セントラル・パーク
中央公園だ。
かっこよく言ってみた。
月に一度行くクリニックが移転し、駅からだいぶ歩かないと行けなくなった。
その際にセントラル・パーク=中央公園の横を通る。
午前中の雨もあがり、お散歩気分で歩いていると、クチナシの花の香りがした。(こんばんは。渡哲也です)
いや?
今はクチナシの季節ではないぞ?
歩き進めると、それは木の香りであり、葉っぱの匂いでもあり、落ち葉が発酵した匂いであることに気がついた。
雨あがりだったから、より一層その香り、匂いが混ざり合って、さながら森林浴をしているようだった。
公園の中で、木々の写真を撮っている人がいて、私も真似して撮ってみた。
深呼吸しながら公園の横を通り過ぎる。
クリニックが遠くなったのも、まんざら悪いことばかりではないな。
公園を通り過ぎたところで、おっきなカートに乗せられたちびっ子軍団とすれ違う。
ひとカートに5、6人乗っている。
お揃いの色つき帽子をかぶって、ワヤワヤなんか騒いでる。
カートごとに先生が1人〜2人ついていて、ウンショと押している。
お!ホークスのユニフォームを着ている子がいるぞ!
ちっちゃいユニフォーム、なんて可愛いんだ。
ん!しかも背番号23。SHUTOの文字。
テンション爆上がり。
ご両親のどちらかが周東佑京のファンなのかな。気が合いそうだ。
あ、もしかしてこの子の名前がシュート君なのかも!
そんなことを勝手に思い、先へ進む。
住宅街へ入る。
この辺りは大きな家が多い。
昔は武家屋敷がたくさんあった地域らしい。
木の家、コンクリート、レンガ造りの家もある。3匹のこぶたみたい。
さすがに藁葺きの家はなかったけど。
どの家も門構えが立派で、もれなくSECOMのシールが貼ってある。
こんな邸宅に住んでみたいものだなぁ。
いや広過ぎて持て余す。
うちの猫は走り回れるから喜ぶかなぁ。思いっきり走らせてやりたい。
迷子になって探しまわらないといけないかも。それはそれで困るなぁ。
妄想している間にクリニックが入っているビルについた。
待合室でひと息ついていると、すぐに「どうぞ〜」と案内された。
「さぁて。調子はどうでしたかぁ?」
先生がカルテに落としていた目をこちらへ向ける。
「はい、特に変わったことはなかったのですが。あ、そう言えば……」
来月はどんな香りが楽しめるかな。
紅葉も進んでいるかも知れないな。