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戦争のなくし方とポケモン

最近、知人の影響でポケモンにドはまりしてしまった。

「単なる子供向けのアニメ」と高を括っていたが、友情や愛情、思いやりなど、大人にとっても教えられることがたくさんある。
毎週アニメを見るまでになってしまった。

ポケモンは今や世界規模で人気を博し、もうポケモンは「文化」と言ってもよさそうだ。

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さて、ひとはなぜ戦争をするのだろう。
人類の歴史は戦争と共にあった。これだけ文化や文明が進歩しても、戦争は今もなくなっていない。

その答えが知りたかった。

文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つです。
一つは、知性を強めること。力が増した知性は欲動をコントロールしはじめます。二つ目は、攻撃本能を内に向けること。好都合な面も危険な面も含め、攻撃欲動が内に向かっていくのです。
文化の発展が人間に押し付けたこうした心のあり方―これほど、戦争というものと対立するものはほかにありません。だからこそ、私達は戦争に憤りを覚え、戦争に我慢がならないのではないでしょうか。戦争への拒絶は、単なる知性レベルでの拒否、単なる感情レベルでの拒否ではないと思われるのです。(中略)
私はこう考えます。このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。

アインシュタイン/フロイト『ひとはなぜ戦争をするのか』
講談社学術文庫、P54

1932年、フロイトがアインシュタインに書簡の返事として送った手紙のなかの一文である。
この翌年にナチス政権が誕生し、ユダヤ人の血を引いていた両者にも魔の手が伸びる。歴史のなかでこの往復書簡は消えていった。

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フロイトは、戦争の終焉には文化の発展を促すことが必要だと結論づけた。
文化とは人々の精神性を発展させるものである。精神性の中には、知性や感情が含まれる。
それなら、よき文化に触れるしか戦争をなくす道はないのではないか。

ポケモンが文化だとしたら、ポケモンは戦争をなくす一助になるのか。
…なればいいなと思ってしまう。

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