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【ネタバレあり】HUNTER×HUNTER大好き人間による38巻感想&考察

随分久しぶりの投稿になってしまいました。知り合いが、「創作は鬱と才能の圧搾の結果出来るもの」と言っていたけれど、本当に酷い鬱のときは芸術の出力にすら気持ちが向かないらしい。

ともかく、色々ありましたが元気です。元気になった今発信したいこと、それは、HUNTER×HUNTERへの溢れんばかりの愛、愛、アイ……!
連載年代を考えると本来ドンピシャ世代ではないはずのわたしですが、今のわたしがあるのはHUNTER×HUNTERに出会えたからこそ。と断言しても全く過言ではありません。

アニメのEDを担当したFear,and Loathing in Las Vegasというバンドに出会い、それまでヒットチャートに載るJ-POPしか知らなかった私がバンドの沼にずぶずぶとのめりこんでいったのも。
普通なら見逃すような小さな一コマがきっかけでTrevor Brownという画家に出会い、実際に絵を買うほどファンを続け、またそこからアーバンギャルドを知り、少女趣味に目覚めたのも。
全ての原点はHUNTER×HUNTERにあり、私はHUNTER×HUNTERとともに人生を歩んできたのです…!(本当に過言ではない)

そんな、HUNTER×HUNTERを語り出したら止まらず友人に鬱陶しがられるほどの私が久しぶりのnoteを更新している理由、それが《38巻の発売》であり、これにより《幻影旅団及びヨークシンシティ編の再解釈》が可能になったからなのです。

なにを隠そう私は10年来の幻影旅団箱推しオタク。ヒンリギと推し被りだったことが判明しました。
というわけで、この記事内では主に38巻の内容から深められる幻影旅団の考察と、その他継承戦で気になっていることを語っていこうと思います。

幻影旅団の過去から見えたこと

特にキメラアント編で顕著ですが、キャラを動かすうえで善悪の区別を曖昧にし(というか善悪とは何かを読者に考えさせ)、敵キャラといえど憎みきれない、という型に落とし込まれるのに毎度圧倒させられるのですが、今回幻影旅団の過去が明らかになったことで、主人公サイド(クラピカ)に疑いの目を向けることになってしまいましたね。

シーラに関してはまだまだ謎

クルタ族虐殺に関し、0巻で出てきたシーラが黒幕では、という説は前々から言われていましたが、事はそう単純でもなさそう。初期メンバーが「クロロに着いていく」という意志と結束を見せるシーンをバックに、シーラは複雑な表情でその場をあとにしています。
0巻登場時と同様常に『ディノ・ハンター』を持ち歩き「絶対これだけでハンターになる」と言っていた幼少期のシーラ。サラサの復讐のためとはいえ、ハンターになる夢を捨てきれなかったのか…ただ、サラサと常に一緒に行動していて特に仲が良いようにも見えたので、そんなに諦めがいいかな?自分の夢と天秤にかけられるものなのかな?という疑問も。
さらに0巻ではクルタ族の集落で、クラピカとパイロに、あんなにもずっと持ち歩いていた『ディノ・ハンター』を渡してしまっているし…シーラについては続きを待つしかないと思います。情報がまだ少なすぎる。

クロロについて(他の考察チャンネルさんより引用あり)

クロロに関しては、こちらも前々から二重人格説がささやかれていました。ネオンといるときのキャラが違いすぎる、と。これに関してはこちらのチャンネルの考察が個人的に一番しっくりきています。

さらに付け加えると、英語圏でのクロロの綴りは”Chrollo Lucilfer”。ルシルフルという呼び名の形式状 L の文字は入ってますが、殆ど「ルシファー」なんですよね。
また、本誌先読み派の人たちが旅団の過去を知った際、「『旅団』って言葉の定義からいくと全然違うじゃんって思ってた」「英語圏で幻影旅団が”Phantom Troupe”って表現されてたのってそういうことだったのか」の声が上がっていました。Troupeは直訳すると「劇団」。つまり英語で読んでいれば、やってることはともあれ幻影旅団は「劇団」として呼ばれていたということ。これは正直盲点でした。今後も場合によってはアナグラムや英語名が大事なキャラが出てきそうなので、注意していきたいです。

各旅団メンバーについて

ここからは各個人ごとに。まず念能力に言及したいのが、マチとパクノダ。

マチはサラサが殺されたあとエンバーミングという技術(念能力)で見た目を復元したレンコという能力者にエンバーミングをできるようになりたいと言います。ここから、マチの糸を扱う能力はエンバーミング(≒死相を綺麗にすること)が原点になっていると考えられます。
そこで思い出すのがクロロvsヒソカ戦。死んだヒソカに対しマチは能力を使って遺体の修復をしようとします。マチの念糸とヒソカの死後の念が重なったことでヒソカが蘇ったわけですが、その後ヒソカは旅団全員の殺害を示唆、実際にその直後コルトピとシャルナークを殺害(ここトラウマになった人多いのでは…)。
つまり、マチとしては「自分が念を学ぶきっかけになった体験と重ね合わせて」「善意から」ヒソカに処置をしたわけですが、その後のヒソカの行動を考えると、ブチギレなんかでは済まないわけです!!!!!実際クロロに「ヒソカは自分に殺させてくれ」と直談判しています。
…そりゃそうだ!!!!!!!!!!!
過去が明らかになったことで、ヒソカに対するマチの怒りと心痛がどれほどのものかがよくわかりました……ここに言及している人があまりいない印象だったので大声で言いたい。
マチは本当にいいやつ。ヒソカは恩を仇で返すどころじゃないくらいヤバいことをした。ヒソカに制裁を!!!!!!!

パクノダの念能力に関しては、単行本397話と398話の間にめちゃめちゃ大事な挿話がありました。
パクノダは、「一番大事な人には”触れない”」という制約と誓約を設けていた。「一番大事な人」は言わずもがなクロロでしょう…。
クラピカの絶対時間の制約が直接寿命を削るような重いものであるため念能力の制約で考えると軽い気もしますが、これはどちらかというと覚悟、誓約の面で相当重いものだと思います。
これを踏まえてヨークシンシティ編を見返すと、人質交換の際に何も語らず、目も合わせずすれ違った二人と、メモリーボムに込められた「願いや思いの全て」の見え方が変わったように思います。。。

幼少期のウボォーギンの立ち位置やクロロへの心情の変化などと合わせて、旅団の過去を知ると「どうしてヨークシンで死んだのがウボォーとパクだったのか」と頭を抱えたくなります。クラピカからしたら復讐なわけで、因果応報ではあるのかもしれないし、当時もそれを当たり前と思って受け止めていましたが、こうなってくるとさすがに気持ちが揺らぎます。冨樫先生、本当に憎いことをしてくれる……

あと個人的に言及しておきたいのがシャルナークとフランクリン。
シャルに関しては、性格面の「詰めの甘さ」が随所で表されているなと、ヨークシン編、過去編通じて感じました。

旅団の頭脳派でしっかりと計算をして動くタイプ…のわりに、
・心配してはいても(ウボォーの希望を汲んでとはいえ)一人で戦いに行かせた(「俺もついていけばよかった」発言)
・「サラサの共同集落はすぐそこだから大丈夫だよ」発言
・自分の念能力の肝である携帯を(アンテナ無いとはいえ)BW乗船まで団長に貸しっぱなしにするつもりだった

など、大事なところで大雑把なところが全体的に裏目に出ているな…と思いました。
で、操作系ってヒソカの性格診断だともうちょい神経質な感じだったよな…と思って、冨樫義博展で公開された念の設定資料集を見返してみました。
すると、シャルナーク、まあまあ放出系寄りのところにおる!!!!
ヒソヒソの性格診断によると、放出系は「短気で大雑把」。念による性格診断(ヒソカ調べ)はやっぱり結構当たっている気がしました。

そして最後にフランクリン。フランクリンってグッズとかでも端の方にいるし(そもそもグッズにならないし)あんまり人気のあるイメージはないのですが、当方、箱推しを極めた結果フランクリン信奉者となりました。旅団が分裂せず絶妙なバランスを保てるよう支えているキーマンって、実はフランクリンなのでは?と。

そう思った根拠がいくつかあります。
まず一つめ、フランクリンだけがパワー面も含めて完全に暴君ウボォーギンに抗えていて、周囲の人間の利のために動いていたこと。旅団結成前は、フィンクス・フェイタン組vsウボォーギン・マチ組vsその他 みたいな構図になってましたが、その中でもガチでウボォーとタイマン張ってたのはフランクリンだけでした(まあ体格的にはそうだろうけど…)。
そして個人的にタイマン時の台詞がとても印象に残っていて、
流星街こんなトコでまで領土とか言ってる馬鹿野郎」と煽るフランクリンと、「自分で勝手に縛りこいてるバカはどっちだ!?」と返すウボォーギン。重視するのは調和か、個か。二人の考え方の違いが如実に表れているなあと思いました。
二つめ、ヨークシンシティ編でウボォーギンが殺され、旅団としての復讐を相当な怒りをもって進言するノブナガがクロロに向けてキレた際、小さく、フランクリンの怒った顔のコマが挟まっていたこと。「いい加減にしねえか」とも言ってましたね。最初は気にならなかったのですが、過去編を読んで彼の優しさと包容力、調和を重んじる姿に触れてから、フランクリンは常に人一倍「旅団としてどう動くべきか」を考えているのではないかと思いました。縁の下の力持ちというか…ヨークシンを読み直して、旅団にとってかなり大切な存在なのでは!?と思いましたね。
最後に、カキンマフィアの偉い人に向けて「売らなきゃ買わない」と堂々と宣言していたこと。
一方、仲悪そうにしながら特攻しているノブナガ・フィンクス・フェイタンはこの考えではなさそう。常に好戦的(オレらがればよくね?みたいな)だし、ノブナガに至っては敵への感情移入が半端ないし(そこも彼の良さだろうけど)。
どうせ向こうからくるだろうからと、ヒソカ捜索のために動く必要はないと考えて中央食道のデカいソファで一人黙々と小さな乾パンをつまんでいるフランクリンの安心感と堂々とした態度たるや…!そこにシビれるあこがれるゥゥウ~~~~~~~!
個人的に、フランクリンの良さをもっと知ってほしい気持ちと密かに応援したい気持ちがせめぎあっています…フランクリンは良いぞォ…

旅団以外で継承戦に関して気になっていること

と、旅団の過去から主にメンバーに関して掘ってきました。
たぶんまだまだ言い足りていないことはあって(流星街の掟のこととか)、それはまた思いついたら書きます…(まずはこの記事がHUNTER×HUNTERを愛する皆様に届きますように)

最後に幻影旅団からは離れて、王位継承戦に関して気になっていることや今後の動向が気になることをざっと書いておきます。
各王子のプロフィールなど基本的なことは別途考察サイトや考察チャンネルを参照していただけたらと思います。あくまで個人的に抱いている疑問解釈や今後の予測を。

カキンマフィアの組長とケツモチ王子の関係って…

シュ=ウ、エイ=イ、シャ=アとなんとも趣深い名前を持つカキン三大マフィアですが、ケツモチと組長を整理するとこんな感じ。

シュ=ウ:チョウライ(第3王子)、オニオール=ロンポウ
エイ=イ:ツェリードニヒ(第4王子)、モレナ=プルード
シャ=ア:ルズールス(第7王子)、ブロッコ=リー

ここで、大方の考察チャンネルでは解説がなかったのですが、大事なことが大きく二点。

一点目は、シュ=ウとシャ=アの組長はそれぞれナスビー=ホイコーロの異母兄弟だということ。二線者のため継承戦には参加しなかったものの、年齢的にはナスビー国王と同じくらいのはず。一方モレナはナスビー=ホイコーロと愛人の娘です。つまり、他のマフィアの組長と世代が一つ分ずれているということになります。
さらに、オニオール、ブロッコ、第4王子私設兵等の会話から、

・エイ=イの組長(モレナ)の襲名は最近行われた
・モレナの襲名は「掟やぶり」だった
・モレナ襲名の際に「虐殺」が行われた
・(おそらく)その際に殺されたのは元々エイ=イ一家に所属していた組員
・モレナ襲名時の虐殺で元々把握していたエイ=イ一家の組員がほぼ全員一掃され、現在のエイ=イ一家の組員はBW号にマフィアではなく一般人として乗船している(これが他の組からしたら非常に厄介)

ということがわかります。現在マフィアは旅団も含めシャ=ア、シュ=ウが総手でエイ=イを潰そうと動いていますが、上記に挙げた点を把握しておくと理解しやすいのではないかと思います。

さらに二点目、これも気付いたときおったまげたのですが、
第3王子チョウライがケツモチをしているシュ=ウ一家組長オニオールに面会した際、「頼んだぞ 父さん」と心の中で言っている描写がある

これってつまりチョウライは正確にはホイコーロの子じゃないってことですよね!?!?!?そう考えて見てみるとブロッコ=リーも髪の毛質とか(なんなら顔も)がルズールスに似ているような…
チョウライもルズールスもホイコーロの子でないのだとすれば、何故王子として迎えられているのか、また継承戦に参加できているのか、婚外子の場合念獣の性質に変化はあるのか…など、気になることがたくさん出てきます。念獣に関しては本当にまだわからないことが多すぎるので、色々と考えながら続きを待つしかなさそうです…

極悪の天才、ツェリードニヒを止められるのは…

38巻で、第4王子ツェリードニヒの私設兵がメインの回がありましたね(394話)。おそらくツェリに対して私情を抱いていた5人(+1層から配置転換になった1人)は王立軍学校の同期で、ツェリードニヒと親しいからこそ彼の様々な暴挙にどう声を掛けていいかわからない様子でした。
個人的な意見ですが、人間を物のように扱い、残虐な仕打ちを与えることで快楽を得ているツェリードニヒが唯一心を動かされるとしたら、この同期メンバーとなんらかの接触をしたときだと思っています。
念の習得速度、念獣のヤバさなど諸々が規格外すぎるツェリードニヒに対して太刀打ちできる未来が見えない、という絶望の声もよく目にしましたが、この同期6人が救いになってくれれば…

ただ、そこで気がかりなのがモレナの「できれば第4王子私設兵を一名こちらに引きこみたい」発言。しかも第4王子の私設兵のリストはモレナに渡っているらしい。
ただでさえヤバいツェリードニヒのすぐ傍にただでさえヤバいモレナの手下が居る状態になったらかなりヤバいのでは…。
第一層から配置転換になったボークが「全力で彼女を回避する」と言っているのも頷けます。

今後の動きは?

現在継承戦内で動きが起こっていてチラ見せされているのは、
・第9王子ハルケンブルグの念獣の能力が徐々にわかりそう
・第2王子カミーラの私設兵による呪詛が次の念講習会で第14王子ワブルに来そう(ヤバい)
・第5王子ツベッパとクラピカが手を組むことになりそう
・第11王子フウゲツにヤバめの霊がたくさん憑いている(原因不明)
・センリツの能力を王子たちが利用したがっているが、そこから守ってくれているはずの司法局(中立・独立)のトップが本当に守ってくれているのか怪しい?操作系能力者かも?
・第1王子ベンジャミン、第3王子チョウライ、第14王子ワブルの念獣の能力がほぼ不明
・第6王子タイソンの愛の力で世界が変わるのか…!?
・モレナのアジトの場所はざっくり把握できたが幻影旅団はどう動くのか

だいたいこんな感じかなーと思っています。
これがまだ疑問として残っているとわかっていれば、連載再開時にもかなり読みやすくなるのでは!と思っています、皆様の健やかでハッピーなHUNTER×HUNTERライフの一助になればなによりです…

幻影旅団やその周辺で、よく言われている36巻表紙とかネオンの占いに関する考察に言及するのを忘れていました泣
ひとまずここまでで蜘蛛への愛を語ることと継承戦の整理は十分にできたかと思うので、続きはまたこんど!

長文お読みいただきありがとうございました~改善点などあればコメントなどいただけると大変励みになります、、、!
今までの記事病んだようなものばかりだったけど、愛の深いものを語るとこれだけ元気にどれだけでも書けるということで…!
必ず最後に愛は勝ちます♥



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