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エッセイ等

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2023年3月の記事一覧

詩歌の朗読、音読について覚え書き

詩歌の朗読、音読について覚え書き

 渡邉十絲子は『今を生きるための現代詩』(講談社現代新書)で、安東次男の「みぞれ」という詩について、

 と書いている。現代詩についてよく知らない私は、「現代詩=音読不可能。テキストで完結するもの」という印象をこの箇所から抱いた。
 いわゆる視覚詩に興味があったことも、そのイメージを助長した。
 単純な例として自作を挙げると、

 も三角形になっているから視覚詩の一種だろう。
(これは小野小町の百

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耳の話

耳の話

 その春、小学校で飼われはじめたうさぎは、たちまちどんどんふえた。
 子うさぎが人気をあつめ、休み時間には小屋の前に人だかりがする。
 飼育係の腕章をつけた上級生だけが、小屋の中に入ってエサをやったり、掃除をしたりできる。
 ある日、飼育係の男の子の一人が、ギャラリーのわたしたちにむかって、ちょっと得意げに、
「うさぎの持ち方って知ってるか? 耳を持つんだ」
 と言いつつ手近にいた子うさぎで実演し

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