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無くすべきは核兵器だけじゃない。平和活動は特別なことじゃない。

こんにちは。
長崎原爆の「若き語り部」こと、田平由布子です。
暑くなってきましたね!私は先日熱中症の初期症状で倒れかけました…
お互い身体には気を付けていきましょう!

さて、先日の記事で「長崎市平和宣言文起草委員会に選ばれた」とお伝えしましたが、今日は委員としての発言内容を書いていきます。

先日の記事↓

最初の会合は、委員一人ひとりが「今年の平和宣言に対する意見文」を作成してから臨むことになっています。
しかも意見は事前にマスコミ公開!(緊張とストレスがすごかったです…)

私は今回、以下の2点を述べました。

意見文のアイデアメモ(直筆)

1.核兵器を肯定する思想に終止符を

2024年、冷戦終結から35年が経過しました。
冷戦ピーク時は核兵器の数がおよそ7万発と言われており、今は1万2000発くらい。
大幅に減少したように見えますが、直近では核軍縮が停滞しています。そのうえ、実戦配備可能な核兵器数は増えているというデータがあります(以下参照)。
https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/bd/files/NWHguide2023_J4b.pdf

さて、話は変わりますが映画『オッペンハイマー』をご存じでしょうか?
昨夏にアメリカで公開され、今春から日本でも公開されています。
核兵器開発者・オッペンハイマーの歩みと苦労を描いた映画ですが、同日公開された映画『バービー』と掛け合わせた”#Barbenheimer(バーベンハイマー)"なるタグが生まれ、炎上する事態に。

この騒動は私にとって、被爆地が長年訴え続けてきた核兵器廃絶、そして「長崎を最後の被爆地に」という叫びは、全世界に届ききっていないと感じる悲しい出来事でした。
だからこそ、単に核兵器を廃絶するだけではなく、核兵器を肯定する思想にも終止符を打たねばならないと訴えました。

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2.すべての人が「平和を創る主体者たれ」

語り部として活動して5年が経ち、小中高生から大人まで、様々な方と出会って意見を交わしてきました。継続的に活動しているからこそ「年齢や立場は関係なくすべての人が平和な社会・世界を創っていく責任がある」と痛感しています。

だからこそ、平和活動人口が被爆者・定年退職者や専業主婦(主夫)/高校生・大学生といった「時間とお金に十分余裕がある層」に二極化していることを危惧しています。
なぜなら、この偏りは人々の間に「平和活動は一部の人がやるもの」という意識や偏見を知らぬ間に植え付けているのではないかと思うからです。

もちろん、若者の平和活動は尊く大事なことです。しかし、若者より上の世代が、平和の創造を若者任せにしないことも同じくらい大事ではないでしょうか。

私は、平和は一人ひとりが小さな行動を積み重ねて創られていく道のようなものだと考えています。
『建設は死闘、破壊は一瞬』―この言葉が言わんとすることを平和宣言に盛り込み、聴く人達の心にある善性を呼び覚ますような内容が望ましいと訴えました。


さて、今後2回の起草委員会で今年の平和宣言を固めていきます。
また進展があったら報告しますね!


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