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コスプレについて語ってみると


前回の続きでコスプレについて解説したいと思います。コスプレは同人活動とは直接関係がありませんから、情報はやや正確性をかくことになるかも知れません。

このコスプレに関しては同人活動中と、活動後に分けることができます。同人活動を終えても、いろいろな付き合いができており情報はずっと入ってきていました。そして「コスプレ」が活発になってきたのは同人活動を終える前後から活発化し現在のように一人歩きしている状態になっていきました。

コスプレ(コスチュームプレイヤー)」は今も昔もとても人気がありました。同人誌と違って世間の認知度と浸透力、そして影響力は比べものにならないほど強いものがあります。同人関係では同人誌よりも、一番成功したイベントではないかと思います。今では同人から離れて、完全に独自の路線で発展を続けています。

これも非常に勘違いが多いところですので、自分が知っている範囲で──
間違っているところもあるかと思いますが──詳しく解説していきたいと思います。

まず何度も指摘していますが、「コスプレ」は「コミケ」のような同人イベントだけで行われているわけではありません。むしろ同人イベントで「コスプレ」ありは少ないのです

やはり有名なのは「コミケ」ですが、昔から「コスプレ」はコスプレで専門のイベントがありました。「コスチュームパーティー(コスパ)」と呼ばれるイベントです。

我々が同人活動を始める前からこれらの「コスプレ」イベントがあったか
どうかまでは分かりませんが、同人活動を終える頃にはこれらのコスプレ
イベントの話を良く聞くようになりました。

急速にイベントの数が増えてきていましたので、この頃から衣装の入手がしやすくなったのではないかと考えられます。ただし参加経験はありません。参加した方の話は良く聞きました。


「コミケ」が始まる前から「コスプレ」については知っていました。元々の創作の原点がSFだったもので、「ダイコン(大阪SF大会)」や海外のSF大会のことについては知っていたからです。

「コスプレ」は日本だけのものではなく、アメリカでもとても盛んです。昔からアメリカでは日本のアニメのような立ち位置にSFがありました。むしろ日本のSF大会は海外の大会に影響を受けたものでした。

初のSF大会はニューヨーク市で1939年に開催され、地方のSFファンクラブに
よって組織されたものであったそうです。その後1940年と1941年に開催、太平洋戦争によって中断されたものの、戦後1946年より毎年開催さるようになって我々が学生の頃は悪い意味で痛い奴らの一大イベントとして知られるようになっていました。

記憶に新しいところでは1980年代にラスベガスのホテルで行われた大会では、警察の特殊部隊である「スワット」が出動したことがありました。

ホテル内でおもちゃの光線銃で撃ち合いをしていて、それを実銃と間違えられて通報されたようでした。まともなSF作家は避けて通るイベントで、ここでは露出過剰なコスプレは当たり前にありましたので、「コミケ」などのコスプレを見た時にはむしろがっかりしたほどです。日本のコスプレのほうがおとなしい印象があります。


話戻ってこの「コスプレ」ですが、「コスチュームプレイヤー」の数も質も昔とは比べものになりません。今と一番違うのは昔は「コスプレ衣装」を制作販売する専門の業者がいなかったことです

今ではコスプレ衣装の製作販売専門の業者があり手ごろな価格で衣装を
入手することができるようになっています。
ですから誰でもが手軽に「コスプレ」を楽しむことができます。コスプレの裾野が広がっていると言えると思います。

これらの理由で本格的な「コスプレイヤー」は昔は年齢が上でないとできませんでしたが、今では学生さんがお手軽に本格的な「コスプレ」を楽しむことができるようになっています。

昔はこういう業者は全くいなくて、オーダーメイドで特注するか自分で制作するしか方法がありませんでした。ですから気合いの入った「コスプレイヤー」はたいていある程度年齢の上の方が多かった。今のように大学生がお手軽に手を出せるものではありませんでした。

個人的に受けた印象で言うと、18禁同人誌意外では、同人誌よりも「コスプレ」の方が人気があるのではないかと感じさせるほどの勢いがありました。またどこのイベントでもあるものでもなかったのですが、一般参加する参加者たちはかなりこのコスプレを期待してイベントにきていました。

同人は「コミケ」などの同人誌イベントに限定されるものですが、「コスプレ」はもともと一般受けして同人イベントに参加しない人たちでもアニメファンを中心流行っていきました。


雑誌などで紹介されているようなコスプレイヤーもやはり「コミケ」のような有名な大型イベントでしかいませんでした。それがあたかもどこのイベントにも参加してもいるかのような勘違いが生まれていましたね。

雑誌などで紹介される「コスプレイヤー」はやはり全国でもごく一部でした。ですがなぜか同人ファンは、どのイベントにでも「コスプレイヤー」がいるかのように話すのです。

これも一つには同人ファンたちにも根強くある「解離」が原因ではないかと考えています。我々も同人活動を始める前には同人イベントの話を聞いていてそう思っていたました。この時、熱く語ってくれたのですがその内容に必ず「コスプレ」があったのです。

「コスプレイヤー」は「コミケ」のような大きなイベントでないといないと一言断って話してくれれば問題ないのですが、全ての同人イベントに「コスプレイヤー」がいるかのように話すからです。あまりにも酷いので一度これを指摘したほどでした。


ところでちょっと寄り道すれば、我々が活動を始める前から「一本木蛮」さんという同人作家兼コスプレイヤーの方がいて、とても有名でした。この方、巨乳でも有名で商業誌ですが「グラビア」誌でグラビアデビューをはたしています。

作品を見る前に、「グラビア」誌で知ったほどです。商業誌デビューもしていますが、あまり拝見したことがありません。色々話は聞いていましたが、結局お会いすることもなくまた有名なコスプレイヤーを間近で見ることなく終わっています。もっとも今と違ってスター扱いされるような「コスプレイヤー」はいませんでしたが。


何度も指摘していますが、昔と今の大きな違いは衣装などの専門業者が
いることです。もう一つは「コスプレイヤー」の質そのものが断然違うことです。

個人的な意見ですが、個人が好きなコスプレをするのは勝手ですし良いと思います。ですが人に見せるためにするのであれば、それなりに考えてみてはどうかという気持ちがずっと昔からありました。

昔はお腹のつき出た「うる星やつら」の「ラムちゃん」であったり、似合いもしない体型のセーラームーンであったりの方が多かった。自己満足といってしまえばそれまでですが、コスプレの再現度や完成度の前の問題だとしかいえない方の方が多かった。そういう問題意識もなかったのでしょうね。

ましてや猫耳をつけるだけでなんの「コスプレ」なのかききたくなるコスプレの方が多かった。これらに不快感を示す人は目立ちはしませんがずっといて、好きなキャラクターを傷つけられている気がするという人もいました。
この意見は納得のいくものでしたが、殆ど表面に出てきませんし少数です。

「コスプレイヤー」は自分が楽しんでいるだけで、人が不愉快な思いをしているかも知れないと考えない人ばかりだと思います。あえてそれを指摘しなかっただけで──お祭りのような感じで良いと思う面もありますが──ドヤ顔で見せつけられても閉口してしまう側面もありました。

正直、似合っているコスプレイヤーは少なかったですね。簡単に言ってしまうと、プチアイドルの気分に浸っているだけという気もします。


それが今では素の容姿そのものが違っていて、仕事はモデルをしている方が趣味でコスプレをしていたり、中には「コスプレ」そのものが仕事である「コスプレイヤー」もいて質そのものが昔とは比べものになりません。
まさにプロとアマチュアの違いがあります。

これは「コスプレ」そのものが好きとか嫌いではなく完成度を認めざるおえないものになっています。勝負にならないレベルです。

これは男性も同じで、格闘ゲームのキャラクターのコスプレをするためにキャラクターに見劣りしないように肉体作りからやっています。みごとにビルドアップした肉体を作っていて、この肉体作りじたいが大変な努力とお金がかかります。

それを知っているだけにその努力じたいを認めないわけにはいきません。昔のようにたるんで肥満した肉体でコスプレするなと言いたくなるようなコスプレイヤーばかりではないのです。


少し自分の知っている「コスプレ」の歴史を振り返ってみます。同人活動に一区切りする頃から、やたらと「コスプレ」の情報が入って来るようになりました。別に「コスプレ」が特別に好きではなかったので、調べていたわけではないのですが勝手に情報が入ってくるので人気が盛り上がっていたものと思います。

同人イベントと同じくらい、「コスプレ」イベントがあるのかというくらい増えていきました。おそらくですが、この頃からコスプレ用の衣装が簡単に手に入るようになって行ったのではないかと思われます。でなければ自然に「コスプレイヤー」が増えていくわけはないですからね。

やたらと「コスチュームパーティー」の情報が入ってくるようになって、同人に参加していた人たちも一般参加でいっていたりしていたようです。具体的に「コスパ」はなにをしていたのかというと、色々と趣向が凝らされているようです。

「コスプレクイーン」や「コスプレキング」を投票で決めるという「コスパ」もあれば、ディスコのようにコスプレした人たちが楽しく踊るというものもありました。今では二十歳以上の完全にアダルト趣向の大人でないと参加できない「コスチュームパーティー」も存在しており、昔からするとイベントの種類そのものも多種多様に増えています。

また「コスプレ衣装」が販売されているだけではなく、コスプレの撮影ができるレンタルスタジオが多数存在してます。レンタルスタジオも趣向が凝らされていて普通の撮影用のスタジオと違っていて、アニメやゲームのセットのような作りになっていたりしています。また衣装も自分で用意しなくてもレンタルできたりもするそうです。

コスプレ衣装そのものも種類が増えていて、今では「ドール」と呼ばれる
ジャンルが存在しています。これは完全な着ぐるみで、子供向けの「プリキュアショー」などで使われる完全なフル着ぐるみが作られています。子供が近寄ると泣いてしまうと言われているドールですが、この「ドール」にも
人気があるそうです。


同人活動を終える頃に、これらの「コスプレイヤー」を撮影した写真集をだした人がいました。付き合いのある方だったのですが、即完売するほどの人気でした。

「写真集」に人気がでるのは同人を始めた頃から分かっていましたが、すでに説明しているように撮影にたえるような「コスプレイヤー」はとても少なくて写真集を作るものはいませんでした。

つまりそれくらい気合いの入った「コスプレイヤー」も少なかったですし、撮影しても「コスプレイヤー」の了解が取れないと同人誌として制作することができません。それを作れるほど「コスプレイヤー」も増えていたのだと思います。


完全に同人活動を終えてからしばらくすると、「女性コスプレイヤー」という存在が同人イベントだけのものではなくなっていきました。ワンマン撮影会をするような「コスプレイヤー」も増えていたようです。

また色々なところでコスプレするようになつたそうで、それらを考えてもくり返しなりますがたぶん「コスプレ衣装」が販売されるようになっていたのだと思います。

これらの「女性コスプレイヤー」たちのことを短く「レイヤー」と呼ばれる
ようにもなっていて、深夜テレビなどにも出演するようになりました。さらには芸能事務所にこれらの「レイヤー」たちが所属するようになっていました。深夜番組で見たことがあります。

この時それらの「レイヤー」たちを見てだいたい先が見通せました。思ったとおり、これらの「コスプレイヤー」はすぐにテレビから姿を消すことになります。

これはもう当たり前のことで、素人の集まりである同人イベントでコスプレ
すると目立つかも知れませんが、芸能の世界では容姿が良いのが当たり前で、そういう世界では見劣り
するからです。

ましてや唯一の武器である「コスプレ衣装」もアニメの制作サイドからクレームをつけられるとできません。また、我々が活動をやめてから18禁規制に続いて版権問題で摘発されるなどもおこってきました。

容姿も見劣る、歌がうまいわけでもダンスが踊れるわけでもなく、気の利いたコメントがいえるわけでもないとするとすぐに仕事がなくなるのは当たり前のことです。これらの「女性レイヤー」がその後どうなったのかもある程度の情報が入ってきたのですが、風俗やAVへと流れた人もけっこういたようです。

傾いた風俗店が持ち直したという話を聞いたときは今までなかったことが不思議な感じすらありました。コスプレ風俗というものが沢山できてきたようです。


実はこの風俗へと流れる道筋はなんとなく納得できるものでもありました。
これらの「女性レイヤー」がもてはやされる前に、「コミケ」の更衣室の
盗撮映像がアダルトショップ専用の「AV」として売られていたらしく、
これらの映像はコスプレイヤーがカバンにカメラを仕込んで撮影しないとできないものだったらしいのです。

それでなくとも、今の「コミケ」のコスプレ撮影風景を見ていただければ分かるのですが、女性レイヤーに多数のカメラの砲列が集中しています。それもパンチら狙いのローアングルからの撮影が多くて、すぐにコミケスタッフ
がローアングルでの撮影はおやめくださいと注意にきます。

そのカメラの多さには唖然とさせられるほどです。なにを目的に撮影しているのかは昔から一目瞭然でした。至近距離で、それも望遠レンズでなにを狙っているのかということです。昔はそんなもの見たければ「ストリップ」か「風俗」へいけよと、仲間と話していましたね。

当然露出度の高い女性コスプレイヤーに人気が集中していて、「コスプレイヤー」もそれが分かっていてあえて露出度を増してくるコスプレイヤーも多くいます。むしろ露出控えめなコスプレイヤーは少ないですね。それくらい女性コスプレイヤーもエロイ視線を意識してコスプレしています。

ですからそういう風俗方面へ流れることに抵抗がない人も多いかと思います。昔はコスプレ衣装が容易に手に入らなかったので、気合いが入ったというか本当にコスプレが好きな人しかコスプレしないのですが、今では「コスプレ衣装」そのものは二の次でちよっとしたアイドル気分に浸りたい人の方が多いように思います。


もとのキャラクターの再現度ではなくて、今は「コスプレイヤー」そのもの
に注目が集まっていて、スタイル──胸であったり、お尻や太腿であったり
──であるとか容姿であるとかの方に注目がいっていて、もとのキャラクター
の再現度は問題にされていません。

キャラの再現度がおろそかにされていて、話題にすらのぼらなくなっています。すでにアニメやゲームキャラクターのコスプレから離れているような気もしますね。

さらに言うと、昔と今のコスプレイヤーの大きな違いは、プロのコスプレイヤーが出てきたことです。「コスプレ」が仕事になるようになってきているのです。


プロの「コスプレイヤー」の人気はかなりのもので、稼げる利益は同人誌などと比べものになりません。桁そのものが大きく違います。人気YouTuber並みに稼ぐ「コスプレイヤー」もいるそうです。すでに同人とは関係なく独自の路線で活躍されていますし、同人から派生したというか同人も含めて、今一番大きな利益を生むのは「コスプレ」だと思います。

日本国内のコスプレイベントから招待されるだけではなく、海外のイベントにも招待されています。かなり需要があるようでまさに「コスプレビジネス」といっても良いほどです。


具体的にはタレントさんのようにイベントの招待を受けるだけではなく、自ら有料での撮影会や写真集の販売など多岐にわたるようです。こういう方たちにとっては「コミケ」は営業活動の一つとなっています。ただし自ら行うものは設備や準備にもお金がかります。入ってくる分も大きいかも知れませんが、出て行く分も大きいでしょうね。

ただし誰でもできるわけではありません。簡単に言ってしまうと、女性で言えば、「グラビアアイドル」並みの容姿も必要です。つまりグラマラスなボディが必要だというこです。

ですからそのためにスタイル維持のための節制も必要です。当然、体にも顔にもお金はかかるでしょうね。昔の「コスプレイヤー」はこの節制がないのが一目で分かる人たちばかりで醜いからださらして恥ずかしくないのかという人も多かったのです。

今は個人で活躍していますが、このままだと企業化されたコスプレイヤー集団も出てくるかも知れません。


これは二年ほど前になりますが、女子大生が進路相談の時に「コスプレ」
を仕事にできないかというので、その方面に詳しい自分へ大学の教員が相談にきたことがありました。「コスプレ」の存在がそこまできているのかと、自分も少し驚きました。それほど「コスプレ」は世の中に浸透していて強い影響力を与えています。また同人とは違って、受け入れられてもいます。

同人誌は作品を作る能力がないと制作できませんが、コスプレだけは衣装があれば誰でもすることができるという手軽さがあります。そういう意味では非常にハードルが低い世界であるといえると思います。

単純に「コスプレ」して楽しむだけならば誰でもできますが、それが人から
注目を浴びる、または大きな利益につながるとなってくるとまったくの別問題です。

これは同人誌でも同じですが、コスプレで稼ぐとなるとハードルは一気に跳ね上がります。そして心構えも必要です。同人誌制作でも同じですが、楽しいだけではすみません。むしろ苦労の方が多くなってきますからね。


昨年の「冬コミ」にて、「黒碧天」さんという同人絵師さんがなくなりました。「コミケ」で初めての死者ではないかと言われています。自分もコミケ会場で倒れて緊急搬送、その後死亡したという話は今まで聞いたことがありません。近親者の方の話によると心筋梗塞だったそうです。44歳の若すぎるご逝去です。

持病があった訳ではなく、締め切りなどに追われて不規則な生活を続けておられたとか。同人だけではなく、創作の世界はこういうことがたまに起こります。また真剣に創作活動に取り組むとこれだけ体に負担をかけます。これは仕事でも同じです。


実は自分も同人活動を初めた最初の頃、過労で動けなくて寝込んだことが
ありました。仕事と同人活動、活動の殆どがサークルの裏方の仕事で殆ど自分が負担していたのもあって、ほかのサークルメンバーよりもはるかに多くの負担を強いられていました。

これもあって最後はサークル活動を支えきれなくなった面もあって終わっていったのですが、決して楽しくらくなものではありません。

「コスプレ」も違った面で危険をはらんでおり、最近は「アイドル」がファンに襲われるということもあるわけです。人に注目してらうということは、こういう危険な人物も混じっているわけですからいろいろな危険が潜んでいます。

これらのことも考えて活動しなければ取り返しのつかないこともおこるかも
知れません。
同人関係の殆どが、こういうことをまったく考えていない人たちですからついでにここで指摘させていただきます。



ご支援は、創作活動再開と新しい創作活動などのためにありがたく使わせて頂きます。