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昨日の続き クラトリVSネリ

さて、ひと段落しましたので、昨日の続きの試合の解説、説明をしていきたいと思います。

解説しておりました、試合はこちら。先日ハンガリーのブタペストで行われていたサーブルW杯の試合です。

選手の詳細につきましては、昨日の記事に書きましたので是非読んでみて下さい!

では、解説しています♪

1セット目が終わり、両者1分間の休憩に入ります。しかし、ただの休憩ではなく、戦術を練り直す時間です。
ネリはアタックコントルアタックの動きを使って試合をコントロールしたい、クラトリはアタックコントルアタックをうまくノンさせて攻撃を仕掛けていきたいといった狙いがあるように感じられました。

5:35〜
クラトリはネリの動きを見ながら、前足でアクションをかけます。ネリは2歩目を急加速させながらストップ。さらにクラトリが一瞬下がったのを確認してルプリーズダタックを仕掛けます。しかし、ネリの剣がクラトリのコントルアタックをした剣に当たってしまい、ランプをつけることができません。
よって、ネリの攻撃は失敗。クラトリのコントルアタックでポイントとなります

クラトリ4-8ネリ

5:42〜
クラトリは再度、ポイントを取ることができた、前足でアクションをかけるステップを続けます。対してネリはプレパラーションを狙ったような動きを見せますが、クラトリが思いのほか距離を詰めてこなかった為に、ルプリーズダタックに変更。クラトリは、ネリがアタックをしてくると思いながらのステップであった為に、後ろへステップを踏んでしまい、体勢を崩してしまいます。必死にコントルアタックを出すも、ネリのルプリーズダタックが決まります。

クラトリ4-9ネリ

5:51〜
クラトラはさらに同じステップを続け、ネリのアタックノンを誘います。それを分かっていたかのように、ネリは2歩目急加速でアクションをかけながらストップ。クラトリが迷っている間にルプリーズダタックを仕掛けます。しかし、ネリのアタックは届かず、クラトリに優先権が移ります。ネリは下がりながらもクラトリを誘導します。ネリが下がるからクラトリが前に出るという。ネリ主導のディフェンスができているように思います。クラトリは最後の最後までネリの動きを見ながら、冷静にアタックを決めることができました。

クラトリ5-9ネリ

6:12〜
クラトリはアタックコントルを狙います。対してネリは後ろ足の引き付けを少なくして、どうにかプレパラーションを狙うアタックへ変更。ネリ主導の動きから、クラトリが仕掛ける展開になりました。
審判の判定は、クラトリのポイント。ネリはビデオ判定を要求します。かなり長いディスカッションが行われましたが、判定は変わらず、クラトリのアタックコントルアタックでポイントです。

クラトリ6-9ネリ

7:11〜
クラトリは先程のポイントを、奪えた意識を利用してネリにアタックノンをさせる前足でアクションをかけるステップに変えます。対してネリは2歩目から急加速しながらアタックコントルアタックを狙います。クラトリはとっさにアタックの姿勢をとりますが、これはコントルアタック。攻撃を先に仕掛けたネリのポイントとなります。
この辺りから、アタックコントルを仕掛けるタイミングがポイントを取る、取られるの分岐点になっていきそうです。

クラトリ6-10ネリ

7:25〜
クラトリはアタックコントルアタックを仕掛ける動きを見せながら、後ろ足の引き付けを早くしてプレパラーションを狙うアタックをします。ネリはクラトリが大きく入ってきたのを見て、後ろ足の引き付けを少なくしてアタックをします。これは同時攻撃か?と思いましたが、ネリの剣がクラトリの有効面を捉えることができず、クラトリのランプのみ点灯。クラトリのポイントです。

クラトリ7-10ネリ

7:37〜
クラトリはアタックを仕掛けた意識を利用して次はネリのアタックノンを狙う前足でアクションをする動きへ変わります。対してネリは2歩目急加速しながらストップ、ルプリーズダタックを仕掛けます。クラトリが後ろへステップをした瞬間にネリがルプリーズダタックをしますが、とっさにクラトリの剣がネリの有効面を突き、コントルアタックでポイントが入ります。ネリは攻撃権を取って攻めているだけに、悔しそうですね笑

クラトリ8-10ネリ

7:53〜
ネリは再度、2歩目加速してストップをします。対してクラトリはネリがアタックで届く範囲まで侵入してきたと思い、アタックをします。しかし、ネリはこれを冷静にパラード・リポストしてネリのポイントへ。ここはネリがクラトリを動かしている場面です。この一本は試合の展開を左右する大きな一本に感じます。

クラトリ8-11ネリ

8:02〜
クラトリは小さなステップでアクションをかけながらネリの動きを見ます。対してネリは初めから決めていたように2歩目から急加速してアタックをします。クラトリはネリが手を引いて大きく入ってきたと判断してアタックをします。しかし、ネリは手を引くことなく、そのままアタックコントルアタックが成立します。ネリは「これは決まった」とばかりに、大きな声を出して喜びます。クラトリはネリは手を引いているだろとアピールして審判にビデオ判定を求めます。このビデオ判定も実らずにネリのポイントへ。

クラトリ8-12ネリ

8:40〜
クラトリはアタックを自ら仕掛けます。対してネリは2歩目を加速しようとしたところで、クラトリがアタックをしてきた為に、どうにか後ろ足をの引き付けを少なくしてアタックの態勢を取ります。クラトリのアタックコントルアタックの成立です。
ここでクラトリはどうにかして流れを変える為に、見ながら入る動きではなく、自ら仕掛ける動きを入れてきました。

クラトリ9-12ネリ

8:57〜
クラトリは先程のアタックの意識を使いながら次は前足でアクションをかけ、ネリのアタックノンを狙います。対してネリはそこはお見通し。2歩目急加速してストップ、クラトリの下がったタイミングでルプリーズダタックを仕掛けます。とっさにクラトリの剣が出ますが、ネリは難なくクラトリの左腕へ腕を伸ばし、ネリのポイントとなります。
クラトリは前の印象を利用して、点を取りたい。ネリはお見通し。そこがわかる場面であると思います。

クラトリ9-13ネリ

9:06〜
クラトリは大きく前へステップしながらアタックをします。対してネリはマルシェ2回から1回に変えて、マルシェファントでアタックをします。審判の判定はクラトリが一瞬アタックをするのが早かったということで、クラトリのポイント。しかし、ネリは納得いかずビデオ判定を要求します。判定は覆る事はなく、クラトリのポイントとなります。ネリは驚きですね、クラトリはポイント取ってもらえてラッキーといった感じでしょう。

9:50〜
クラトラはステップではなく前足を小さく出して、ネリがスピードアップするタイミングでアクションをします。対してネリはここもお見通し。2歩目スピードアップしながらストップしてクラトリの下がるタイミングでルプリーズダタックを仕掛けます。しかし、ネリが体勢を崩しながら無理にアタックをしてしまい、クラトリに剣が届きません。クラトリに攻撃権が移ります。クラトリは上にフェイントをかけ、ネリがパラードポジションを取った隙を狙い、コースを変えてポイントを決めます。攻撃剣を無駄にしてしまったネリは剣を靴にぶつけて悔しがります。

クラトリ11-13ネリ

10:09〜
クラトリはネリのスピードアップのタイミングを見計らい、前足でアクションをかけます。ネリはマルシェを1回に切り替え、マルシェファントでアタックを狙います。ドンピシャのタイミングでクラトリのアクションが効き、ネリがアタックノンします。クラトリはすぐにノン・リポストはせず、コースをいくつも変えて攻撃しますがネリがバランスを崩していた為に、審判からアルト(止め)がかかります。これにより、ポイントはなしです。
せっかくクラトリがやりたい事を出来たのですが、審判にアルトをかけられてしまい、驚いています。

クラトリ11-13ネリ 審判が止めた為得点なし

10:50〜
クラトリは先程と同様に、ネリのスピードアップのタイミングを狙いながら前足でアクションを仕掛けます。ネリはクラトリがアタックをしてける前提にパラードポジションをとりながら2歩目スピードアップでアタックを仕掛けます。クラトリがタイミングよくネリのアタックノンを誘うことができ、攻撃権がクラトリに移ります。すぐにクラトリが準備に入った事により、ネリはディフェンスの準備が整わず、とっさにコントルアタックをしますが、クラトリにうまく合わされてしまい、クラトリのポイントとなります。
ここで少しずつ、クラトリがネリのタイミングを分かってきているような感じがします。ネリはあまり焦らずに、ストップを多用すべき場面であったと考えられます。

クラトリ12-13ネリ

11:11〜
クラトリは先程と同じ様なステップをしてネリのアタックノンを狙うかと思いきや、後ろ足を大きく引きつけアタックをします。ネリはマルシェファントの動きで大きく入り、ストップを狙いますがクラトリがアタックを仕掛けてきている為、コントルアタックをしてしまいます。
少しずつ、相手を動かしているのがクラトリに変わり、ゲームをコントロールしていますね。ネリはクラトリに動かされ、迷いが生じているでしょう。

クラトリ13-13ネリ

11:28〜
クラトリは先程とステップも全く同じアタックを狙います。ネリは2歩目から急加速してアタックコントルアタックを仕掛けます。これは印象の問題でもありますが、ネリがアタックを仕掛けている様に感じたのでしょう。審判はネリのアタックコントルアタックを判定し、ネリのポイントとなりました。クラトリは自分も仕掛けているだろう!と言った様な感じで納得がいっていません。ネリがマッチポイントです。

クラトリ13-14ネリ

11:53〜
審判のアレ(始め)の声より先に、ネリが動いてしまいます。この反則により、ネリにイエローカード(警告)が出ます。

12:03〜
クラトリはネリの動きを見ながら慎重に、距離を詰めます。ネリは迷わずに2歩目から加速してアタックコントルアタックへ。クラトリは、とっさにねりが大きく入ってきたと判断し、アタックをします。この一瞬だけ見るとネリのアタックコントルアタックが成立したように見えました。審判も判定が微妙な為に、自らビデオを見にいきます。判定はクラトリのアタック。会場から響めきが起こります。ネリが大きく手を引きすぎたのでは無いでしょうか。足だけ見れば完全にネリのポイントですが、最後の腕の見せ方がポイントを譲ってしまった原因でしょう。クラトリからしたらかなりラッキーなポイントですね。

クラトリ14-14ネリ

12:50〜
この場面は一本勝負ですので、どちらも前にプレッシャーをかけなければなりません。
クラトリは小さくステップしてアタック、ネリは大きく入り込みアタック。ランプは同時ですし、入りもほとんど一緒。シミュルターネ(同時攻撃)強いて言うならネリが大きく入っている為、アタックに行っているという印象はありそうです。

クラトリ14-14ネリ (同時攻撃で得点なし)

13:23〜
クラトリは迷わずに細かいマルシェからアタックします。ネリは攻撃権をいつも取れていた2歩目から加速、ストップして試合を決めようとします。
ネリが止まり、クラトリのアタックが届き、クラトリのポイントで試合終了です。

クラトリ15-14ネリ

イタリア同士の対決は先輩であるクラトリが制しました。後輩であるネリが先輩を倒して下克上を果たすかと思いきや、最後は先輩の強さが光りました。

この試合でのポイントとして、3つ紹介します。
まず1つ目
ネリのアタックコントルアタックの入りを多用して、クラトリを動かし続けることができた。また、ネリは同じような動きから急激に変えることができるといった、フットワークの強さも持っている。
2つ目
クラトリが粘り続けた結果の勝利。
クラトリは1セット目になかなか、自分の強みをうまく活かすことができていなかった。しかし、ネリの動きをよく見続ける事により、2セット目からは納得いくポイントが幾つかあるように感じた。
3つ目
最後はメンタル勝負。
最後のポイントではネリは攻撃権を取れていた安定を狙いにいったが、クラトリはずっと切り札にしていたカードを最後の最後に使ってきた。これは、勝負勘であったり必ずポイントを取るといったメンタル面がと大きく左右すると感じた。


今回は、ハンガリーのブタペストW杯、男子個人サーブルのクラトリVSネリの試合のポイントを解説、説明をさせて頂きました!

主観等があり、文章力もないので見づらいとは思いますが最後まで見て頂いた皆様、本当にありがとうございます!

この試合を解説してほしい!などありましたら、どしどしコメントお待ちしております!

ではまた!!


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