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おもしろいやつ

昔から「変わってる」だとか「おもしろいやつ」だとか言われるとすごくうれしくなりました。
自分の外見にそれほど自信がなかったため昔から外見をほめられることが苦手で、「かわいいね。」だとか「その髪型いいね。」とかでさえも素直に受け止めて喜べませんでした。
内面のことでも「やさしい」だとか「頑張り屋さん」だとかなんだかがんばったら変えられそうな性格のことも素直に喜べません。
そんな言葉よりも「変わってる」「個性的」「おもしろいやつ」と言われたほうが、私そのもの、私の内面を構成するすべて、オンリーワンである私が認められた気がしてすごく満たされた気分になりました。

そんなことは最近になって気づいたのですが、自分でそう言われたいと自然に思っていたからか私は昔から自分の個性をすべてさらけだすような行動ばかりしていました。
学校の大きな役に立候補してみたり、みんなが知らない深夜番組ばかり観てアニメなんか知らないなんて言ってみたり、みんなの前に出て先生のモノマネをしてみたり……
そのおかげで私は見事「おもしろいやつ」の称号を得ることができていました。

高校2年生の時、所属していた吹奏楽部が毎年開いているコンサートで演出の監督を任されたことがありました。
テレビっ子でエンタテインメントが大好きだった私は密かに演出家や構成作家に憧れていたのでこれはまたとない大チャンスだと意気込みました。
楽器はあまりうまくありませんでしたが、「おもしろいやつ」だった私に部活のメンバーもかなり期待してくれているようでした。
しかしながら、はじまるやいなや出す案出す案すべて部活のコーチに却下されました。
自信があっただけに思わずコーチに「私っておもしろくないですか?」と聞いてしまいました。
するとコーチは「お前はおもしろいようにみえるけど、表に出ている部分が100%だからそれ以上奥行きがないんだよ。」と言いました。
かなりショックでした。なにくそと思おうとしたけど、悔しいことに完全に自分を言い当てられた気分で自信を失ってしまったことを覚えています。
結局メンバーにいくつか助言をもらってありがたいことにコンサートはなんとか成功に終わりました。

かなりショックなコーチの言葉でしたが、この言葉のおかげで私のなかでのおもしろいやつの定義が変わりました。
それまでいわゆる人気者であるクラスの真ん中にいるようなお調子者をおもしろいやつだと思っていたのですが、そうではないと気づけたのです。

今私はすごく頭のいい人に惹かれます。
「タイプは?」と聞かれてそういうとかなり引かれるのですが(笑)色々考えた末こう思うようになったのです。
私は頭のいい人はふつうの人よりも内面の人格を形成する部分の奥行きが深いと思うのです。
だから、知識を詰め込む部分もたくさんあるし、なにか物事を考える材料もたくさんある。
コーチが言っていた奥行きとはこのことではないかと思いました。
実際に頭のいい人の話はすごくおもしろいし、考えることを聞き出してみると驚くことが多くあります。
こんな人が真のおもしろいやつではないかと今は思います。

なんだかこういっていると私がすごくバカな人みたいですね(笑)
私は今までふつうの人は中にしまっている範囲のことをさらけだしていただけで、実際はふつうの人だってポジティブに考えるようにしています(笑)

おもしろいやつに惹かれるのはみんな同じだと思います。
みなさんのなかの「おもしろいやつ」の定義はなんですか?

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