妊娠ハウツーから胎児の不思議まで。出産に向けて読んだ本まとめ
ついに臨月が迫ってきました。10ヶ月って本当にあっという間!
地獄の妊娠初期を終え、体も心も安定した妊娠中期。食べすぎて太りすぎて主治医に注意されたり、引っ越しをしたり、夫婦喧嘩をしたり、夫とのデートを満喫したり、胎動に感動したり。思い返すと10か月でたくさんの変化があって、このままもう少し妊婦続けてもいいかな?なんて思う余裕も生まれはじめた今日このごろ。(平和だぁ)
とはいえ、妊娠初期はほんとに地獄だった。「これ食べてもいいかな?」と思ってググると、やれ「流産の危険」だの「ダウン症の可能性」だの、過剰にびびらせるタイトルがずらり出てくるのだ。まじであれ、やめた方がいいです。不安な人をもっと不安にさせる、そんな仕事をしてて本当にそれでいいの?私は妊婦である前にライターでありWEB編集者なので、同業者としてその仕事ぶりに心底腹が立ちました。
ということで精神的に参っていた時期、WEB記事に頼るのは一切やめた。そんなとき、欲しい情報と癒しをくれたのは本。なので妊娠中にお世話になった本をご紹介します!(※妊娠してない方にもおすすめしたい本が半分以上、含まれています)
こころの処方箋(著:河合隼雄)
いきなり妊娠に直接関係ない本だけど、臨床心理学者でユング派心理学の第一人者である河合隼雄さんのコラム集。心にやさしく読みやすく、疲弊やネガティブを包み込んでくれる、まさに読むセラピー。つらいとき、まじで癒されました。
心が弱ってるときって、限りなく読みやすくて絶対に傷つかない本が必要。本棚に入っているだけで、なんだか勇気が出るんです。55の目次だけ載せておきますんで、3つくらい気になるのがある方は絶対に買った方がいいと思う(キリリ)。
妊娠中は肉を食べなさい(著:椎野まりこ)
初期にかなり助けられた一冊。妊婦に必要な栄養素や肉を食べた方がいい理由、調理方法などが分かりやすく楽しく書かれている。妊娠初期に切迫流産になってしまった際、ここに掲載されているボーンブロススープを夫がコトコト作ってくれたのは良い思い出。
胎児のはなし(著:最相葉月)
最相葉月さんの「セラピスト」を以前読んでから、「ノンフィクションといえばこの人!」リスト入りしていて。そんな最相さんが、専門家との対談をもとに「胎児のはなし」を掘り下げた一冊ということで購入。
せっかくお腹に命が宿っているから、その神秘について知りたい。今だからこそ感じられることを感じ取りたい。お腹に対して日々募る好奇心が満たされた、まさに「今でしょ」な一冊。(ちなみに一番衝撃だったのは、胎児を介して父親のDNAが母親に入っているという話。夫婦が似るってそういうこと?!)
ちなみにちょっと話題になった『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』は私には合わず、がっつりスピリチュアルはダメなんだと悟ったため、科学的根拠ありの神秘話をライトに紹介する本書はちょうどよかった。
俺だって子供だ!(著:宮藤官九郎)
脚本家でおなじみのクドカンこと宮藤官九郎さん。クドカンさんのドラマはかねてより大好きで、そんなクドカンさんが子育てエッセイを出していると知り、しかもタイトルに猛烈な“らしさ”を感じ、即購入。(中古しか手に入らなかった…)
エッセイは「俺は子供が嫌いだ」からはじまるという、子育て本にはあるまじきはじまり。子育て辛いなぁ、という想いも隠すことなく綴られながら、子どもに対する視点がやっぱり面白くてさすがと思う。
実はこの本を買ったのは、ただ癒やされたいだけじゃなくて文章を書く人間として子育てをどう見るか、面白がるか、を学びたいという下心があったのだけど、見事その下心は満たされました。子育てを通して、書く人間としても成長したい。
俺が親ならこう育てるね(著:ひろゆき)
過激な発言が度々世間を賑わせるひろゆきさん。その歯に衣着せぬ物言いと炎上上等な態度で、周りにはひろゆきさん大嫌いな人もいるのだけれど、私はわりと好きで、本が出たら5割くらい買ってしまう。(非常に読みやすいのもポイント)
とはいえ妊娠中にひろゆきさんの本はちょっときついだろうと、しばらく読んでいなかったのだけれど、ひろゆきさん✕子育ては完全に唯一無二だと即ポチ。そしてもちろん変化球がじゃんじゃん飛んでくるけれど、ずっと日本で暮らす私には思いつきもしないことが満載で、終始「はぁ~なるほど!」「その手があったか」と刺激的だった。
私は視野が狭い人間なので、無意識に子どもの可能性を狭めることやっちゃいそうだなぁ、やだなぁと思っていて。同じ不安がある方には特におすすめだし、普通に人材育成にも役立ちそうな一冊。
ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋(著:狩野さやか)
これは夫婦の課題図書として買った本。はじめてママ/パパになるふたりのすれ違いポイントや、お互いの気持ち、戸惑いなどを知ることで、イライラや喧嘩を最小限に抑えられればと。この「お互い」というのが大事だと思うし、出産前に気を付けることが分かるだけで心構えができました。
はじめてママ&パパの妊娠・出産(監修:安達 知子 /編集:主婦の友社 )
今の今までずーっと役立てている本。(というか雑誌?)妊娠・出産についてはこの一冊と、無料で届くゼクシィbaby『妊婦のための本』で十分。お金のことから毎月のやることや状態、リスクなど網羅的に書かれているので安心。時期ごとのパパの役割がミニコラム的にちんまりと書かれているので、夫に負担をかけすぎず見せられる(重要)のもメリット。
子育てしながらフリーランス(著:カワグチマサミ)
子育て×フリーランス本が意外となくて、藁にもすがるつもりで手に取った本。漫画が多くて読みやすいし、産後の仕事への不安が解消されました。最初は国の制度に怒っていたけれど、フリーランスだからこそできる子育て×働き方があるのはメリットだと思い至ることができた。著者のカワグチマサミさんが完璧主義だったりストイックじゃないところも良かった。
家族シアター(著:辻村深月)
妊娠出産関係ないけど、「家族」をテーマにした短編小説集。もともと短編小説があまり好きじゃないのに、辻村深月さんのだけは毎回心を震わせながら読んでしまう辻村ファンなんですが、中でも『家族シアター』が一番好き。べたな「家族っていいな」じゃなくて、煩わしさも含めてラスト心がほんのりと暖かくなる、ワールド全開な一冊。どうしてこの人の本は、こんなにも人間への愛に溢れているんだろうか。
子が産まれる前に読んだことで、育児でどんなに自分や子を嫌いになりかけても、それも含めていつか物語になる、していけるのだと思えて、全話につき少しずつ泣いた。
これから読む本
まだ読んではないけれど、購入済みの3冊を最後に。
子どもへのまなざし(著:佐々木正美)
最近子どもが20歳を迎えたという、尊敬する女性からおすすめされた本。尊敬している方のおすすめは、無条件に買うのがモットーです。
赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ(著:ハーヴェイ・カープ/翻訳:土屋京子)
宮藤官九郎さんのエッセイに登場した一冊。めちゃくちゃ効くらしいので今のうちに。
大きくなる日(著:佐川光晴)
誰かのブログだかTwitterだかで「リアルな子どもの目線が、成長に沿って描写されている」と紹介されていたのを見て、購入。言葉が未熟な子どもの感情をちゃんと拾い上げられる親になりたい。
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