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チョコレート伝説 ~メキシコのカカオから~ (フリーダ・カーロの日記#10)

星野由美

フリーダの日記には、メキシコ原産のカカオが生き生きと描かれているページがあります。まず、色のイメージを書いたページでは、茶色を連想するものにチョコレートソースの「モレ」をあげています。「モレ」はメキシコで肉料理に使われる辛味のチョコレートソースのことです。チョコレートが菓子としてではなく、料理に使用する身近な食材でもあるのです。その数ページ後に、ページの真ん中に巨大なチョコレートを描き、ナワトル語で「ショコラトル(XOCOLATOL:チョコレート)」と記しています。「チョコレート」という言葉は、「ショコワトルxocoatl」(苦い水)から由来する言葉とも言われています。フリーダは、巨大な板チョコを大地と見立て、上部からカカオのつると木の葉が芽ぶいている様子を描きました。その下には彼女が独自に作り上げたディエゴと自分を定義する言葉に「クロモフォーロ」と「アウソクローモ」を明記しています。

そもそもカカオの原産地であるメキシコで、初めてカカオを栽培したのは紀元前約3000年も前に遡ります。メキシコ湾近郊のオルメカ族が「カカオ」という言葉とその植物をマヤ族に、その後アステカ族に広めたと言われているのです。マヤ族の間ではカカオは王家の飲み物であり、アステカ族はカカオの種を通貨として使用していました。

コロンブスは、初めてカカオ豆を発見したヨーロッパ人だと言われています。しかし、チョコレートとよばれる飲み物を初めて飲んだヨーロッパ人は、メキシコを征服したスペイン人のエルナン・コルテスでした。この飲み物は、炒ったカカオに、水とトウモロコシの粉とトウガラシを加えてできたものでした。その後、1544年、チョコレートはヨーロッパに持ちこまれたと言われています。

甘くして貴族に広めたヨーロッパ、大量生産して世界に広めたアメリカ。そのおかげでチョコは世界で食べられているのですが…侵略された南米の歴史の上に私たちは暮しているということでもあるのですよね…。

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