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こころの処方箋

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色と香りが織りなすカラーボトルカウンセリング「和み彩香」 思わず出てくる本音にそっと寄り添います
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2021年5月の記事一覧

母の口癖を PAY FORWARD

母の口癖を PAY FORWARD

「ありがとう」
とっても自然にその言葉が紡ぎ出される

バスで席を譲ってもらって「ありがとう」
レジで買い物カゴを運んでもらって「ありがとう」
本当に人さまにお世話になることばかりで…
と、80を過ぎてからの母は、少し情けなさも滲み出しながら笑顔を見せる

そんな母の言葉で、いつも胸に詰まる「ありがとう」は、私との毎朝の電話の最後にスマホの向こうから届く言葉

「今日も電話かけてくれてありがとう」

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「喜捨」という引き算の美学

「喜捨」という引き算の美学

朝から衣替えと一緒に断捨離をしました
ひと仕事終えたコーヒータイムの時
眺めていた友の投稿から「喜捨」という言葉が飛び込んで来ました

喜んで捨てる?
実はこれは仏教用語で
お賽銭をしたり お布施をする行為を指すのだそうです

お賽銭を投げ入れるのも少々お行儀が良くないようにも見えますが
これはこのお賽銭を自分の執着に見たて
それを投げる行為で断ち切るのだそう

そして続いてこう書いてありました

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「1人」

「1人」

昨日ぼんやりと「1人」を意識した
少し寂しくも感じたけど嫌でもなかった

「不安」なのかなとも考えたけど、それより「自由」の魅力が優ってた

「所有」する満足より「手放す」快感に目覚めていた

所属から離れ
友だちは少しずつ疎遠となり
師からは中退
家族も卒業

欲から解放されたいと願い
見栄にしがみつかない生き方に憧れる

明らかに付加していく時代が私の中で終わり
手放していく年代に突入したのだ

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「アレしよ事件」

「アレしよ事件」

それは大学生になってまもなくの頃
田舎から出てきて一人暮らしを始めた私は
大学の近くで早くもお気に入りの喫茶店を見つけた

その名も京都の地にふさわしい「紫宸殿」というお店
カウンターをベースとしたうなぎの寝床のようなスペース
そこにはもみあげだけがルパンに似ているマスターと、肝っ玉母さんのようなママがいて
何とも居心地のいいこじんまりとした店だった

多分昔からの常連だった友に連れて行ってもらっ

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花街のPAY FORWARD

花街のPAY FORWARD

かにかくに 祇園はこひし 寐るときも
 枕の下を 水のながるる
 - 吉井 勇 -

四条通りから大和大路を北へ
白川を渡って東に進むと石畳の道が続き
ここだけが歴史に取り残されたかの様な犬矢来が並ぶ
肩の襟を拳ひとつ抜いた稽古着姿の芸妓さん
その歩く姿は街並みにしっぽりと溶け込んでいる

超一流の男ばかりを相手にする花街の女も
自分の本音で愛する男は
当時、新設されたばかりの帝大の若き獅子だった

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こころの故郷は義父

こころの故郷は義父

GWになると毎年楽しみにしていたことといえば、それは家人の実家に帰り、ヤマブキや蕨を採りに行くこと
義父が元気だったころ、子供たちの楽しみはおじいちゃんの運転する軽トラの後ろに乗り込んでその山菜が群生しているダムに沿った山に入っていくことだった

義父は山が好き、手先が器用で、趣味も多くとても粋な人だった
舅と呼ぶのも違和感を感じるほど私は娘のように可愛がってもらい、一度も怒られた覚えがない
義父

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