読書日記「人工知能は人間を超えるか」⑥
これで最後になるかと思います。「人工知能は人間を超えるか」を技術的に解説してきたのが、今までの内容です。今回は人工知能が描く未来とはです。いよいよ、人工知能の未来についてです。
ディープラーニングのこれから
松尾先生が描かれるこれからの人工知能研究について紹介されています。
①画像特徴の抽象化
②マルチモーダルな抽象化
③行動と結果を抽象化する
④行動を通じた特徴量を獲得する
⑤言語理解ができる
⑥知識獲得ができる
難しく書いてありますが、情報を取得し、情報をもとに行動を起こし、行動を通じて学習改善し、新しいものを想像するということです。これまでのブームの中で課題となったシンボルグラウンディング、フレーム問題を解決していくことになります。
ディープラーニングでは今まで以上にブレークスルーの可能性が高いと言えます。
人工知能は本能を持つわけではない
人間と人工知能の戦争という話はSFの世界ではよくある話です。ディープラーニングの研究が進み、シンギュラリティが起きたとき、SFの世界のように人工知能と対立する日がくるのでしょうか。
答えはNOであると答えています。なぜなら人工知能自身は本能を持たないからです。つまり、欲求がありません。あくまで得られたデータを計算し、出力するという機構自体は変わることはありません。
ディープラーニング自体は特徴量から特徴を見つけ出すのみで自身の設計を変えたりするわけではありません。また、意思を持つわけでもありません。心を持つことは人工知能とはまた別の議論になります。
人工知能は創造性を持つか
人工知能は創造の中で試行を繰り返します。そのなかで、新しい特徴を見つけ出すことはあると思います。そのため、人工知能が創造性を持つ可能性は否定できません。
しかし、今すぐにできるかというと話は別です。
人工知能発展の先にあるもの
人工知能が発展して社会はどんどん変化していきます。産業構造も変わっていき、残っていく職業、なくなる職業も生まれます。しかし、この変化は誰にとっても悲しい未来ではありません。
産業というのは常に進化してきています。機械化されたり、ロボットが生まれています。そんな中で、なくなった職業もたくさんあったでしょう。しかし、新たに生まれた仕事もあるのです。
そう思うとこれからどんな仕事ができるのだろうかワクワクします。
日本の人工知能は遅れている
日本の人工知能研究は遅れています。世界各国が人工知能研究に投資している中、日本の投資額は決して大きくなりません。このままでは世界に置いていかれる可能性もあります。
だからこそ、我々も人工知能の参入に否定的になるのではなく、歓迎し、うまく付き合っていくことを考えていくことも大切です。そして、将来的にはAIを使う人材となっていくことがいいと思います。
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