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母の口癖を PAY FORWARD

「ありがとう」
とっても自然にその言葉が紡ぎ出される

バスで席を譲ってもらって「ありがとう」
レジで買い物カゴを運んでもらって「ありがとう」
本当に人さまにお世話になることばかりで…
と、80を過ぎてからの母は、少し情けなさも滲み出しながら笑顔を見せる

そんな母の言葉で、いつも胸に詰まる「ありがとう」は、私との毎朝の電話の最後にスマホの向こうから届く言葉

「今日も電話かけてくれてありがとう」

いえいえお母さん、それは娘として当たり前のことだから、そう言いかけてその言葉を飲み込むのです

いつからだろう、毎朝の電話
まだお互い若かった頃はロクに連絡もせず
便りがないのは元気な証拠と言っていた

ここ数年月に半分程は、駅を降りて仕事場に行く時までの10分が母と話すルーティンになった

そして、その回数は徐々に増えて今は毎日の約束事

母は、朝起きて「ああ、今日も無事に生きて目が覚めた」と思うらしい
そして、私とこうして話すことが出来たというだけで、本当に嬉しくてつい「ありがとう」と言葉が溢れるのだと

そんな簡単なことでいいのね
そんな簡単なことなのにこれまで中々出来ていなかった
親不孝を数々重ねてきた私を辛抱強く信じて待ち続けてくれたから、何とか間に合うことが出来ました

私も今朝久しぶりに離れて暮らす
娘の声が聴きたくなり
「用もないけど貴女の声が聴きたくなったのよ」とスマホを手にしたのです

寝起きを起こされただろうに、いつも要件があってかけた時は、そっけない程の対応で終わることが多いのに、娘は「そうなん」と少し嬉しそうに、そして楽しそうに最近のあれこれを話してくれました

娘もまた社会人になってそんな心のヒダが育ってくれてきてるのかも知れません
私も、自然と娘に「ありがとう」の言葉で締めくくっていました。

親子でも、いや近しいからこそ伝える
「ありがとう」の言葉の凄さ

「ありがとう」のPAY FORWARD
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