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料理の美味しい温泉(女将さんの手料理限定)14

私は、鄙びた温泉が好きなので、泊まる旅館はどうしてもご夫婦や親子で家族経営されているような小さな旅館になります。そのような旅館だと、基本的に食事は女将さん、たまーにご主人や息子さん、娘さんが食事を作ります。
立派な板長さんが作る豪華な懐石料理にも憧れますが、私は郷土料理が好きなので、その土地の旬な物や名産を使った家庭料理がうれしいです。初めて見るもの、食べるものはワクワクします。

私の独断と偏見による温泉もよくて、女将さんの手料理が美味しい温泉を紹介します。

13はこちら


島根 湯抱温泉 中村旅館

2021年6月1人旅で訪問。島根県は鄙びた温泉の宝庫、大好き。
島根は出雲大社や玉造温泉が有名ですが、こちらの三瓶温泉郷は鄙びた共同湯や旅館が点在、お湯も個性的でおすすめです。

現在、湯抱温泉で営業しているのは中村旅館さん1軒のみ。こちらの旅館は家族3人で営まれていて、1日1組のみしか予約を受け付けないので週末はなかなか予約が取れない宿。特に温泉が有名で、マニア垂涎なんです。
私も最初は温泉に入りたくて宿泊予約。こちら日帰り入浴もあるのですが、食事付きの2人以上な為ハードルが高い。
いざ泊まってみたら、食事もとても良かった。息子さんがメインで作られてるそうで、女将さんはサポートだそうです。(女将さんの手料理限定ですが、今回は息子さんも!)

チェックイン。女将さんがたてたお抹茶と和菓子をお部屋でいただきました。
建物が古いので維持が大変とのこと、ご不便をお掛けするかもですがどうかお許しを。と言われました。屋根にブルーシートがあったり、豪雨災害の直後だったので、爪痕を垣間見ました。

桜餅とお抹茶

早速温泉マニア垂涎の温泉をご紹介します。

個性的な湯船

浴室に入った途端、テンション上がりました。
成分が濃いので、長年の析出物でできた棚田が圧巻。足の裏が痛くて歩けないほど。
弱放射能-ナトリウム-塩化物•炭酸水素塩泉。

源泉湯口。ドバドバ!

源泉は30度、湯口24度なので、薪で焚いて加温しています。女将さんが外から「湯加減どうですか?」と聞いてくれます。「源泉出してみましょうか?」って言われてお願いしたら、勢いよく出てきた写真がこれです。このやりとりも和みます。

析出物の棚田。もはやアートの域。
カルシウム⁈の膜がびっしり。

さて夕食でーす!

夕食はお食事処でいただきました。おつまみ的なラインナップとみて、焼酎の水割りをいただく。
盛り付けがきれいで目でも楽しめました。

左下のつくねは絶品でした。右下は玉ねぎのピクルス。器の下の葉っぱがかわいい!飾りの葉っぱは女将さんが近所で調達。よく見るといろんな葉っぱ。

お刺身と胡麻豆腐。飾りの葉っぱがいいですよね!
メインディッシュは山くじら鍋

猪肉を「山くじら」と言うなんて知らなかった。クセがなく、あっさりしていて美味しかった。
島根県では猪肉を地域産業にする試みがあるようです。

〆はお蕎麦。銀シャリまでは辿りつかず。

他に天ぷらも。またもや酔っ払って写真撮ってない。湯上がりにビールも飲んじゃったし、お酒がすすんで焼酎水割りを2杯飲んじゃいました。

けっして高級じゃないけれど、丁寧に作られたお料理はとても美味しく、盛り付けもきれいで目でも楽しめました。

川があったので、女将さんにホタルが見れるか聞くと「ちょっと行ってみましょう」とおっしゃって下さり、食後に2人で行きました。
1匹しか見れず。女将さんが子供の頃はほうきで払うくらいホタルがいたそうです。時期が少し早いかもとおっしゃってました。

デザート

食べ切れず部屋に持っていったデザート。こちらも盛り付けが美しい!

朝、宿のまわりを散策。

夜、ホタルを見に行った川
かわいいポスト発見!
廃業してしまった旅館。残念。

朝風呂へ

風情がある洗面所
朝風呂たまらん!

朝ごはん。昨晩はお腹いっぱいで銀シャリが食べれなかったのでたらふく食べるつもり。

シンプルイズベスト

朝食も食事処で。定番のおかずが並びます。

つやつやの銀シャリ

ごはんが美味しかった!島根のお米だそうです。山陰のお米ってあまり馴染みがないですが、私の白いごはんの美味しい温泉旅館上位に食い込む勢い!

具だくさんのお味噌汁も良き〜!
食事処にあった昭和のマッサージ機
部屋の鏡台も昭和。欲しくなった。

チェックアウトをして、少し離れた駐車場から車を出すと女将さんと息子さんが、見えなくなるまでずっと手を振ってくれました。なぜかわからないけど運転しながら泣きそうになった。
一泊のみ、それも私だけなのにめいっぱいもてなしてくれて、女将さんはホタル鑑賞も付き合ってくれて。1人旅だったからかな?ちょっと感傷的になっちゃいました。

中村旅館さんについて。
中村屋旅館さんは古いものを長く使う、流行りの”サスティナブル”をかなり前から実践していると推察。
敷布団に綻びがあったのですが、手縫いで繕ってありました。ボロいから嫌と思われる方もいらっしゃるかもですが、私は違います。
私の母親も、昔は靴下に穴が開いたら手縫いで直していたと言っていたし、使い捨てが当たり前の現在、見習うべきことかもしれない。
料理もしかり。飾りにプラスティックのものは一切なし。全て自然のものを利用。これが一番贅沢なのかもしれません。そしておいしいし、美しい。
女将さんは常に丁寧で、親切に接して下さり、息子さんは食事の際に少し話しただけでしたが、誠実な方だとすぐわかりました。その誠実さが料理に表れていましたね。

一泊2食13200円(税込)/1人泊。Wi-Fiなし。

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