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第4章 出発 ①「講話依頼でわかっちゃう”やる気”」

 講話デビューを終え、年明けの2019年1月21日、最初の県外講話をお引き受けした。
 場所は滋賀県米原市、全国の自治体職員向けの平和・非核に関する研修会で、その一部に被爆体験講話が入った形だった。対象は平和行政を担当する公務員および地元・米原市民の皆さんで、聴衆は100名。
 この時の様子をYouTubeでシェアしておきたい(0:00~3:15)。

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 私達証言者は、国立長崎原爆追悼平和祈念館という国の機関を通して全国各地の学校等へ派遣される。全国の学校などから集まった派遣講話希望の申込みを取りまとめて証言者へ依頼が来ていることをメールで知らせる。
 例えばこんなふうに:「〇月〇日 ××中学校 対象:中学2年生。修学旅行の事前学習として講話を聴きたい」それを見た証言者は行ける分にエントリーをするという形だ。
 
 エントリー締め切りが終わると、祈念館は証言者の派遣先振分けを行うという流れになっている。複数の学校等にエントリーすることは可能だが、そのうちのどこに当たるかはわからないし、逆に当たらない場合もある。
 
 講話依頼の目的で多数を占めるのが「修学旅行の事前学習として」「平和学習の一環として」というものだ。このことが関係しているのだろうか、実感としては春から夏にかけて派遣が多い。

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 さて、派遣が決まると、申込み元の担当者と講話にあたっての打合せをメールや電話で行う。使用する機器や講話内容、タイムスケジュールなどを主に話し合う。
 面白いのが、依頼者によって要望はまちまちなところだ。
 
 例えば「原爆の知識がほとんどないので、わかりやすく話してほしい」「戦争の悲惨さや被爆者の思いが伝わるような講話をしてほしい」といった、比較的対応しやすいご要望もあれば
 「講話の後、生徒たちで世界の紛争や平和活動についてディスカッションをするので、それにつながるような未来志向の話も付け加えてほしい」といった少々難易度の高いご要望まである。
 
 こちらとしてはご要望を伝えていただくことが講話に磨きをかけるよい機会になるのでありがたい。
 また、こういったご要望から講話の学習上の位置づけや先生方の思いもうかがい知れるので面白い。


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