読書メモ−「伝わるしくみ」山本高史

同僚に感化されてnote始めました。読書メモです。

「伝わるしくみ」山本高史(2018/09/27発売)

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担当案件でPUSH通知のテキストを作っていて、ライティング系の本を何冊か読んだんですが、そのなかで面白かった本です。著者は、オリンパスの企業コピー「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」のコピーを書いたクリエィティブディレクター&コピーライター。

本書では、外から見ると「センス」で片付けられそうなライティング技術が、伝わる「しくみ」としてわかりやすくルール化されています。
伝わらない原因を明快にして解消する。思いついたことを「伝わる言葉」に落とし込む。コピーライティングを軸に、順を追ってその「しくみ」が解説されています。

余談ですが、この本を読んでいて、学生時代にコピーライター養成講座を受けていたことを唐突に思い出しました。忘れてたのもやばいですが、また同じようなことを自ら学んでいるのが感慨深いです。

<第1章 概要>
・「言葉のメカニズム」という原理原則
・「受け手がすべてを決める」というのをきちんと認識しているか
・言葉の受け手が取れる態度は3通り(承諾/拒絶/無視)
・「うまく伝える」ということは受け手に同意させて動かすこと
 →そのため、送り手の言葉にはベネフィットがないとだめ
・ベネフィットの理解も人それぞれ
・尺度を共有することで多くの「伝わらない」問題が解決する

上記の第1章、それぞれ面白い視点でした。

「言葉のメカニズム」の原理原則にある、『送り手が発信する言葉は、ほぼ提案である。』というのは腹落ちしました。「この本おすすめです。」も「この本は面白いから、あなたもこの本に興味を持ってはどうか。」という提案になっています。ここから、私も発信者の立ち位置とベネフィット付与を意識するようになりました。

「この発言で何を提案しているのか?」を送り手側が自覚することも大事で、曖昧な提案はほぼ伝わりません。受け手からすると「何をどうするのが正解なの?」となります。実体験ですが、独り言(返答のいらない発言)と提案をごっちゃにして話すと、さらに頭を悪く見せることができます。
「この発言で自分が何がしたいのか?」を自覚することで、言葉がスムーズに伝わる可能性を上げることができます。送り手自身が「どうしたいのか?」がわかってなかったら、当然相手にも伝わらないよねってことですね。

続く2章〜4章で、「伝わる」がフローチャートとして解説されていきます。

「伝える」とは受け手を自分の望む方に動かす力であり、言葉はそのツール。その「しくみ」がフローチャートに沿って、テンポよく構成されており、頭に残る一冊でした。面白かったです。(→私はこの本を有益だと思ったので、あなたもこの本に興味を持ってはどうか?)

あと、印象に残った箇所ピックアップ。

言葉は「約束」である。「約束」はもちろん広告に限らない。日常的に使われる言葉の本質的な性質である。
そして、約束であることを理解しつつも、曖昧にすることでその制約から逃れようとする人は一定数いる。

会社でこのシーン、結構遭遇しますね!「約束」しているように見せたいが、その尺度や期限は明言しない。同じ仕事をやるにしても、「今やってる仕事が終わったら進めます。」と「今週中に、ここまでやります。」は、全然印象違います。前者はあとからいくらでも変更可能。それにこの手法は「自分がやるべきではない仕事を断るテクニック」として推奨されてたりするので、責められることでもないんですよね。本書でも、こういった「約束」をどれくらいの精度で執行するかは、そもそも主観に基づくので完全に共有することは無理。その曖昧さを認識することが重要なのだ、としっかりフォローされてます。

読書メモ、文章書く練習になっていいですね。同僚の文章もみんな個性があって面白い。最後まで読んでくれてありがとうございました。

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