)
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
(Wikipediaより)
初演:
「カプレーティ家とモンテッキ家」(1830年)
「テンダのベアトリーチェ」(1833年)
ジュゼッペ・ヴェルディ
(Wikipediaより)
初演:
「アッティラ」(1846年)
「リゴレット」(1851年)
「椿姫」(1853年)
「シモン・ボッカネグラ」(1857年)
いよいよ劇場内へ!
フェニーチェ劇場の歴史をご紹介したところで、いざ、実際に私が見学した劇場内をご紹介!
まずは、正面入り口を入ってすぐのところに、チケット売り場兼グッズ販売があるので、そこで劇場見学用の7ユーロのチケットを購入。
現在は、コロナ対策もあってか、予約必須、マスク着用が義務づけられていました。(詳細は公式HPにて)アルコール消毒をして、体温を測ったら、中に入ることができます。
入り口にはオーディオガイドの無料貸出、公式アプリをダウンロードすると解説が聞けるサービスも。
ロビーの美しいシャンデリアに見惚れながら、奥へと進みます。
こちらが、ホールへの入り口。ドキドキ。
いよいよホールの中へ!繊細な内装と、美しい照明。
幾度もの火事を乗り越えた、歴史の重みを感じます。
一旦ロビーに出て、2階へ上がる階段へ。マスクがだんだん暑くなる...。
2階へ上がると、公演の休憩時間に利用することができるカフェや
普段は、見ることができないであろう会議室、
リハーサル室までも見学できました!
劇場スタッフの方にインタビュー
帰り際、劇場スタッフの方とお話できる時間があったので、コロナで影響を受けた劇場の現状を伺ってみました。ちょうど私が訪れた日の翌日から、オーケストラと合唱団のリハーサルが再開されることが決定されたようですが、まだ、公演再開の目処は立っていないようです。
前回の記事でご紹介した、イタリアにおけるコンサートの再開時期と条件は、劇場側にとっては、なかなか厳しい条件のようです。
劇場としては、公演をしていかないと、成り立たないので、屋外での公演(屋外だと入場可能人数が多くなる)なども視野に入れていかなければ、とおっしゃっていました。
3度の火事を乗り越え、伝統を守り抜いてきた”フェニーチェ”劇場。
その名前にふさわしく、”不死鳥”のように、また新たな伝統が続いていきますように。
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