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ワンオペ育児×管理職を両立するHさんの場合【母親インタビュー #1】

新連載はじめます!

世の中の「母親」に、母・妻・娘・ビジネスマンの4つの顔についてお話を聞く企画、題して
「母親インタビュー」
(誰かキャッチーな連載名を考えてください...)

第1回目となる母親は、友だちのA.Hさん(30代/一歳児の母)。

A.Hさん(30代/一歳児の母)

彼女は前職の同僚で、かれこれ5年?くらいの付き合い。同い年で、子ども同士も同い年というかなり心強いママ友なので、第1回目の練習台もかねてお願いしたところ、快く引き受けてくれました^^

いつもエネルギッシュで笑顔の絶えない彼女ですが、出産後、さらにパワーアップしたように見えます。もっと驚きなのは、産後、仕事の責任が増しており、旦那さんは単身赴任でいないこと。どこから元気が湧いてくるの?

というわけで早速はじめましょう!


母親として/娘時代の記憶


ー「母親」になってもうすぐ2年だね。こんな母親になりたいとかあった?

H 自分の母親が友だちっぽく接してくれてたから、私もそうなりたいってずっと思ってた。自主性を大事にしてくれてたんだよね。すごい寛大な人で、怒るとか怒鳴るとか一切なかった。だから私も怒るとか押さえつけるとかは絶対にしたくないって思ってるかな。

ー全然怒られなかったの?それ凄いね。私たちの時代では珍しい気がする。

H そう。理不尽だとか納得できないって記憶が全然なくて。そのおかげか、高校生くらいまで人にむかつくって思ったことがなかった。

ーえ?そうなの?むかつく先生とかもいなかった?

H いなかった。この人はこういう人なんだって思ってた。母親の影響か元々の性格かは分からないけど、人に合わせるのが苦じゃなかったんだよね。大人になってむかつくことは増えたけど(笑)。

ーそれ凄いなぁ。自主性を尊重するって大事だなって思えるね。子どもを産んでから、理想の母親像は変わったりした?

H 変わってない!しいて言えば、私は学歴も重視したいタイプだから、のびのび育てたい気持ちと勉強させたい気持ちの葛藤があるかな。親は勉強しなさいって一切言わなかったけど、それは私にはできない気がする(笑)。

ー勉強しなさいとも言われなかったんだ!凄すぎる。それなのにちゃんと勉強してたの偉いね。

H 言われなさ過ぎて逆に危機感感じたんだよね(笑)。周りの友だちは逆に勉強しなさいって親から言われてる子ばっかりだったから、周りの影響もあるかも。

ーサボる友だちが周りにいたら勉強しなかった?

H しなかったと思う(笑)。

ー「勉強しなくていいよ」スタイルは、ちょっと賭けかもしれないね。今一番大変なことってある?

H 仕事と子育ての両立かな。本当はもっと仕事をしたい気持ちもありつつ、子どもとの時間を大事にしたい。常にこの葛藤があるかも。今17時半にお迎えに行ってるんだけど、一番最後なことが多くて申し訳ないなって思う。子どもはしょっちゅう体調を崩すから、仕事関係の人に迷惑をかけてしまうことも心苦しい。

ビジネスマンとして


ー今、仕事はどんな感じなの?

H 出産前まではマーケティング担当だったんだけど、出産後はマネージャーになったんだよね。チームの全体管理。ほぼフルリモートでマネージャーしてる。

ー産後マネージャーになるって珍しいね。育休明けって簡単な仕事になるパターンが多い気がするけど、昇進して責任が増えてる。

H 上司が出産後もキャリアを下げない方針なのと、組織のいろんな都合が重なってマネージャーになった感じかな。 

ーどんな感じで育児と両立してる?

H 朝、娘を保育園に預けて、8時半〜17時半まで仕事。17時半になったらすべての仕事を放り投げてお迎えに行って、夜の寝かしつけが終わって21時〜23時まで仕事。これが毎日のルーチンになってる。自分が動くというより人に動いてもらうために働きかける役割だから、中抜けできるのは大きいよね。

ーなるほど。マネージャーって意外とママさんに合ってるのかもしれないね。

H 合ってると思う。会議と連絡だらけだから、仕事とプライベートを分けたい人にとっては苦痛かもしれないけど、育児の合間で返信したり、寝かしつけが終わってから作業できるから、私はむしろ両立しやすくて助かってる。

ーとはいえ責任があるポジションだから大変なこともあると思うんだけど、育児と両立するために心掛けてることってある?

H どうしても時間に制限があるから、めちゃくちゃ効率的に働くようになったかも。これまでは時間が足りなければ残業してたけど、今はいらないものをスパッと切り捨てられるようになった。集中してるから決断が早いよね。人間、やれば捌けるんだよ(笑)。時間がないなんてことは決してない。

ー名言だなぁ。仕事は楽しい?

H 楽しい!担当してるサービスが子育て世代をターゲットにしてるから、ちょうど今の自分にドンピシャで。子育てしながら仕事のヒントを得られるんだよね。私が欲しいものはユーザーも絶対欲しいって思えるし、アイディアを数字で検証するのは私の得意分野だから、合ってるなって思う。

ーまさに適材適所!自分の時間はとれてる?

H 娘を寝かしつけてる間、自分が寝ないようにプロジェクターで30分くらいNetflix見てる(笑)。これが唯一のたのしみかな。

ー自分時間30分かぁ。頑張ってるよねぇ(しみじみ)。

H 今とりあえずこのルーチンでうまく回ってるから、逆に旦那が帰ってきてからがちょっと怖いかも。コミュニケーションの時間が増えたら、ルーチンが崩れちゃう(笑)。

妻として


ー旦那さんは単身赴任中だよね。ちょこちょこ帰って来てる?関係性はどう?

H 3か月に一度くらい帰ってきてるかな。あんまり会わないからかもしれないけど、仲は前よりよくなってるかも。娘という共通の話題もできたし。

ー旦那さんは子どもができて変わった?

H だいぶ変わったと思う。未来について考えてくれるようになった。これまでは私からばっかり未来の話をしてたのが不満だったけど、今は「貯金どうする?」とか聞いてくるようになった。

ー自発的に未来のことを考えてくれるとうれしいよね。

H 単身赴任で人生初の一人暮らしをして、ちょっとしたことに気付けるようになったのかもしれない。旅行に行ってもちゃんと楽しめるようにもなった。

ー今まではあんまり楽しめなかったの?

H ラーメン食べたいばっかり言うし、観光地行ったら歩くの疲れるって言うし、一緒に楽しめなかったんだよね。だけど今は家族に合わせてくれるようになった。自分中心に回ってた世界で、家族というものを認識し始めてる感じかも。

ーオラウータンの生態系みたいな言い方だな(笑)。Hさんに対してはどう?変わった?

H ホテルランチに付き合ってくれるようになった!前はホテルランチは緊張するから嫌だって断られてたからね。あと愛情表現してくれるようになったかも。めっちゃ好きって言ってくる(笑)。

ーええ!それ凄い!離れてみて感謝が芽生えたのかもね。

H 離れた影響は大きいかも。今はひとりだから寂しいって感情があるのかもね。

ー帰ってきたらどんな父親になって欲しい?

H まずは子どものために動いて欲しいかな(笑)。家事も折半で。一番大事なのは、食事の時間に一緒に座ること!これがね、ほんとにできない人だったんだよ。ウロウロしながらお酒飲んで、椅子に座らないの。今から口酸っぱく言ってるから、帰ってきたらちゃんとやってくれると信じてる(笑)。

ーそれはぜひ実現して欲しいね(笑)。長い目でみたらどう?どんな父親になって欲しい?

H 威厳のある父親になってほしい!

ー意外!そうなんだ。

H 今のままだと私が威厳のある親になってしまうから、うるさい女になるのは避けたい(笑)。お友だち親子を目指したいし、だから旦那に頑張ってもらわないと。

ーそうだった。たしかに威厳ポジションは孤独だしね。

H そうそう。だから旦那が怒る担当(笑)。細かいところは私がすべて判断したいんだけど、大きなことは最終的には父親が決めるっていうのが理想かなぁ。

ーなるほどね。じゃあ夫としてはどう?どんな男でいて欲しい?

H 理想は、私をずっと大切にする夫!記念日に素敵なレストランを予約して欲しいとまでは言わないから、せめて私が予約するレストランについてきて欲しい。そして、その日はふたりだけで祝うってことを大事にして欲しい。

ーなるほど。記念日を大事にしたい気持ちを尊重して欲しい。

H そうそう。たった年1回、記念日に時間を作るだけで、喧嘩してもう無理って思っても踏みとどまれるじゃん。それって超大事なことだと思う。将来、子どもが巣立った後も仲良くするためには、そういう小さな努力の積み重ねが必要だと思うんだよね。

ーそうかも。めっちゃいいこと言ってる。

H コミュニケーションはまじで超大事だよね。むかつくこともいっぱいあるし、嫌いって思うこともあるけど、だけどふたりで決めて結婚したわけだから。価値観が違うって分かってて結婚したんだから、価値観のすり合わせは随時やらなきゃなって思う。今後、新規で恋愛することはないんだから、旦那と良好な関係を築いていくには努力が絶対に必要だよね。自分が楽しく生きるためにも。

ーほんとにそうだね。価値観のすり合わせ以外にも、努力してることってあったりする?

H 自己暗示!”私はこの人のことが好き”(笑)。

ー素晴らしい(笑)!

今の自分について


ー楽しそうだけど、ワンオペ育児と管理職の両立ってなかなかの負担だよね。両立する上でモチベーションにしてることってあるの?

H 推し活!今Number_iの平野紫耀にハマって毎日見てる(笑)。結婚すると旦那以外に恋愛対象を持っちゃいけないじゃん。でも女性であり続けるために、キュンは絶対に必要だと思うわけ。

ー推し活大事だよね~。今の自分は好き?

H 好き。自分のためだけじゃなくて、誰かのために生きるっていうのが私には合ってるなって思う。超大変だけど、子どもの寝顔を見たら頑張ろうって思えるんだよね。前は疲れたら辞めたいって思ってたけど、もうひと踏ん張りできるっていうか。

ー母は強しだね。

H うん。ほんとに。あと、他人に対して寛容になれたかも。子どもっていう予測できない生き物を育ててると、他人に対しても「この人はこういう考え方なんだ」「どういう言葉をかけたり、どのタイミングで話しかけたら動いてもらえるかな」って考えて行動ができるようになった。

ーまさにマネジメント!

H そう!子育てなんてイレギュラーの連続だし、なんでこんなことするの?って思うことも多いけど、その経験は絶対に仕事にも活きてくるなって思う。世代の違う子と接する機会にもなるしね。

ーめちゃくちゃいい感じで締まったね。ありがとうございました!


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