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乾杯

次男が20歳になった。

12月生まれは遅めの誕生日で先に同級生たちが20歳になっていく。20歳は節目の年だから、いつもの誕生日よりも待ち遠しかったようだ。

真面目なところがある次男は、友人たちがお酒を飲むようになっても自分は飲まずに通していた。友達が泊まるときに持ってきたお酒にもまだ手をつけずに部屋に置いてあるらしい。20歳になったから、近々飲んでみるのを楽しみにしている。

誕生日の前日から帰宅していたので、日付が変わって誕生日を迎えた時に二人でお酒を飲んでみることにした。

お酒がどのくらい飲めるかわからないので実験するという意味もある。いきなり友達と飲んで、泥酔したら大変だから、安心な実家でお試ししてみるというわけだ。

我が家では、私は結構飲む方で、夫は少し飲んだだけで真っ赤になってしまうタイプ。だから、どちらに似るかで全然違ってくるはずだ。長男は夫よりは飲めるけれど、あまり強くはない。

ビール、シードル、ワイン、ホットワインがあったので、どれにするか次男に選んでもらって、シードルをあけることにした。アルコール度数が低いから、初めて飲むのにはちょうどいいかもしれない。

とっておきのグラスを飾り棚から出して、乾杯。

もう大人なんだね、おめでとう。

飲みながら、スマホをいじっている。友達から誕生日のお祝いのメッセージが入っているようで、ニヤニヤ笑顔が隠し切れない。

思ったことをはっきり言うので、これまで次男は友達と喧嘩することも多かった。自分の考えを言えるのが彼の長所なのは間違いないけれど、誰かと衝突するのを見るたびにハラハラしてきた。
でも、喧嘩しながらも、誕生日にメッセージをくれるような友人関係を築いてきていることがわかって嬉しかった。2人で飲んでいるのにスマホにくぎ付けなのはちょっといただけないが、誕生日コメントだから大目に見よう。

500mlのシードルはあっという間に空になったので、ホットワインを一杯ずつ飲んだ。飲み終わるころになったら次男の眼のまわりがぽわんと赤くなっている。見慣れない姿。

フラフラしたり気持ち悪かったりしないか聞いてみたら、大丈夫ということだった。酒豪ではなさそうだけど、極端にアルコールに弱いということもなさそう。

今の状況でなければ、20歳の初飲みは友達と賑やかに居酒屋あたりに行っていたのかもしれない。期せずして、次男の初飲みにお付き合いできて光栄だ。私には、とても嬉しい時間になった。

これから、大人としての歩みもそっと見守っていこう。


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