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【News! AIRS-Lab #036】今週のAIトピック「『言語』を持つけど文明を築かない生き物」、明日6/6のライブ講義など

今回は、明日6/6(月)日のライブ講義、今週のAIトピック、Udemyコースの一部無料公開などについてお知らせします。

この配信のバックナンバーは、noteの方で公開しています。


【Transformerの利用】

明日6/6(月)の21時から、ライブ講義「AIによる画像分類を学ぼう!【PyTorch+Colab】」 Section5が始まります。

AIによる画像分類を学ぼう!【PyTorch+Colab】 Section5 【Live!人工知能 #92】

「AIによる画像分類を学ぼう!」は、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)をベースにした画像分類技術を学ぶ講座です。

Google Colaboratory環境で、PyTorchを使い様々な画像分類モデルを実装します。

最初にPyTorchの使い方、CNNの基礎を学んだ上で、ResNet、MobileNetなどの有名モデルを実装します。

さらに、Transformerを利用した画像分類モデルも扱います。

様々な画像認識モデルの仕組みを学び、Pythonで実装できるようになりましょう。


【今週のAIトピック: 「『言語』を持つけど文明を築かない生き物」など】

シジュウカラが「言語」を持っているとのこと。

ヒト以外が、単語を組み合わて意味のある文章を作れることに驚きです。

言語を持ちながら文明を築けなかったという点では、ネアンデルタール人もシジュウカラも同じですが、なぜサピエンスだけが文明を築けたのでしょうか。

この発見をした研究者の鈴木俊貴さん、短期的なリターンは無視して応援すべきかと。

言語の本質、そして知能の本質の解明へとつながっていくように思えます。

まさに、個が輝く時代かと。


オンラインゲームの同期に関するQuoraの良記事です。

個人的に「フォートナイト」をプレイしているのですが、地球の反対側のプレイヤーと普通に遊べるのは不思議に思っていました。

光速って普通に暮らしていればとてつもなく速いように思えますが、惑星スケールで考えれば決して早くはないので。

一秒間に地球を7週半ですからね。

格闘ゲームでは、予備動作に遅延を吸収させて対応しているとのこと。

将来人類が火星に移住したとき、オンラインゲームの遅延はどのように対応することになるのでしょうか。

光速で3分ほどかかりますからね。

ちなみに、火星まで届く光のイメージはこちらです。


「SymPy」による数式処理、なかなか面白いです。

Pythonで方程式を解いたり、微分や積分を行うことが可能なようで、新しい形での数学の学習ができそうです。

個人的に数式を紙に書くのが面倒くさくて数学が苦手だったのですが、LaTeXとSymPyを組み合わせることで数学を好きになる方が増えるのでは無いでしょうか。

Udemyコースでうまく活用できないか考え中です。


Googleが提供する競技プログラミング「Kick Start」。

Googleでのキャリアに必要なスキルを考慮して問題が作成されているようで、高スコアはかなり就職に有利になりそうです。

「競争」って何だかんだで楽しいんですよね。

Kaggleもそうですが、競争を通したスキル向上を狙うプラットフォーム、今後流行るのではないでしょうか。


Google Research,のBrain Teamによる「Imagen」。

「拡散モデル」により文章から画像を生成するモデルのようです。

サイト内のデモで様々な言葉の組み合わせを試すことができます。

まだ自分で書いた文章を試せるわけでなないようですが、やがて画像作成の仕事の大部分はAIが担うようになることが想像できます。

ただ、上手くいった例しか見せていない可能性があるので、早くモデルを使ってみたいところです。


マイクロソフトが、ソースコードをAIが読み込んで自然言語で説明してくれる「Copilot Explain」を開発中とのこと。

AIにコードの内容を説明させることで、他人の書いた「コードを読む」苦労を低減できるようです。

いわゆる「コメント」の自動生成ですね。

チーム開発において、コードを読む時間は結構な割合を占めます。

しかしながら、コードの内容を文章で説明するのはなかなか骨が折れます。

精度にもよりますが、この辺りの隙間を埋めてくれる機能として今後活躍する可能性は十分にあるでしょう。


音声だけで完全な長文が書ける技術を、東大の暦本純一教授が開発したとのこと。

キーボードやマウスを使わず、音声のみで長いテキストを書く技術、多くの人が待望していたのではないでしょうか。

> ささやき声と通常の音声の2種類を使い分けることで、文字入力は通常の声、ファンクションキー、コマンドキー、記号キーなどのコマンド入力はささやき声といったように、音声に複数の意味を持たせることができる。

ささやき声をコマンド入力に使うというアイディア、面白いです。

ささやき声の認識にはニューラルネットワークを使用しているとのこと。

口パクのみによる入力の研究も進んでいるようで、キーボードというインターフェイスが古くなるのもひょっとしたら近いのかもしれません。


NTTが、車からの景色を基に雑談する対話AIを開発したとのこと。

> 今回開発したAIでは、ドライブ中の対話/周辺情報データを用いて、NTTが構築した深層学習に基づく大規模テキスト対話モデルを追加学習する。これにより、景色として見える画像情報とそれに関連する外部知識に基づいて自然な対話が可能になるという。

一人でのドライブは退屈だったり眠くなったりする問題があるので、一つの解決策になるかもしれません。

しかしながら、人が楽しめるレベルの「雑談」を実現するのはなかなか難しいと思うのですが...

でも、例えば「AIのべりすと」のようなレベルの文章で会話ができたら、ヒトとの会話とは異なるAIとの会話を楽しめるのかもしれません。


「グランツーリスモSPORT(GTS)」でAIと人間が対決したのですが、全てAIの勝利に終わったとのこと。

AIには深層強化学習が使われているようです。

限定された環境における最適化では、もはや人間はAIには勝てないのでしょう。

このような技術の延長線上で、人間との円滑な会話は可能になるのでしょうか。

特に雑談は、環境や報酬の定義が難しく、深層強化学習でも捉えどころが無いようにも思えますが...

果たして、ブレイクスルーは訪れるのでしょうか。


画像生成AIが独自の「AI語」を生み出したとの研究結果。

> 文章から画像を生成するAIが生み出す文字列は、意味不明なものであると思われていたが、それらの言葉は鳥や野菜などの意味を持つ“AI語”であったという。

画像とともに生成した意味不明の単語から、特定の傾向を持つ画像が生成できるようです。

単語とイメージを紐付けることが可能なようで、この点かなり実際の自然言語に近いのでは。

文法の方はどうなのでしょうか。

ひょっとしたら、もう既に文法は出来上がっているのかもしれません...


「明晰夢」を見ている人と、双方向のコミュニケーションが可能だという論文。

https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)00059-2

明晰夢とは、夢であることを自覚しながら見る夢のことです。

概念実証のために、数学の問題やYes/Noで答えられる質問を与えたようです。

夢を見ている人は、目の動きや顔の筋肉の信号で、リアルタイムに答えることができるとのこと。

夢の世界とコンタクトがとれるとは、なかなかロマンチックな成果ですね。


【コースの一部無料公開について】

Udemyコース「AIによる画像分類を学ぼう!【PyTorch+Colab】」は、6月半ばに公開予定です。

このコースの動画の一部は、YouTube上で無料公開されています。

【Section3: 有名モデルの実装1】AIによる画像分類を学ぼう!【PyTorch+Colab】 -Udemyコースを一部無料公開- :

【Section4: 有名モデルの実装2】AIによる画像分類を学ぼう!【PyTorch+Colab】 -Udemyコースを一部無料公開- :

コード: https://github.com/yukinaga/image_classification


【AIと遊ぼう!AIRS-Lab】

YouTubeチャンネル「自由研究室 AIRS-Lab」で、AIの魅力を発信する動画を公開しています。

ロボットレストランは自販機を超えるか【AIと遊ぼう! AIRS-Lab #083】:

AIメガネは言語の壁を無くすのか【AIと遊ぼう! AIRS-Lab #084】:


【書籍】

Udemyコース「AIパーフェクトマスター講座」が書籍になりました。

新刊「Google Colaboratoryで学ぶ!あたらしい人工知能技術の教科書」(翔泳社)は9/8に書店に並びました。

Google Colaboratoryを使って、CNN、RNN、生成モデル、強化学習、転移学習などの人工知能技術を一通り学ぶ本です。

また、他のUdmeyコースの書籍化の企画が既に始まっています。どうぞご期待ください。


今後も、皆様にとって有益なコンテンツを提供していけたらと思います。

ご意見、ご感想、コースのご要望などがありましたら、ぜひお聞かせください。

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