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友達から本気で怒られた事で勉強になった22歳

彼女と私は出会って10年にもなる付き合いで、あの時は出会って6年目の時だった。

私と彼女は高校2年3年と同じクラスの友達で、昼ごはんを二人で食べる程の仲だった。
「お前、ほんまにあいつの友達なんか?」
そう担任から疑われた事があるくらい、私と彼女は違っていた。
彼女は常にクラストップの成績で、吹奏楽部の部長を務め、運動も出来、謙虚で、周りからの信頼がそれはそれはアツイ女の子で、
▶︎▶︎▶︎優等生
私と言えば、常に全教科赤点ギリギリの成績で、運動もそこそこ、ノート提出の前は彼女のノートを写して、喋ってもないのに声がでかいと注意を受ける女の子だった。


私は当時から社交的だとか、コミュ力があるだとか、言われた事が多くあるが、
「人生を通して人と付き合う」という意味を分かっておらず、
特に、友達というのは、"広く浅く付き合うもの"だと思っていた。
ただ、周りが「私たちは親友」だとか「ニコイチ」だとか「双子」とか言っているのを聞いて羨ましかった時があり、
私もそういった"お互いにそう言い合える友達が欲しい"と思った事があった。
それが高校2年生である。

広く浅くしか付き合った事が無い私にとって、深く接するとは具体的にどうすれば良いものか分からなかった。
この欲が先行したのか、
それとも、彼女とは広く浅い関係で終わりたく無い、と思ったのが後発なのか、
そんな事は忘れた。
ただ、確かに覚えているのは、
"この彼女とは一生付き合っていける友達にしたい"
そう思えた初めての友人だった。


そう思ったきっかけは何度もあったが、本気でそう思ったのは、
その彼女から本気で怒られた事がきっかけである。


まず、最低なことを告白するとしよう。
私は遅刻魔である。
その名の通り、基本的に集合時間に遅れる。

この事実は残念な事に、私の友人界では有名な話だと思う。

もちろん、失礼なことをしていると認識もあるし、今度こそは早く着こうと思って前日から準備もする。
だか、遅刻をしてしまう。
10分程度なら可愛いもので、90分程遅れた事もある、いわゆる最低な行為だ。

彼女との待ち合わせは、その度遅れていた。
「また遅刻か?」
そう連絡がきて、すみません。と返答した事は数えきれない。
そんな優しすぎる彼女は、いつも構わないよ、と大人な対応をしてくれていた。
私は子供だった。

そろそろ、本気で怒られた時のことを話そう。

あれは、お互いに大学4年生で
彼女は関西の大手銀行へ、私は北陸の有名旅館へ就職する、その覚悟がお互い出来た頃、いわゆる卒業旅行準備シーズンだった。

「あそこ行こう、ここに行きたい。」
そうお互いに話すが、都合が付かず、ダメになる事が多かった。何度も何度も検討した。 


私が原因でハワイに行く話がキャンセルになった後
もともと遊ぼうときめていた日にも40分遅刻し、"ごめん"の一言で普段通りに接してくれる彼女に甘える

その日の夜のLINEで
積りに積もった彼女の優しさが、プツンと切れたその時。
それが、私が本気で怒られた時のことだ。

その良い加減なところにウンザリしています
約束は守って、自分で決めた事に責任を持って
相手の立場に立ってみて


1通にまとめられたLINEには、本気の、大人の対応をした、私にだけに向けた言葉がドンッと伝わってきた。

そのLINEを見た時のことを今でも覚えている。
寒かった部屋が、一気に暑く感じる程、私の体温は上がり、見ていた番組の声が聞けえなくなる程、戸惑った。
"あの優しい彼女が、怒っている・・・"

ヤバいことをしたのかも知れない。いや、何度もした。
甘え過ぎていたかも知れない。いや、何度も甘えていた。
これはもう友達を辞められるかも知れない。
ど、どうしよう、、。

目の前が真っ暗になる、という言葉を聞くが、本当にそうなり、冷や汗すらかきはじめた。

私にとっては青天の霹靂で、でも彼女にとっては積土生産で、
私はそんな彼女に、ごめんの一言で許してくれる彼女に、嫌な顔一つ見せない大人な彼女に、甘えまくっていたのだ。

言われるまで気づかなかった、そんなどうしようもない馬鹿な私に、彼女は寄り添い、厳しく優しい言葉をくれた。


その後
卒業旅行と題したバスツアーに行く事が決まり、そんなやり取りがあったと分からないほど楽しんだ。

私の気持ちを考えて接してくれている彼女の優しさの時間、そのバスツアーの思い出や、心の内の"ほんまにありがとう"の感謝の気持ちを思い続けていたあの1日は
約5年経った今も忘れてはいない。



「この子は遅れても許してくれる」
そんな気持ちは、あの事件以降無くなり、
遅れないようにと心掛けて過ごし、
相手の立場になって考えてみる」という
小学生でも出来そうなことを、20代になってから学んだ。

学ばせてくれた彼女には感謝しきれず、
それでも尚、仲良くしてくれる彼女には頭が上がらない。


そんな彼女と私。
何が合って、気が合うのか、落ち着くのか、分からない。
ただ、一緒に居たら馬鹿話やアホそうな写真を撮って、着飾らないでいれる友達、それが彼女。
そして、私にとって"友達"という本質を教えてくれた、
私にとっては最高に自慢出来る友達である。

そんな彼女にとって、
何かある時には駆け付けれるような友達になり続ける事が、
今とこれからの私の目標である。

友達というのは、
わがままを言い続ける様な、相手の事を気遣えない子供の様な、
そんな関係では友達と言えない。

それを乗り越えた時に、信頼友情といった
深い関係の友達が手に入る。
これが、私が高校生の時に欲しいと思った友達で、
それを手に入れるには、
自分が改めないといけない。
人から好かれる様に接しないといけない。
と実感させてくれた。

私にとって彼女とは、単なる友達では無く、
"人生を通して人と付き合う"
その難しさを教えてくれた張本人であり、
"一生付き合っていきたい友達"である。

最高の友達で居てくれて、ありがとう。
そしていつまでも馬鹿なことしていこう。




チョコレートに牛乳

バスツアーで頂いた風船が、たまたま割れ始めた時の写真。
私が紫の元プードル、彼女がピンクのプードル。
人生における信頼のあつさの違いだと認識している。

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