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【高校化学】無機物質の授業法
今年度私は高3の理系クラスの化学を久々に担当。
高3理系クラスはかれこれ6年ぶり。
しかも無機物質の単元を含む(基礎なし)化学の授業をするのは5年ぶりになります。
恥ずかしい話、5−6年も離れていたら、知識や授業法を忘れたところもあございます。
新年度授業開始までにまともな授業ができるよう、目下リハビリ&準備中。
そんな中で思ったことをつらつらと。
無機物質は暗記モノ?
高校化学で無機物質を学んできたほとんどの方にとって、無機=暗記モノと捉えているのではないでしょうか?
「わけのわからない物質の性質なんか学んで、何の意味があるの?」
「これとこれを反応させたらこんな物質ができますよ・・・だから何?」
私自身が高校生だった頃だけでなく、教員になりたての頃でもこんなふうに思っていました。
ひょっとしてこの記事をご覧になっている皆様の中にもお心当たりはございませんか?
これまでの私なりの工夫
私が無機物質の授業をする際は、このようなプリントを作り、生徒が知識を整理しやすいようにしました。
また、教科書に書かれていないような補足事項を加えながら、大事なところや反応式を穴埋めするようになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1680769514504-Ia182gEZeU.png?width=800)
この画像を見て、皆さんはどう思われますか?
自分でプリントを作っていてこんなことを綴るのは何ですが、こういった形のプリントを作成することで、無機=重要なところを暗記するという偏見を助長しているのではないかと最近になって思います。
しかし、某大手予備校の教員向けセミナーに参加し、無機物質を学ぶ本当の意義は「元素間での反応の性質を比較するところにある」と講師の先生が仰せになっていました。
また、特定の元素の反応の関係を図示し、体系的(というより感覚的?)に整理・理解する方法もご紹介いただきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1680770200914-3LFMYKzQJ2.png?width=800)
※上の写真は講師の先生が書かれた図をもとに、私がアレンジして示した落書きです(平たく言えばパクリです)。
これはある特定の元素について、単体と化合物の反応関係を示した図です。縦軸は自然に反応が進む流れを表しています。
私はよく「単体は尊い存在で天上界におわしまして、空気中に降りると酸化され、水の中に入るとオキソ酸や水酸化物となり、最後は塩として海に還る。これが化学反応の自然な流れなのです」と生徒に言ってます。
また、横軸は酸化数を表しています。
ただし、酸化数を考えることがそれほど重要ででない場合、横軸を省くことがあります。
こういった図をさまざまな元素について表してみると、元素間で比較ができます。
実際に比較してみたら結構面白いですよ。
あと、同じ族の元素で性質を比較するために表でまとめることもあります。
穴埋めプリントは不要?
無機物質の学習について、学習指導要領では「さまざまな無機物質の性質や反応のしかたを周期表と関連づけて理解する」といった文言が綴られています。
私の勝手な解釈になりますが、学習指導要領にある周期表と関連づけて理解するというのは、物質1つ1つを細かく見るよりも、物質どうしを比較して性質を理解することが重要ではないでしょうか。
そうすると、無機物質の性質を学ぶ際は、先程の画像でお見せした反応経路図や複数の元素間で比較するための図表をまとめるだけでも十分。
さらに化学反応式については、その反応の中身(酸塩基反応・酸化還元反応など)をきちんと示す。
あとの細かいところは、教科書の文章をマークするだけでよい→そうすれば生徒は教科書を自然に読むようになる。
こんなことを4月に入って思った次第です。
長々と薄口の持論を綴って参りましたが、今年度はあまり細かいプリントを作らずに進めていこうかなと思います。
その実践については後日、私の気が向いたときに綴ります。
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