母が、28歳になる『私』へ伝えてくれたこと。
つい先日の電話で、衝撃が走った。
「ごめんね、お母さんね、また検査で引っかかっちゃったの。詳しく検査をして、これから手術の日とか…色々決めなきゃなんだ。心配かけたくないから言いたくなかったけど、伝えなきゃと思ったから。本当にごめんね」
なぜ母は、自分が辛いのに私に謝るのだろう?と不思議な気持ちになった。
それと同時に、私が頼りないから言いたくなかったのだろうな…と不甲斐ない気持ちになった。
親からみたら、きっとアラサーの娘も、小さな子供と変わりないのだろう。
兄弟の中で、一番精神的に弱くて泣き虫で…
だからこそ、言いにくさもあったのだろう。
なんだか涙が込み上げてきて、昨年、祖母が亡くなった時と同じくらい泣いた。
何が悲しいのか、それとも悔しいのか、なんのための涙か分からないけれど止まらなかった。
そんな私に母は言った。
「今すぐどうなるって訳じゃないし、大丈夫、大丈夫。手術が終わるまでは会えないけど、次に会う時はどこかに一緒に行きたいね」
こういう時、本当に辛いのは母自身のはずなのに、私を気遣う優しさに心が痛かった。
「泣くの我慢しなくていいよー。兄弟の中で、人一倍、優しいからたくさん心配しちゃうんだよね。だから言うの迷ったんだけど…でもお母さん、優しいゆっちゃんが好きだから、そのままでいてね。」
その言葉でさらに涙が出る。
私が人一倍優しいとしたら、それはきっと母譲り。その優しさは時に利用されることもある。
一線引いて、人を突き放せる強さをもてたら、どんなに生きやすいだろう。
先日、人に騙される経験をした。
怒り、悲しみ、悔しさなど、感情が波のように溢れ出して、止まらなかった。
そんな自分は人生で初めてで、どう自分を取り扱ったらいいのか分からなかった。
でもその時も、私を支えてくれたのは『母の言葉』だった。
『人を裏切るより、裏切られる方がいい。例えそうされても、その人を許せる心の強さを持ってね。誰にでも優しくあれるのは長所よ』と。
その時は「めっちゃ悟りやん…」と思ったけど、今だから思う。
それが、母が私に、生まれてからずっと身をもって教えてくれた『優しい強さ』なのだと。
そしてその母だからこそ、私は良くも悪くも、素直に、そして喜怒哀楽を正直に表現出来る、そういう人間に育ったのだなと。
お母さん、ありがとう。
28歳になる前に、大事なことに気づかせてもらった気がするよ。
この気持ちを大切にしたくて、記したくて、noteを始めました。
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