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同人字書きが15年間で書いた小説について数値化して分析してみた

そんなことしてる暇があるなら原稿書いたらどうだ? というツッコミはスルー。

こんにちはこんばんは、れでぃーすあんどじぇんとるめん。水生です。
こんなに低脳なくせに年数だけはそこそこ生きて長く字書きをしておりまして、今年で執筆歴18年目、同人歴6年目に突入しました。わーぱちぱち。

んで、それだけの年数が経って、日々しこしこかりかりやっていると思う訳ですよ。

「わたし、今までに何作品、何文字、小説を書いたんだろうな……?」

恐らく多くの同人字書きが、気になりつつも検証したことがないであろうこの疑問!
わたしことみず野郎が、生き恥を晒して検証してみましょうぞ!!!
という企画です。需要? 何それまだ食べたことない。

それではひあうぃーご。

※※免責※※
・自画自賛とも取れる発言がありますが、片腹痛くとも生温かく見守ってください。
・自作に対する痛い感じの思い入れが見られる箇所が複数ありますが、薄目で見てください。
・便宜上「ジャンル移動」と表現していますが、基本的にはどのジャンルも生涯ジャンルだと思ってるからなー! 気が向いたらまた書いてやるからなー!!!(迷惑)

1.当方スペックと分析対象・方法

【当方スペック】
執筆歴17年、同人歴5年のアラサー腐女子。
中学~大学にかけてオリジナルを書いていたが、社会人になってからはもっぱら二次創作・ファンフィクばかり。
高校・大学時代は文芸部所属で、年2~3回程度、部誌に作品を寄稿していた。

【分析対象と方法】
データ原稿に移行した2007年以降に、個人で執筆した完結済みの作品。
友人とのリレー小説形式による共作は除き、オフライン・オンライン共に未発表のものを含む。
作品は全てExcel上でリスト化し、集計と分析を行った。
文字数は、.txtデータで保存されている全文を【文字数カウント】さんにコピー&ペーストして弾き出された、「文字数(スペース込み)」の値を採用し、タイトル・章タイトル・エピグラフ・引用参考文献リストの文字数も含めた。

2.分析目的と各項目の定義

【分析目的】
1.年次ごとの執筆作品数・総文字数から、執筆意欲の変化を見る。
2.年次ごとの作品当たり平均文字数から、文章力・語彙力の向上を見る。
3.年次ごとの長編作品執筆数・長編作品平均文字数から、構成力の向上を見る。
4.シリーズごとの作品執筆数・総文字数・平均文字数から、当時の執筆態度を振り返る。

執筆力の向上をどう定義し判断するかは難しいけれど、単純に、作品当たりの平均文字数が長くなれば、それだけ文章力と語彙力が(ある程度は)向上したと見ていいだろう。
また、長編作品については、相応の構成力がなければ書くことができないので、作品数と文字数が増えればやはり執筆力はそれだけ向上したと判断することにした。
意欲については、私生活の忙しさも影響するので、作品数・文字数が少ないからと言って意欲がなかったとは限らないが、少なくともたくさん書いた時には、その分意欲があったと判断してよいと考えた。

【各項目の定義】
*「長編」は80,000字以上とする(同人誌にした際、A5判で80ページ相当のそこそこ分厚い本ができるくらい)
*「シリーズ」は、①同一の世界観・設定 ②全体の総文字数が130,000字以上 ③所属作品数が6本以上 の連作とする(現在続編を執筆中で、今後②③の条件をクリアする見込みの作品群も含む)。番外編や外伝も含む。


3.分析結果概要

【総作品数】 164本
 内 長編作品=19本(11.59%) シリーズ作品=84本(51.22%)
⇒実に全体の半分はシリーズ作品であり、同一の世界観と設定で連作をする傾向が強いことがわかる。

【総執筆文字数】 5,944,344字
【長編総文字数】 2,428,301字(総文字数の40.85%)
【シリーズ総文字数】 2,689,905字(総文字数の45.25%)
⇒たった19本しかない長編作品で、全体の半分以上を占めるシリーズ作品の総文字数とあまり変わらない文字数を書いているという結果に。当人的にはちょっと驚いた。

【作品当たり平均文字数】 36,246字/本
【長編1本あたり平均文字数】 127,805字/本
【シリーズ1編あたり平均文字数】 32,022字/編
【年平均執筆作品数】 10.93本/年
【年平均執筆文字数】 396,289字/年
⇒単純計算、月に1本程度、30,000字は書いている計算。思ったより書いててびっくり。もちろん年次によって差はあるけれど。詳細は後述。

※おまけ※
【最長作品の文字数 歴代上位3作】

 1位 254,387字(2018年)
 2位 191,535字(2015年)
 3位 160,737字(2021年)

【最短作品の文字数 歴代下位3作】
 1位 2,941字(2007年)
 2位 3,228字(2020年)
 3位 3,452字(2010年)

4.年次別分析

総文字数・作品平均文字数・長編平均文字数は左軸、総作品数・長編作品数は右軸

【2007~2008年期】
2007年は、紙原稿→データ原稿の移行期に当たり、分析対象の作品の母体数が少なかった。高校受験の年でもあり、執筆もそこまでしていなかったと思う。
2008年は初めて長編小説を書き上げた年だった。中学時代の先輩、高校の文芸部の同輩とリレー小説に興じていた頃でもあるので、総文字数は実際にはもうちょい書いている。

【2009~2011年期】
短編連作のシリーズ(詳細後述)を旺盛に書いていた頃。この連作シリーズは自サイトを作って公開していた。時代だなぁ……HTMLタグを覚えたのもこの頃。
2010年には長編を1本、ライトノベルの新人賞に投稿している。箸にも棒にもかからなかったけれど。

【2012年】
先述の短編連作シリーズの派生でBL小説を書くようになり、長編を3本書き上げるなど、最も執筆意欲が高かった年。大学生になってまだ間もなくて、割と時間を持て余していたということもある。長期休みの纏まった時間をずーっと執筆とサイト運営に割いていた模様。暇人かよ。

【2013~2015年】
大学後半~社会人になった年で、実習や就職活動や卒論や新人研修で多忙にしていたため、それが作品数と文字数にも如実に表れている。
2015年は約190,000字の当時最長の長編を書き上げ、卒論とは別に、卒業制作のつもりで1冊本を作ろうと、頑張って夜な夜なパソコンに向かっていた思い出。卒業後、燃え尽きて一年くらい何も書かなかった。

【2016~2017年】
社会人になってしばらく経ち、少し生活に余裕が出てきたところで、某漫画系ジャンル作品にド嵌まり。
それまでずっとオリジナルを書き続けていたが、「一から設定や人物考えて書くほどの元気はないし、だからってこのまま腕錆びさせてももったいないし」と、見よう見まねで二次創作を始める。
この頃書いた短編連作のシリーズが有難いことにも支部でそれなりに好評をいただき、史上最多21本を2016年の一年間で書き上げている。2015年のブランクを取り戻さんばかりの勢いが怖い。初めて即売会に出たのもこの年。

【2018~2019年】
相変わらず漫画系ジャンルで細々書き続けていたところへ、某ソシャゲに嵌まり、そちらのジャンルでも書くようになる。
この頃になると年間2本程度、安定的に長編を書けるようになり、2018年には某漫画系ジャンルで史上最長約250,000字の長編を書いた。

【2020年】
仕事で精神的に追い詰められていた頃で、前半、ステイホームの時間が長かった割にはほとんど執筆できなかったことが響き、3年ぶりに年間執筆総文字数が400,000字台に減少。
後半、ジャンル移動によって多少盛り返した。作品数は10本にとどまったが、中編~長編を地道に書いててえらい。

【2021年】
前半、2ヶ月に一度サイクルで長編3本を立て続けに書いては同人誌にしていて、スピード的にも意欲的にも間違いなく頭がおかしかったと思う。おかげで3年ぶりに年間600,000字を達成。
後半はまた別ジャンルに移動し、10,000字前後の短編をちまちま書いたため、それだけ長編を書いた割には平均文字数は30,000字止まりになった。

5.シリーズ別分析

実に作品の半数はシリーズものなので、シリーズごとの分析もしてみた

【シリーズA(2008~2009年頃)】
中学時代、演劇部で先輩達と脚本を書いて遊んでいた戦隊モノネタの設定を使って書いたシリーズ。とある中学校の演劇部員が変身して敵の科学部と戦うという内容のフルスロットル・ギャグ。
文体はほぼ時雨沢恵一氏の『学園キノ』。先輩が共同執筆者になってくれて、一緒にリレー小説を書いたりしていたので、その分も含めるとシリーズ全体ではもう少し作品数も文字数もある。
粗削りだけど、楽しそうに書いてるのでいいな、と思う。

【シリーズB(2009~2012年頃)】
高校~大学時代に書いていた短編連作シリーズ。とある私立中高一貫男子校に通うバレー部の仲良し(?)4人組が、部活をしたりサボったり、行事を楽しんだり、日常に起こる些細な事件に一喜一憂したりするアグレッシブ青春空気系作品だった。サイトを作って連載していた。
作品数も文字数もぶっちぎりで一番書いているし、書いていた期間も長い。文体は谷川流氏の涼宮ハルヒシリーズ、内容はかきふらい氏の『けいおん!』みたいな感じなので、何だか時代を映しているなぁとしみじみ。
書かれているオリキャラの子達が我ながら可愛くて、今読み返しても好きだなと思う。「うちの子」愛が凄かった時代。

【シリーズC(2012~2015年頃)】
大学時代、学科の先生方をご本人に許可取ってモデルにして書いていた学パロ。なので、厳密にはnmmn。超ローカルだけど。
学科の友人達との共作で、漫画・イラストを描くセクションと小説を書くセクションがあって、同人誌モドキを作っていわゆるサークル活動みたいなのを初めてしたのはこの時。
先生方の専門分野の知識を交えた推理小説仕立ての短編連作で、1本当たりの文字数が60,000字と多め。このシリーズを書くことで、この時期執筆力が爆発的に上がったなと今読み返しても思う。
文体も、学生生活で多くの文学作品を読んだことで偏りがなくなって、割と現在に近いものになった。面白がって読者になってくださった先生方ありがとう。お元気ですか。

【シリーズD(2016~2018年頃)】
某漫画系ジャンルの二次創作。腐。推しカプの他愛もない同棲生活と食生活を描いた短編連作シリーズ。
就職後の一年近いブランクの後で書き出したものなのと、支部で連載していてそんなに文字数が多くない方が読み手さんに受けたので、15,000字程度の短編が多い。その代わり作品数はBに次いで多い。

【シリーズE(2018年)】
Dと同じ漫画系ジャンル作品の別カプのシリーズ。外食と小旅行がテーマだった。
作品数も文字数も少なめだけど、当時、訳あって思ったように創作ができずにいたので、その状況を打破してくれたシリーズで、今も割と気に入っている。

【シリーズF(2019~2020年)】
某ソシャゲジャンルに移動してきて書いた続き物。腐。文学批評理論と雑貨がテーマで、ジャンル内で1作品も支部に投稿前例がない、いわゆる「顔カプ」を書いたのはこれが初めてだった。
これでええんかな、怒られないかな……ってドキドキしながら、自分でカップリングタグを考えて支部に投稿したあの日は今でも忘れない。論拠がない分、好きに作り込んでやろ! と思って、オリジナルを書いていた頃の感覚を思い出しながら丁寧に(でも半ば勢いで)書いた記憶があって、その分1本当たりの平均文字数も33,000字とやや長め。今までに書いたシリーズものの中では白眉の仕上がりだと自惚れている。

【シリーズG(2021年)】
更に移動した別ジャンルの二次創作。腐。これも同棲生活もの。
初めての長編の続き物で、長編3本、10,000~20,000字のおまけ掌編3本による構成。2021年の前半半年で約400,000字書いていて、本当に頭がおかしくなっていたとしか言いようがない。時系列順で書かれた一つの物語としては、他の長編作品と比べても最も長い。よくこんなロングレンジで書けたなという感じ。

【シリーズH(2021年~)】
更に更に移動した別ジャンルで、今書いている続き物シリーズ。腐。
詳細は伏せるけど、長編を書くのに割と疲れてしまって、1本当たり10,000字前後を目標に、ちまちま、のんびり書き進めている。


6.おわりに

という訳で、とある同人字書きが15年間に書いた小説の数値的分析でした~。
今までに書いた原稿データ全部取ってあるってどんだけ自己愛凄いんよ? って感じですが、違います。ズボラなので消すことすら億劫でUSBメモリの中に放置してあっただけです。

飽き症で、未完の作品やボツ原稿なんかもいっぱいあるので、そういうのを含めるときっともっと書いてるよね。
とは言え、総文字数については、以前のnoteでバイブルと吹いた戯言シリーズが100万字という触れ込みだったので、戯言6本分か~……そう考えると大したことねぇな~~~と一瞬思いましたが、よくよく考えたらノベルス(文庫)50冊分ってことで、それって意外と凄いな!? と思い直しました。

んで、凄いけど、これ全部をアナログ原稿で書いていたとすると……単純計算原稿用紙約15,000枚って……

と ん で も ね ぇ 資 源 の 無 駄

大好きなコクヨの緑色の原稿用紙50枚綴り(公式売価¥264税込)、300冊分じゃないか! 総額¥79,200って……金も馬鹿にならんよ……。

つくづくと、データ原稿が当たり前の時代に生まれてよかったなと思うのでした。
ちょっとくらい森林伐採を減らせたんでない??? この文量を紙原稿で書いてたら普通に地球環境の敵だわ。

なお、代わりに、事務職の会社員として持っているExcelスキルを今回思いっきり無駄遣いしたなと思いました。
人生、一見すると無駄のように見えるところにこそ、人としての真の価値が眠っている!
とそれらしいことを最後に嘯いておいておわります。


おそまつ!!!!!

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