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ほおずき


ほおずきは鬼灯とも書きオレンジの濃い色が特徴的で目を引きます。
子供の頃には海ほおずきというのもあり、お盆の縁日には買ってほしくてねだったことがあります。私にはほおずきという言葉が暑い夏の象徴です。
この美しい朱色のほおずきを夏のお料理に添えてほしく、料理長と話して今の季節お料理の飾りに出してもらっています。
露店が並び、数多くのホオズキが販売される「ほおずき市」。
ほおずき市の起源は、「四万六千日(4万6千日分のご利益があるとされる参拝日)」にあたる7月9・10日に縁日を設けた東京・台東区浅草の浅草寺にならって、他の神社でも縁日が行われるようになった明和年間(1764〜1772)に遡るそうです。
ホオズキは、古くから煎じて飲まれている生薬で、子どものかんの虫などに効くという民間信仰から、東京・港区芝の愛宕神社の縁日に合わせて「ほおずき市」が立つと、ホオズキを求める人で賑わったそうです。
続けて、四万六千日の縁日の大元である浅草寺でも「ほおずき市」が開催されるようになり、現在も夏の恒例行事として多くの人で賑わいます。
また、この縁日の時期は、ちょうどお盆が近いこともあり、ホオズキは盆棚飾りにも用いられるようになりました。
これまでご紹介した「ほおずき市」などで売られている「千成りホオズキ」や「丹波大実ホオズキ」などの朱色のホオズキは、平安時代より鎮静剤として、または咳や痰、解熱、冷えなどに効果があるとして煎じて飲まれていましたが、現代では主に観賞用として利用されています。
同じホオズキの中でも「オオブドウホオズキ」や「食用ホオズキ」は、実が黄色く、生食するとミニトマトを思わせる食感で、フルーティーで独特の香りが特徴です。ヨーロッパでは、ホオズキは生食したいスーパーフードとして認知されています。「インカベリー」や「ピチュベリー」、「ストロベリートマト」、「オレンジチェリー」などとも呼ばれ、栄養価も高く、健康と美容に効果がある食べ物として、近年では日本でも注目されています。ビタミンA、C、B群、カロテン、鉄分を豊富に含み、脂肪とコレステロールの流れをスムーズにするイノシトールの作用で、脂肪肝や動脈硬化などの予防効果があるとされ、豊富な食物繊維は腸内環境の改善に、さらには、メラニン生成を抑制することによる美白効果、シワやたるみの改善効果など、多くの健康・美容効果が期待される果実ですが、アルカロイドという薬物作用のものも少量含むので注意が必要です。妊婦さんには特によくないので召し上がらないようにしてください。
お盆を感じるほおずきを見るようになってきました。
蝉も鳴いて益々暑い夏になります。今日もいい一日を。7/25


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