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【読書感想文】ウィンカーも接続詞もさじ加減が大事『文章は接続詞で決まる』を読んで

好きなタイプは、適切なタイミングでウィンカーとハザードを使用出来て、一時停止で確実に停止できて、車線減少が分かっている時にギリギリまで減少側を走って前の方で割り込んだりしてこない(!)タイプの人です。

半分冗談で半分本当ですが・・・。

今日は、通勤中にウィンカーをつけるたびに思い出してしまう本を読んたので感想文にしたいと思います!

こちら↓ 『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)です。

今年のnote読書感想文の課題図書になっています。

読書感想文については、前回の記事もよろしければ見に来てくださいね♪

インスタでも読書記録などまったり更新中です↓


「接続詞」を意識していますか?

さて、みなさんは「接続詞」について学んだことはありますか?

接続詞という用語自体は中学校で習いますが、実際には小学生のうちから「つなぐ言葉」「つなぎ言葉」という名称で、「だから」、「しかし」、「そして」などといった接続詞の使用について学んでいます。

私の場合は、大学で専攻していた日本語教育(日本語教員養成)課程や、アルバイトでしていた塾講師、社会人学生として学びなおした言語聴覚士の養成校での言語学などを通じて、なんだかんだと接続詞について触れる機会がありました。

現在でも、放課後等デイサービスにおいて小学生を相手に接続詞の穴埋め問題なんかを教える機会があるので、「接続詞」について再考したいと思い、手に取りました。


接続詞の解説本でありながら、書評本のような読み応え

新書だしさくっと読んで要点掴もうかなと読み始めます。

前半は、”接続詞とは何か””接続詞の役割”といった書き言葉における接続詞の概要。接続詞を四種十類に分けながら整理しています。

①論理の接続詞⇒「順接」「逆接」
②整理の接続詞⇒「並列」「対比」「列挙」
③理解の接続詞⇒「換言」「例示」「補足」
④展開の接続詞⇒「転換」「結論」     (p.57 )

これらの解説の中で、北杜夫、夏目漱石、芥川龍之介、村上春樹、遠藤周作、ミスチルの歌詞(!!)など、有名な小説・エッセイが抜粋されていて、まるで書評本を読んでいるかのような感覚に陥りました。

漱石の『こころ』の中にでてくる「それから」に注目してみたりして、題名なのか接続詞なのか一瞬混乱(笑)
(『それから』の中の「それから」は後半に出てきました)

してあげる (4)

後半では、話し言葉の接続詞に関して解説が続きます。

接続詞はその場の空気を変える

そうそう!これです!

この前、口癖が「要するに」の方と会話していて、こちらの発言の意図からズレていたり、そもそもまったく要されてなかったり・・・

的確に”要して”くれると会話も弾んで面白いですが、何度もズレた「要するに」を使われると話す気も失せてきますよね。

話し言葉においては、「でも」「だから」「だって」の使い方も要注意。

本書の中でもこれらについて「無用な対立を生む」「自己正当化を目立たせる」と解説されていました。

口癖になっている接続詞は、その人柄を反映するようです。

ついつい使いがちな接続詞はありますか?

それは相手の発言権を奪ったり不快感を与えていませんか?

私も意識して使っていきたいと思います。


ウィンカーも接続詞もさじ加減が大事

やっと表題の話。

接続詞は、沢山あれば良いというわけでもないようです。

車のウィンカーを例にしつつ、接続詞をつけることの弊害は以下の5つが挙げられていました。

①文間の距離が近くなりすぎる
②間違った癒着を生じさせる
③文章の自然な流れをブツブツ切る
④書き手の解釈を押しつける
⑤後続文脈の理解を阻害する  (p.198)

私自身も、”書き手(話し手)の解釈”は、使う接続詞によくあらわれると考えているので、この章の内容は、特に興味深かったです。

日頃接する障害のあるお子さんやそのご家族と話していても、その話し手の、期待や希望、不満や心配といったものが接続詞に表れることってよくあります。

日々書いているカルテにしても、論文にしても、接続詞の使い方を間違えると、真意が伝わらなくなってしまうとつくづく感じました。

自分の伝えたい事が伝わるようにすること。

相手が受け取りやすいように文を届けること。

そのために、使う語彙や助詞だけでなく、接続詞を意識して、少し俯瞰した添削を心がけてみたいと思います。


してあげる (5)

運転中のウィンカーも、早すぎたり遅すぎたり、はたまた方向を間違えて出してしまったら、受け手は混乱してしまいます。

接続詞の使い方も、車の運転も、練習しながら磨きをかけていきたいですね。



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