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広島の若手有望株をランキング形式で紹介~延長戦~

先日THE DIGESTさんに下記のような記事を寄稿させていただきました。

ここでは、10選手をピックアップする形で記事を書きましたが、文末でも触れている通り、紹介したい選手は10選手では収まりきらないほどいます。ですので、本稿では延長戦と題して取り上げきれなかった選手を紹介するとともに、記事をより掘り下げていこうと思います。

1.選考基準

1.小園海斗/遊撃手
2.坂倉将吾/捕手
3.森下暢仁/投手
4.宇草孔基/外野手
5.林晃汰/三塁手
6.遠藤淳志/投手
7.羽月隆太郎/二塁手
8.中村奨成/捕手
9.島内颯太郎/投手
10.高橋昂也/投手

以上がランキング10位までに選出した選手ですが、まずどのようにこの10名を選出し、ランキング付けまで至ったかを述べておこうと思います。

そもそも若手有望株の定義付けですが、DELTA社が毎年発表するプロスペクトランキングの対象選手を参考にしています。

・2020年中で25歳以下
・投手は一軍通算100イニング未満かつ50試合登板未満
・野手は一軍通算300打席未満
・外国人枠の対象となる選手は除く
・新人選手は26歳以上でも対象

以上の条件に該当する選手の中から、10人を選定していきました。

続いてランク付けですが、考え方は将来的にどれだけWARを積み上げることが出来そうか、というものを基としています。ですので、センターラインで中心になれそうな選手の順位は自然と高くなっています。おそらくDELTAも同じような考えのもとで、ランキングを付けていると思われます。

選手を評価する基準は、MLBのプロスペクトランキングのように野手はアベレージ/長打/走力/肩力/守備力/トータル、投手は持ち球の質/制球力/トータルという形で20-80スケール*に当てはめて評価しています。ここまでが選考の基準です。

※20-80スケールについては、下記リンクが詳しいのでご参照ください。簡単に言うと、それぞれの能力を20を最低、80を最高として5~10ごとに刻みながら評価していく、いわば物差しのようなものです

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2.選考理由

ここからは、ランキング10位までの選手の評価及び選考理由を、簡単に述べておこうと思います。

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評価については上記の通りとなります。将来チームの中核を担えるかという点(ポテンシャル)と、実際の現時点での能力を7:3くらいの割合で見て、このように評価しました。

小園坂倉は、遊撃と捕手という守備負担の大きいポジションで、攻守両面でプラスを稼ぎ出せるだけの素質はあると判断し、それぞれ1位と2位に置いています。

そして将来のエース候補である森下、パワーとスピードのレベルが高く外野手の中核となるだけの素質のある宇草、二軍ながら既に4番を任され、長距離砲としての資質を見せるがその後ろに続いていきます。

エース格とはいかないものの、3番手~4番手の先発として力を発揮してくれそうな遠藤を6位、パワーレスさが目立つもののコンタクト力とスピードに長ける羽月が7位、持っているポテンシャルは確かながら、まだまだ殻を破り切れていない感のある中村奨成は8位としています。

将来のリリーフエースとしての期待される島内を9位、高橋昂也は健康ならもっと順位は上ですが、故障明けということで順位を下げて10位としています。

3.その他の若手有望株を紹介

それでは、本題でもある載せきれなかった若手有望株について、以下にて紹介していきましょう。

・高橋樹也

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キャンプからここまで好成績を残し続けている高橋樹也は、10位以内に入れるか非常に迷いましたが、将来性を鑑みてランキングからは外しました。

しかし、元々ウリであった制球力はそのままに、ボール自体は全体的にスピードアップが図れており、少々時間はかかりましたが成長の仕方としては非常に理想的な形となっています。

今はリリーフを務めていますが、これといったボールはなく、高い制球力をベースに散らしていく投球が持ち味なため、将来的には先発に挑戦しても面白いかもしれません。

・韮澤雄也

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高卒ルーキーながら、二軍戦ではここまで遊撃手として出場を重ね、打撃面でも既に適応を見せている韮澤雄也も、非常に楽しみな存在です。

その他の野手に逸材が多かったため、ランキング外としましたが、U-18では3番を打ちベストナインを獲得したり、二軍ながら既にプロの遊撃守備をそつなくこなしたりと、見栄えはしませんが実戦でその良さが出るタイプで、チーム作りには欠かせないタイプの選手です。

ただ今後を占う上で気になる点は、同じ遊撃手には小園という存在があるため、メインポジションをどこに置くのかという点と、プロで強みとなるこれといった特徴が見えてこない点でしょう。

ということから、将来的には絶対的にレギュラーというよりは、内野のユーティリティープレーヤーとして、チームの穴を確実に埋めてくれる選手になってくれると予測します。

・正隨優弥

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希少な長距離砲候補としてまず挙がるのが林の名前ですが、2年目の正隨優弥もその候補の一人です。

昨年は二軍で多くの出場機会が与えられながらも、OPS.610と苦労しましたが、フェニックスリーグの16試合で16打点を挙げるなどその打力をアピールし、春季キャンプでも本塁打を放つなど、その長打力が徐々に発揮されるようになってきています

ただ外野手の3枠の争いは毎年熾烈を極めるため、出場機会を得るのは簡単ではありません。そんな中でも競争を勝ち抜くためには、守備走塁は最低限のポイントを抑えつつ、その長打力をひたすら伸ばしていく他はないでしょう。

・山口翔

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昨年プロ初先発で初勝利を挙げた山口翔ですが、その後は一軍二軍どちらでも思うような結果を残せず、同期の遠藤の後塵を拝す形となっています。

現状では、いい時のストレートの威力は確かですが、それ以外で武器になる部分はなく、ストレートが走らないと苦しい投球になってしまっています。ですので持ち前の球威のレベルアップを継続しながら、軸となる変化球を身に付ける必要があると考えられます。

ドラフト2位での入団となったように、潜在能力の高さを期待されているので、焦らず地道に力を付ければ、将来的に先発ローテに入れるレベルの投手に成長できるはずです。

・藤井黎來

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まだ育成選手という立ち位置ですが、先月のヤクルトとの練習試合で一軍のマウンドに上がるなど、期待値の高い藤井黎來も面白い存在です。

元々フォークのキレには定評がありましたが、ここにきてストレートの球速が上昇し、先日の登板では140㎞台後半を連発するまでになりました。制球面はまだまだなものの、縦変化の鋭さと球威を兼ね備え、リリーバーとして高い奪三振能力を発揮してくれそうです。

まずは二軍でしっかり実績を作り、支配下登録を果たすことができれば、一軍のリリーフ事情の薄さを考えると、即一軍定着してもおかしくないでしょう。

・石原貴規

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坂倉と中村奨成というプロスペクトがいるが故に、ランキングには入れられませんでしたが、ドラフト5位入団の石原貴規も好捕手です。

坂倉や中村奨成とは違い、チームのコアとなるような派手な活躍はあまり期待できませんが、実戦では渋い活躍を見せてくれるタイプの選手で、確かなコンタクト力と正確なスローイングは既にハイレベルです。

このような確実に計算できるタイプが、2番手捕手に控えているとチームとしては心強いでしょうし、坂倉と中村奨成が伸び悩むような事態になってしまえば、しれっとこの石原貴が正捕手の座に上り詰めても不思議ではありません


以上が、簡単ながら紹介しきれなかった若手有望株になります。当然このほ他にも有望な選手はいますし、一人でも多くの選手がチームの戦力となり、再びチームに黄金期を導いてくれることを期待したいと思います。

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