松田雄馬

博士(工学)非線形数理、大脳視覚野、自律分散制御、物体認識、画像処理、統計物理、数理最…

松田雄馬

博士(工学)非線形数理、大脳視覚野、自律分散制御、物体認識、画像処理、統計物理、数理最適化、他。ドラえもんと同じ9月3日に生誕。大阪出身。株式会社オンギガンツ代表取締役。大和大学情報学部特任教授。一橋大学ビジネススクール非常勤講師。著作「人工知能の哲学」東海大学出版部、他。

最近の記事

研究者が社長になる理由 AIに生命を吹き込む研究者が語る夢

本日、9月3日のドラえもん生誕を記念して(自分の誕生日という区切りでもあるので)、普段考えていることを、一人の「研究者の生き方」論としてまとめてみました。先の見えない今、「生き方」を考えるヒントになれば幸いです。 研究者が必ずぶつかる「社会に役立つことをしたい」という葛藤昨今、AIやデータサイエンスなどのデジタル技術が脚光を浴びているなか、研究が社会の役に立つのはアタリマエに感じられるかもしれません。ところが、実際の研究現場はそうではないのです。なぜなら、すぐに社会の役に立

    • 「理科好きの子供を増やしたい」という主張がズレている理由

      新年のニュースで、小学生の夢の第一位が「学者・博士」になったことが、一時期話題となった。 それ自体は非常に喜ばしいことなのだが、実は、小学生の多くが「理科」や「科学」といったものに対してポジティブな印象を持っており、「学者・博士」は、毎年、小学生の夢の上位だということは、実はあまり知られていないことなのかもしれない(注)。 それだけではない。小学生の半数以上が、実は、理科や算数が好きだと言っており、この傾向は、中学生になっても、あまり変わらないという。だとすると、世の中、

      • 無生物に心はあるのか

        無生物に心はあるのか? この問題が哲学的問いとして議論された歴史があるのかどうかはさておき、一人のボウラーの意見としては、ボールと心を通わせることなしに、ボウリングをまともに行うことは困難ではないかと感じている。 ボウリングを行った最初の日本人が坂本龍馬だということは、極めて有名な話であろう。剣の達人たる坂本龍馬のボウラーとしての世界観が如何なものだったのかということは、多くの人の想像力を掻き立てるものがある。 さて、そうした幕末の出島とは打って変わって、今日のボウリン

        • 大阪人をいじめんといたって!

          #大阪人 #笑い #大阪 #関西 あくまで個人的な意見として述べさせていただくと、 大阪の「笑い」というものは、 他地域の方々が想像する以上に、 「内輪ネタ」や「ベタ」なものが多分に含まれる。 そして、この文化は、意外にも、 「大阪人なら面白いこと言うんでしょ?」 というような発言に対して、 必ずしも大阪の人間が心地良い感情を 持たないということと無関係ではない。 新喜劇を観ていると、 この一見無関係な二つのお話が、 実は一つに繋がっているのだと実感する。 基本的に、

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          突然の来訪者

          さて、先日の壮絶なる戦いの話をしよう。 その日、私は普段よりも二割り増しの睡眠を堪能していた。かの、のび太くんも遺している名言の通りである。「あたたかい布団でぐっすり寝る。こんな楽しいことがあるか!」…まさに、彼の遺す名言は真理である。万人の師たる孔子ですら、若干十歳で、この真理に辿り着いていただろうか…。 さてさて、そんな至福の朝、陽の光を優雅に浴びながら、前日の晩にセットしておいた洗濯物を、華麗に取り込もうとした。 そう。女王との出会いは、まさに、その時である。

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          「きみたちのレポートはゴミ」と言った教授の真意

          #大学 #レポート #単位 #教授 大学に入学したばかりの頃、シラバスを見て気になった一般教養科目があったので、ふらふらっと寄ってみた授業が非常に面白かった。その講義で教授が最初に言った一言がこれである。 「きみたち学生の書くレポートなんて、所詮ゴミみたいなモンだから…」 酷いことを言うモンだ。もっと学生一人一人の個性を尊重してほしいものだと思い、席を立ちかけたのだが、なんとなく気になったので続きを聞いてみた。 「いいかい。レポートにどれだけいいことを書いていても、学

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