「はじめて」詩集を買った
本はとても好きだけれど、詩集に手を出したことはなかった。
詩集はさらに一歩より文学的で手の出しにくいもののように思っていたから。友人がある日電車で自然に詩集(中原中也だったと思う)を読んでいて驚いた。
そんなわたしのはじめての詩集デビューは、
与謝野晶子『みだれ髪』、俵万智が超訳、中村佑介が装丁。
書店で平積みになっていると、勢いよく目に飛び込んできた。
パワフルな表紙だった。
なんだか中村佑介さんと和テイストとの相性の良さを感じる。
もともと、与謝野晶子が「みだれ髪」を世に送り出したのは、1901年。100年以上前。まだまだ女性の立場が低く、妻はつつましく、家庭を守るものとして扱われていた時代に、とても衝撃を与えた作品であることはよく知っていた。
が、実際に読むと、たしかに…となる。
とても素直に感情が書かれていてわかりやすいけれど、きっと当時のひとにとってはセンセーショナルだったろう。
この作品は今年出版されたものだけれど、実際には1998年に出された『チョコレート語訳 みだれ髪』を新装したもののようだから、もしかしたら有名なものなのかもしれない。でもわたしははじめまして。
カバーをはずしてもかわいい
この作品のなにがいいって、それはもうそれは、俵万智!!!!
サラダ記念日(サラダ記念日は本日、7/6!)だとか、チョコレート革命だとか、作品は知っていたけれど、はじめて触れた俵万智。
もう、俵万智すごい。
いまの21歳のわたしにどーんと届くように綴る言葉たちが、与謝野晶子の勢いだけじゃないのだ。与謝野晶子×俵万智の思いが届くように、言葉が選ばれていて、本当にすごい。つよすぎる詩人二人ぶん以上のものが届いてくる。
伝わるものが多すぎて、ひとときに味わえるのは5句くらいまでだ。満腹になってしまう。
1962年生まれの俵万智さん。いまもう55歳⁈若々しすぎる感性に脱帽するばかり。
たとえば、
みだれ髪を京の島田にかへし朝ふしてゐませの君ゆりおこす が
朝シャンにブローした髪を見せたくて寝ぼけまなこの君ゆりおこす
とかわるのだ。朝シャン?ここで朝シャンか、と。
島田というのは、未婚の女性が結う髪型の一つらしい。この身支度を整えたことを朝シャンと言うのか…
この一冊は、とくに20代くらいのどんどん恋をしている女の子によんでほしい。男の子でも。と最初は思っていた。けれど、「みだれ髪」のなかの俳句はすべて与謝野晶子が夫の与謝野鉄幹に向けた恋の思いを生涯を通して伝えたものだ、と知って、きっとこの一冊はだれでも届くものがあるのだと思った。
毎晩一句ずつ味わえば、ああ恋がしたい!という気持ちや、共感があふれてくること間違いなしだとおもう。
じっくり恋をあじわいましょ。
平成最後の夏。
明治に思いを馳せながら次の○○を迎えましょ。
恋の夏ですから。
何も持たぬわたしですが、全力であなたのサポートを活かした「なにか」をします!いまはわたしが沢山の知識と文化とアイデアと記憶を吸収するために使います!