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なぜ「読書会」で出会えるのか?

ここ最近、「読書会」に参加したり、実際に企画したりしている。読書会はおもしろい。参加者としても主催者としても。あたらしく出会う人と、いつもしない話をする時間は、とても新鮮だ。1冊の本を通して出会う人、出会う自分、出会う言葉は、読書会の大きな価値なんだと思う。

“読書会は出会える”という話を聞いたことがある。
実際に、日本最大の読書会『猫町倶楽部』の読書会では、そこで出会ったことがきっかけで結婚した方もいるようだ。『カップルが続々誕生、日本最大読書会の秘密猫町倶楽部にはなぜ運命の出会いがあるのか』という特集記事も出ている。
ぼく自身、実際に読書会に参加してみると、「なぜ読書会で出会えるのか」がとても理解できた。

今回は、読書会に参加したり、企画したりした中でわかってきた「なぜ読書会で出会えるのか」を考えてみたい。

■なぜ読書会で出会えるのか
「読書会」といっても、やり方は様々だ。どういう目的にするか、どういう場にしたいかによって変わる。
今回は、”課題図書”があり、”課題図書について考え、対話する”読書会について、考えてみよう。
出会える理由は2つある。

1. 参加者が限定されていること
まず、「読書会」に参加する人はどういう人なのか。
ぼく自身の経験も踏まえると、以下のようないくつもの”障壁”を超えて、参加する。

①課題図書の作品やテーマ、内容に関心があり(好きであり)
②その課題図書を読み
③参加費を払って
④「読書会」という名の集まりに来る

参加するハードルがとても高いのだ。参加の段階で、人が限定される。
本を読むことが好きで、読む時間も、お金を払う余裕がある人たちだ。意欲的で、学習欲もある。

2. 共感が生まれやすい会話ができる
そういった人たちが、集まり、課題図書の感想や疑問を話し合う。
話し合う内容について、注目してみよう。
「読書会」で話し合う内容は、課題図書を読んだ上で発せられるものだ。

だから、個人の感情や課題感といったパーソナルなものになりやすい。「読書」自体、その瞬間は、たった一人でしか経験できない。読書会では、その経験の話をする。1冊の本を通して、どんなことを感じたのか、なにを考えたのか、なにが好きなのか。おのずと自分自身が大事にしていること、自分がどういう人間なのかに近い部分を話してしまうのだ。

そして、参加者の目線が同じであることが多い。
同じ本を読んでいるから、学生でも、営業職でも、子育て中でも、研究者でも、バックグラウンドが異なる人たちと、おなじ土台の上で話すことができる。だから、いつも以上に大きな共感がそこで生まれる。普段出会わないような人とでも、同じ文脈で話をすることができる。


高い参加ハードルを越えた人たちと、たとえバックグラウンドが全く異なったとしても、おなじ本を通して、共感でき、共感される、じぶん自身の話をする。
はじめてあった人とするような、「仕事はなにをしているのですか?」「趣味はなんですか?」「休みの日はなにをしているのですか?」という上滑りするような会話ではわからない、その人がどういう人なのかわかる会話になる。

「読書会」は、「出会える」構造になっているのだ。
それを踏まえると、①場の限定性や②どういう内容でどのように対話するか、をうまく設計をしていくことが、重要になってくる。考えていくと楽しくなってくる。

今度は、内容は重複するかもしれないけど、「なぜ読書会はおもしろいのか」について考えてみようと思う。


あ!こんなことを書くと、うまく出会えないのは、お前のコミュニケーション能力がないだけだろ!だなんてツッコまれてしまいそう!
だけど、合コンよりも、なにについて話せばいいのかがはっきりしていて、かつ、それが共感されやすい場なのが、読書会だ。
あと、「出会い」とは異性との出会いだけではない。もしかしたらビジネスパートナーや友人ができるきっかけになると思う。異業種交流会やパーティよりも、話しかけたり、話をしたりする安心感がある。

「読書会」は、「出会える」。


ツイッターでも出会いましょう!笑

本や映画、出版業界の話とか、読書会についていつも考えているよ。たまに科学のことや微生物のことも。


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