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ソーシャルスタートアップ合宿/創業1年目An-Nahalの場合|チームビルディングに必要な3つの「P」【前半】

こんにちは。
違いに優しい社会を創るAn-Nahal代表の品川優です。

1月の終わりにAn-Nahalのチームメンバーと一泊二日の合宿を行いました。
①チームメンバーを「お互いに」よく知り、Give & Giveの関係になること
②An-NahalとのCo-Creationのポイントを探ること
の2つを目的としていて、①はいわばチームビルディングですね。私たちのようなスタートアップ期にある会社のチームビルディングにおいて、重要な要素は3つあります。

(1)PAST : これまでを知る
(2)PRESENT:今どんなことをしているのか、楽しいこと、悩んでいること
(3)PASSION:これからのビジョン、取り組みたいこと

この記事では何故この3つの要素が大切なのか、実際に創業して10ヶ月の株式会社An-Nahalで行った合宿内容と設計意図をご紹介したいと思います。

|そもそも合宿をやることになった理由
An-Nahalの創業メンバーは全員本業を持ちながら事業を手伝ってくれています。そんな中で、「繁忙期・大学試験期間の1月土日2日間をブロックしてほしい、合宿したい」と伝えて今回の合宿を実施することになりました。合宿をする以前の社内の状況や経緯はこちらの記事に目を通していただけると、今回の記事も読みやすいと思います。

1. 合宿のゴール|An-Nahalの場合

合宿で達成したいゴールは以下の2つだったので、ゴールのためにどのような問いかけやワーク、場作りが有効かを考えて設計しました。(②に関しては【後半】の記事で書きたいと思います)

チームメンバーを「お互いに」よく知り、Give & Giveの関係になること
An-NahalとのCo-Creationのポイントを探ること

①チームメンバーを「お互いに」よく知り、Give & Giveの関係になること▷コミュニケーションの質を変える

これについては前回の記事に書いた通りですが、創業して間もない、しかも全員本業で忙しいチームメンバーがお互いのことをまだあまりよく知らない状況が続いていました。その結果、タスクのためのミーティングを淡々とこなす日々が続いていることが合宿前のアンナハルの課題でした。

何故これが課題かというと、
社会的インパクトを大切にしながら事業の持続可能性の両立を目指すSocial enterpriseという領域では金銭的なインセンティブが必ずしも潤沢ではなく、事業への共感、人的ネットワーク、キャリアへのメリットをそれぞれが見出せるのかどうか、がチームとして必要なことだからです。

つまり、リーダーだけでなくメンバー同士を知ること。
「この人たちと仕事するの楽しそう、面白そう、自分の成長に繋がりそう」
と感じられるかがモチベーションの観点から非常に重要になります。

圧倒的なキャリアや成功を遂げたリーダーであれば、その人の魅力だけで人が集まり、一緒に仕事をすること、事業に関われるということがモチベーションに繋がることも十分あると思いますが、
An-Nahalはリーダー⇄メンバー、だけでなくメンバー⇄メンバーの関係性構築
も欠かせないと考えています。

メンバーそれぞれがこれまでどんな人生を歩んできたのか、今頑張っていること、どんなビジョンを持っているのかを知って、共感すること、お互いにそれをサポートし合いたいと思えるGive & TakeではなくGive & Giveの関係性になれるかどうかでチームのコミュニケーションの質が変わってきます。


2. ソーシャルスタートアップ合宿の場づくりに必要な3つの「P」

共感がキーワードになる時、「成果」だけにフォーカスするのではなく
「人となり」や「多面性」を知ることも大切です。
そういった観点から大事にしたのが冒頭でご紹介した3つの「P」です。


(1)PAST : これまでを知る

ここではライフカーブというシンプルなフレームワークを用いて、一人一人がこれまでどんな人生を送ってきたのかをシェアします。そして聞き手はその話から感じたことを書いた簡単な手紙(メッセージ)を話し手にプレゼントします。

💬このワークの良いところ
1.大切な体験、ターニングポイントを知る
実は趣味が一緒だった、こんな特技があった、と打ち合わせの会話では得られない発見や、なぜ今この仕事をしているのかにつながります。
2.感情のバロメーターを知る
感情やモチベーションの上下を見ることでその人がどんなことに喜んだり、やりがいを感じるのか、または逆に落ち込んだり停滞感を持つのかのヒントを得られます。

ライフカーブは誰でもどこでもできるので、チームビルディングには簡単かつとても有効です。その上で一つだけ欠かせないのは、飾らずに安心して共有できる心理的安全性を確保すること。

▷心理的安全性を確保するために、以下のようなグラウンドルールを設定しました
・このワークの中で知ったことは自分の心の中にとどめておく
・自分が言いたくないことは無理して言わなくていい
・メッセージは評価ではなくて相手へのプレゼントという気持ちで


(2)PRESENT:今どんなことをしているのか、楽しいこと、悩んでいること
(3)PASSION:これからのビジョン、取り組みたいこと

この2点についてはというワークショップのフレームワークを使って掘り下げていきました。この「タニモク」というワークショップはパーソルキャリア社がそのマニュアルやスライドなどを公開しているものなのですが、その名の通り他人に目標を立ててもらうワークショップです。

💬チームビルディングの際の有効なタニモクの活用方法
タニモクの目的である他者の視点から自身の選択肢を広げる、というのはこのワークショップだけで充分だと思うのですが、チームビルディングとしてはライフカーブを前にいれることでより文脈が理解し、メンバーのことを応援したい!というマインドセットが高まってる状態でできるとさらに効果的だと思います。

ここではまず自分自身の現状をなるべく絵で表現し、それをメンバーに説明します。その話を聞いたメンバーが「自分だったらこうするかも」という目標設定をして、それを話し手にプレゼンします!

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ちなみに、私の話に対してメンバーのななみがプレゼントしてくれたのがこちら。

解説ないとなんのことかわからないですよね(笑)
でも、ライフカーブと現状のシェアもしているからこそ、話し手にとってはとても納得感があります。そして、自分自身では思いつかなかったアイデア、はたまた重要だと思ってたけど苦手だから手をつけていなかったことが明らかになったり、と気づきもとても多いのです。ここは実際にタニモクをやっていただくと実感できると思います。

◆最後はそのプレゼンを受けて、3つの未来の目標を立てます。
①今日からすること②明日からすること③半年以内にすること

実際に私の例だとチームメンバーからはこんな提案がありました👇
・他己紹介力を活かしてつなぐ人になる
・苦手な人を自分へ新しい視点をくれる人だと思って接してみる
・安心できる物理的な場所を見つける

そこから私が自分で設定した目標はこちら
今日から:働き方を考える / ルールを作る
明日から:男友達に話を聞く
  *An-Nahalは現状チーム全員女性なので、新しい視点を得るという意図(笑)
半年以内:シェアオフィス に入居する

私の場合は「やった方がいいだろうなぁ」と思いつつも、目の前の仕事についつい取り組んで後回しになっていたことに気づいて、それをきちんとTo-Doリストに入れられたことがとても大きい気づきでした。

また、チームメンバーの目標も聞いたことで
「ミーティングの時にできてるかリマインドしてみよう」
「あの目標にはこんな役割や機会があるといいかも」とメンバーの目標達成に貢献できるよう意識して行動するようになりました。

ということで、①チームメンバーを「お互いに」よく知り、Give & Giveの関係になることを目的とした時間はここまで!

実際どうだったのかはメンバーに聞いてみたいところですが、肌感覚(その場の空気感)としては到達したい状況になっていたと思います。

ちなみに、ここまでのプログラムで半日くらいかかりました。

🕰当日の動き🕰
12:00 鎌倉集合
12:00-14:00 地元野菜の美味しいレストランでゆっくりランチ
14:00-14:30 夕食の買い出し
14:30-15:00 家に移動、ワークの準備
15:00-16:30 ライフカーブ
16:30-18:00 タニモク
18:00-19:00 みんなで料理、鍋パ

まずはチームビルディングをしたい!という人はコロナの自粛ムード/在宅勤務の引きこもり状態から気分転換という意味でも半日くらい自然光がよく入る空間で、もしくは屋外でこのワークをやるというのも良いかもしれません。

次回は、「②An-NahalとのCo-Creationのポイントを探ること」をテーマに合宿後半の内容をお伝えします。

An-Nahal CEO
品川 優


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