目には目の、耳には耳の。

タイトルを見て即座にハンムラビ法典が浮かんだあなたは、



このnoteではなくヘタリアを見に行くべきだ。



そして学生にこれを教える時は要注意だ、



やり返し許可法ではなく、身分制と復讐制限の規定だからだ。



こんな話をしたいのではない、まずはビールを飲もう。



ビールの何がいいの?と聞いたことや聞かれたことがある人は多いだろう。



もちろん飲み物だから味は好きだ。



シュワシュワきれいな金色に香りと刺激。



まさに五感でビールを楽しんでいる。



スポーツ「観戦」という言葉でも、



興味・記憶・興奮・共有は視覚だけでは片付かない。



中でも私は音によく反応する。



湯船で口ずさむのはAKBでもThe Beatlesでもking gnuの高音でもなく、



モーターレースのエンジン音だ。



これがタイトルの言わんとするところである。



体操やフィギュアスケートはその動きと表情を「視覚」で捉える比重が高く、それが最大の楽しみ方だと思っている。



モータースポーツはヘルメットで顔が隠れている代わりに、



エンジン音が彼らのテンションと表情なのだ。



現地のサーキットでは、200キロオーバーで通り過ぎるマシンに視覚は通用しない。



エンジンの爆音は聴覚にとどまらず衝撃としてもエネルギー発散される。



次の周まで残るのは、タイヤカスのゴムの匂いだ。



オタクっぽくなってきた。



ではここで私的心が震えるエンジン音トップ3をご紹介しよう。



3位 F1 フェラーリF2007がブラジル・インテルラゴスの4コーナーから5コーナーを通過する時の音。



当時のV8マシンはちょうどこのあたりで3速から4速にシフトアップする。



ここが本当にたまらない。



2位 motoGP ヤマハYZR-M1がカタルニア・サーキットでゆるい8コーナーを通過する時の音。



大排気量の990cc時代もイイが、4ストローク800ccの少し高い音の軽快さが素晴らしいのだ。



1位 マクラーレンMP4/6・ホンダV12 RA121E



もうぶっちぎりですわこれ。



F1史上最高のエンジンの一つにも挙げられる傑作だ。



後継のRA122もやばい、シーズンとして結果はウィリアムズ・ルノーにぼろ負けだったけど。



1992年のモナコGPはアイルトン・セナとナイジェル・マンセルの激闘が歴史に残っているが、私はそりゃセナが抑えて勝つでしょって初めて見た時も思っていた。



しかしボー・リバージュ(ホテル・エルミタージュ前)コーナーの上り坂をを5速で駆け上がる爆音だけは覚えている。



今と違い、高回転で引っ張る力のあるエンジンだったこともよかった。



あれはオーケストラだ。



「観戦」という言葉に置き去りにされた残り4つの感覚にも最大限の敬意を。

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